一時的な資金不足となる局面で活用したい生命保険の契約者貸付

益山真一

2020.04.27.(月)

新型コロナウイルスの影響、皆さんはいかがですか?
少なからず多くの皆さんの生活に大きく出ているのではないでしょうか?
サラリーマンは、テレワークによる残業代の減少、ボーナスの減少。
自営業、フリーランスは自粛ムードの高まりによる仕事の減少。
手元資金が寂しくなると、簡単に利用できるカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用を考えるかもしれませんが、手軽なだけに利率が高め。
今回は、多くの方が加入している生命保険から資金を借りることができる制度「契約者貸付」をご紹介します。

貯蓄性が高い保険で利用できる 安易な解約は×

生命保険の契約者貸付は、契約者が支払ってきた保険料に応じて積み上がる解約返戻金(≒解約時に戻る資金)の一定範囲内(通常7~9割程度)で、保険会社から資金を借りることができる制度です。
具体的には、終身保険、養老保険、個人年金保険等の貯蓄性が高い保険で利用でき、貯蓄性の高い生命保険の保険料をまとめて一時払いしている場合や、契約から長い間、保険料を支払ってきた場合には解約返戻金も多いため、借りられる金額も多くなります。
一方、契約からの経過年数が短いために解約返戻金が貯まっていない場合や、貯蓄性が低い掛捨型の定期保険、解約返戻金がない代わりに保険料が低く抑えられている医療保険等では契約者貸付を利用できません。

契約者貸付は窓口、コールセンター、ネット、郵送等の方法で申し込むことができ、
ネット申込みの場合は即時または数日程度、郵送の場合も1週間程度で貸付を受けられます。
貸付限度額は、各生命保険会社から送られてくる契約内容のお知らせ、各生命保険会社のホームページのマイページ、コールセンターへの問い合わせで確認しましょう。

なお、一時的に資金が必要だから・・と、解約することは積極的にはお勧めできません。
確かにまとまった資金は確保できますが、保障はなくなり、
新たに同様の保険に加入しようとすると年齢があがっているため、保険料が高くなりますし、以前よりも健康状態が悪化している場合には加入できないことも考えられます。
解約は最後の手段です。

利率は保険会社、契約時期等で異なる。契約者支援で期間限定0%も


貸付を受けると、保険会社が定める所定の利率による利息を支払う必要があり、元利合計は複利で計算されます。
つまり、貸付利率が高い場合、返済額が加速的に増えますので、安易な利用は禁物です。
利率は、保険会社や保険商品によっても異なりますし、契約時期によっても異なります。

一般に、予定利率が高い時期(特に20世紀に契約した生命保険)に契約した保険ほど高くなり、中には8%程度という高い貸付利率が適用されるものもありますし、21世紀以降の予定利率が低くなった後の保険であれば、相対的に低金利となっています。
なお、新型コロナウイルスの影響による契約者支援を目的として、期間限定で貸付利率を0%にしている保険会社もあります。
具体的な利率は、各生命保険会社のホームページやコールセンターに問い合わせをして確認しましょう。

所定の利息はかかるものの、あるとき払いでOK

契約者貸付のよいところは、あるとき払いでよい点。
定期的な返済は必要ありません。
保険期間が終わるまでに返済すればよく、保険が満了するまで、または被保険者が死亡するまでに返済できなくても、保険金から貸付金と利息が差し引かれることになり、保険金の範囲内での利用であれば、保険金で弁済されますので、非常時の家計運営にとって心強い制度です。
ただし、貸付金と利息が、解約返戻金を上回ると、契約は失効してしまい、保障はなくなってしまうため、安易な利用、高利率の契約者貸付の利用は避けましょう。

1990年前後にはバブル経済崩壊、
2000年前後にはアジア通貨危機やITバブル崩壊、
2008年にリーマンショック、
2011年には東日本大震災等、今までも大きな経済危機は起きていますし、
今後も起こることでしょう。

長期契約を前提とする生命保険は、命の保障としても重要ですが、一時的な緊急避難的な資金調達にも利用できることを頭の片隅に置いておきましょう。

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益山真一

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「お金の教養スクール」で教壇にたつ。家計改善を得意とするファイナンシャルプランナー。國學院大學経済学部の非常勤講師も勤め、研修・セミナーの実績も多数。経済、景気等への感度が高く、株式投資では18ヶ月連続増益の経験もある。

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