FXは株と比べてローリスク

2020年波乱の幕開け
2020年は波乱の幕開けとなりました。米軍がイラン軍司令官を殺害した事で、イランが米軍施設などにミサイルを撃ち込み報復しました。全面戦争になるのではと騒がれましたが、米軍には死者もなく、イランの報復は示し合わせた感もあり、戦争には至らず終息しています。ただその後は中国でコロナウイルスによる新型肺炎が拡大し、社会を混乱に陥れています。感染拡大を止める事ができず、経済の大減速は避けられないとして市場は警戒を強めています。
昨年材料視された米中の貿易対立やブレグジット懸念は終息しつつありますが、今年は新たな材料が相場のかく乱要因となっています。為替や株が上下に乱高下しており、投資家も翻弄されリスク調整に動いていると思われます。では今回はリスクについて考えてみます。
リスクとは
リスクと言うと危険、恐怖、下落などを想像しますが、本来金融マーケットの世界ではリターンのブレ幅、ばらつきを意味します。リターンは戻りという意味で、プラスだけではなくマイナスもリターンとし、このブレ幅が大きいとリスクが大きいと定義します。よってプラスマイナスの変動が大きい金融商品がリスク商品として扱われます。
リスクは過去のリターンを集計し、標準偏差を用いて算出しますので、数値として明らかになります。式はルートなど使い少し複雑ですが、誰でも計算は可能です。という事でリスクはブレ幅という意味を理解し、金融商品のリスクは過去のリターンデータがあれば明確に計れるという事も理解しておきましょう。
年間変動幅
では為替はリスクが大きいのでしょうか。決して大きいとはいえません。株と比較するとリスクは小さいです。過去20年程度の平均年間変動幅はドル/円で17円程度ですので、ブレ幅は株に比べ大きいとはいえません。特にここ3年はレンジ幅は小さく、2019年は戦後で最も変動率が小さく、高値安値の差が8円程度でした。このように、ドル/円のリスクは大きくないと考えて良いでしょう。本来の意味であるブレ幅がリスクであれば、為替はリスクがあまり大きくないのです。
レバレッジを誤解
そうは言っても、FXはレバレッジを使えるのでリスクは高くなると思ってしまいます。世間的にはレバレッジがハイリスクの象徴のようにみなされています。FXではレバレッジを25倍まで引き上げることができ、大きな量の取引が可能です。大きな量の取引が出来れば、リターンは大きくなり、ハイリスクの取引が実現できるのです。
しかし、レバレッジは1倍や2倍でも可能です。レバレッジは自由に調整できる為、金融商品のブレ幅であるリスクをローリスクやハイリスクにする事ができるのです。金融商品のブレ幅が大きければ、レバレッジを小さくしてローリスクにもできます。またレバレッジを1倍以下にして超ローリスクの取引もできるのです。為替はあまりリスクが大きくなく、レバレッジは自由にコントロールでき、ローリスクにもできるという事をもう一度しっかり認識して、FX投資に挑んで頂ければと思います。
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田中和紀
ファイナンシャルアカデミー認定講師。「FX・外貨投資スクール」で教壇に立つ。福岡大学卒業後、証券会社入社。金融ビッグバン当時、業界初のFX事業の立ち上げに関わる。投資実績としては、ドル/円、豪ドル/円のロングポジションの長期投資。年率にして平均15%で10年以上運用した。その他様々な金融商品を取引中。オプションSQに合わせて、オプションの短期売買を実施しています。2006年よりKAZUKI FP事務所代表。証券会社、情報ベンダーなどで講演・執筆を中心に活動。
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