埼玉の街の特徴を不動産の視点で考えてみる

大ヒットした映画の影響もあり、昨今とてもアツい埼玉でマイホームや不動産投資の街を選ぶ時、賑わいを知る上で、駅の利用者数や路線の混雑状況を確認することも大事なポイントの一つです。そこで、埼玉県内の各駅の利用者数と各路線の混雑率を確認し、各街の特徴をイメージしてみました。
埼玉県の鉄道はIRと東武が中心
埼玉県のホームページから、県内にある鉄道駅の利用者数ランキングを確認し、利用者数上位の駅を下記にまとめてみました。
利用者数ランキングは、2017年度(平成29年度)の1日あたりの平均利用者数で、乗車客数と降車客数を合計しています。各鉄道会社で乗車客数のみ公表しているJR東日本とつくばエクスプレスは、乗車客数の2倍を利用者数としています。
埼玉県内の駅で最も利用者が多いのは大宮駅で、2位の浦和駅の約3倍にもなります。大宮駅は1位のJR以外にも、9位に東武、45位(47,137人)に埼玉新都市交通で入っており、誰もが認める埼玉県内一の交通の要衝と言えます。
ランキングは30位まで載せていますが、18位の所沢駅以外は全てJRか東武の駅となっています。特にJR京浜東北線は県内9駅(大宮駅を含む)のうち与野駅(39位52,464人)を除く8駅が16位までに入り、1日あたり10万人以上が利用しています。東武も10位以内に5駅が入っており、例えば川越駅は東武が126,448人で、JR(76,982人)と西武(本川越駅52,603人)の合計と同程度の利用者数があります。埼玉県内ではJRか東武だと特に快適に移動ができそうです。
駅前の賑やかさは利用者数に比例
駅前の雰囲気は利用者数に比例して立派で、22位の東武伊勢崎線春日部駅だと大きなロータリーにバス乗り場等がきちんと整備されており、10~20階建て程度のマンションも点在しています。
春日部駅前 筆者撮影(2017年4月)
上記のランキングから外れますが、55位(38,277人)の東武東上線若葉駅でも駅前には大きなロータリーがあり、バス乗り場等もきちんと整備されています。春日部駅とは利用者数の差からくる賑やかさの違いくらいでしょうか。
若葉駅前 筆者撮影(2019年5月)
こちらも表のランキング外ですが、177位(2,799人)の埼玉新都市交通の原市駅になると、駅前にロータリーはなく、バス乗り場もタクシー乗り場もありません。辛うじてバス停はあります。
原市駅 筆者撮影(2019年11月)
原市駅前 筆者撮影(2019年11月)
駅前の賑やかさはありませんが駅のすぐそばまで住居があるので、駅のホームまで1分かからないような利便性の極めて良い駅近に住むことも可能です。
混雑率は東武東上線や埼玉高速鉄道線が比較的低い
駅の利用者数が多ければ賑わいは増しますが、その分、混雑もします。次に同じ埼玉県のホームページから、各線の混雑率を確認してみました。
JR埼京線の混雑率は東京都内の区間ですが183%で最も高く、次にJR武蔵野線やJR京浜東北線が170%台で続いています。多くの路線が東京都内の山手線へ向かっており、その中では東武東上線(136%)と埼玉高速鉄道線(128%)が比較的低くなっています。埼玉高速鉄道線は赤羽岩淵駅で東京メトロ南北線につながっていて、乗り換えなしで都心へ行けることから、比較的快適な移動ができそうです。
ラッシュ1時間当たりの本数は東武伊勢崎線が41本で非常に多く、JRも大宮駅以南は複数の路線が並行して走っていることから、感覚的には伊勢崎線以上ではないでしょうか。移動の待ち時間はとにかく短い方が良いと考える人は、このあたりの路線が適していそうです。
鉄道の利用状況を知るだけでも各街の個性がかなり見えてきます。どこに住んでも、「住めば都」とは言いますが、できる限り自分の希望に合った場所を都にしたいものですね。
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松浦 建二
CFP®認定者・1級ファイナンシャル・プランニング技能士。青山学院大学卒、大手住宅メーカーで戸建てやアパートの営業を経験後、外資系生命保険会社へ転職し生命保険と投資信託の営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する執筆や講演も多数おこなっている。青山学院大学非常勤講師。http://www.ifp.cc/