“高配当株ランキング”に注意! 購入前にチェックすべき3つのポイントとは?

証券会社のサイトなどでよく見られる“高配当株ランキング”。高配当株の購入を検討しているなら、一つ一つ銘柄を調べなくても利回りが高い順に確認できるので便利ですよね。「配当利回りが高い銘柄から順に並んでいるのならば、上位の銘柄から買えばいいんじゃないの?」。そう思う方もいるかもしれません。でもそれは絶対やってはいけません。大損するリスクもあるのです。ここでは、買ってはいけない高配当株を避けるために、購入前にチェックすべき3つのポイントについて解説していきます。
株価チャートが右肩下がりになっていないか?
まずは、購入候補の株価チャートが右肩下がりになっていないかを確認することです。
ご案内のとおり、株式からの収入には配当(インカムゲイン)と株価自身の上昇による売却益(キャピタルゲイン)があります。株式から利益を得るためには、この2種類の収入をトータルに見る必要です。
では、チャートが右肩下がりであるということを、どう考えれば良いでしょうか? それはキャピタルゲインがマイナスになってしまうことを意味します。インカムゲインである配当収入が定期的に入ってきたとしても、株価の値下がり分が配当による収入を上回ってしまえば、株式を売却したときの利益はマイナスになってしまい投資の意味がなくなってしまいますよね。
さらにチャートが右肩下がりになっている銘柄は、多くの場合、業績不振、業績悪化であることを伴います。その場合、キャピタルゲインがマイナスになることに留まらず、減配(配当金が減ること)や無配(配当金が全く出ないこと)になる可能性もあることにも注意が必要です。配当金の高さが理由で購入したのに、配当金が出ないなんで笑えないですよね。
購入する株がいくら高配当で毎年一定額の配当が見込まれるとしても、株価自身が右肩下がりなら購入を控えることをお勧めします。
過去配当が継続的に支払われているか?
第2のポイントは、過去の配当実績をしっかりリサーチし、継続的に配当が支払われている銘柄かどうかを確認することです。
特に景気循環株(景気の良し悪しによって株価が大きく上下する株)は、景気が良く株価が上昇基調の時期には、配当もしっかり支払われ、高配当になっている株も多く見受けられます。しかし、不況のサイクルになると、株価が下がるのみならず、減配や無配になるケースも少なくありません。四季報や会社IRページなどで過去の配当金の推移をチェックすることを強くお勧めします。
短期の景気の波はおおよそ3〜5年と言われています。だから過去10年程度を見て配当が継続的に一定もしくは増加して支払われているならば安定的な銘柄だと言えます。また、一部の会社は累進配当政策(減配せず、配当水準を維持または増配し続ける)といって、将来の配当水準を約束しているケースもあります。これらに当てはまる銘柄であれば、購入候補として検討する価値が十分あると言えます。
記念配当等で一時的に配当が高くなっていないか?
第3のポイントは、高配当が一時的かどうか確認することです。創業〇周年、〇〇完成記念等、業績とは無関係な事業イベント等を株主に還元する意味で、当該年度だけ一時的に増配するケースがあります。この場合、翌年の配当金は基に戻るので要注意です。
四季報やネット証券のランキングでは、直近の配当金実績とその時々の株価をベースに単純計算で配当利回りを計算するケースが大半です。だから、その数字だけを鵜のみにして銘柄を購入してしまうと、想定した配当がもらえないという事実に直面してしまいます。この場合も四季報や会社IR等で過去の配当推移や当該年度の配当が高い理由をしっかりチェックすることをお勧めします。
以上、高配当株ランキングの注意点として3つのポイントをお伝えしました。高配当株ランキングは、決して意味のないツールという訳ではありません。一次スクリーニングとしては有効に機能します。ランキングの結果から、上記ポイント等で購入に相応しくない銘柄を除外し、購入候補を絞っていくなど賢く活用していきたいですね。
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本城司
50代のサラリーマン。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。若い頃から資産運用に関心があり、株、投資信託、ETF、REIT、FX、先物など、酸いも甘いも経験済。「金融機関が勧める商品は、オススメではない!」という問題意識の下、多くのマネーセミナーに参加し、”無料マネーセミナーおすすめ3選”として情報発信中。