日本株は買って良い?米-イラン緊張はこれ以上高まらない?

トウシル

2020.01.15.(水)

※この記事は2020年1月14日にトウシルサイトで公開されたものです。

年初から大荒れの日経平均、急落後に急反発

2020年、年初から、日経平均株価は急落・急騰を繰り返し、大荒れとなりました。年初、米国・イラン間の緊張高まりで急落した後、米国・イランの軍事衝突は避けられる見通しとなったことを受けて、急反発しました。年初の1週間(1月6日~10日)で日経平均は、最終的には昨年(2019年)末よりも194円上昇し、2万3,850円となりました。

日経平均日足:2019年10月1日~2020年1月10日

簡単に1週間の動きを振り返ります。

◆1月6日(月・大発会)日経平均2万3,204円(前年末比▲451円)

1月3日、米政府は、トランプ大統領の指示により、イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官をイラク国内で空爆して殺害したと発表。イランは報復を表明。中東情勢緊迫化を嫌気し、3日のNYダウ平均株価が下落。6日の日経平均は、外国人投資家の先物売りなどで大きく下落しました。

◆1月7日(火)日経平均2万3,575円(前日比+370円

米国・イランの対立は深刻化しないと、楽観的な見通しが広がり、反発しました。

◆1月8日(水)日経平均2万3,204円(前日比▲370円)

イランがイラク国内の米軍基地に弾道ミサイルで報復攻撃をしかけたとのニュースが、日本時間の8日午前に伝わると、米国・イラン開戦は避けられなくなると危機感が広がり、日経平均は再び、急落。一時、2万3,000円を割れ、前日比▲624円の2万2,951円まで下落しました。ただし、その後、トランプ大統領の「米軍に死者は1人も出ていない」との発言が伝わると、日経平均は2万3,204円まで戻しました。

◆1月9日(木)日経平均2万3,739円(前日比+535円

イランの報復攻撃で米軍にほとんど被害がなかったことが判明。トランプ米大統領は「イランに追加制裁を課すが軍事力行使を望まない」と発言。これを受けて、世界的に株が反発し、日経平均も急反発。

イランが実行した弾道ミサイルによる報復攻撃は、米軍に大きな被害が出ないように、相手に事前通告していた可能性があります。イラン国営テレビは「米軍の死者は80人以上」と宣伝したが、実際には米軍に死者は出ていません。イランは国内世論に配慮して報復を演出せざるを得なかったものの、米軍との開戦は望んでいなかった模様です。

◆1月10日(金)日経平均2万3,850円(前日比+110円

中東での開戦危機が薄れたことを受けて、日経平均は続伸しました。 米国・イランとも、目先、これ以上緊張を高めることを望んでいないと考えられます。トランプ大統領は、下院で弾劾決議を受けたこと、大統領選を控えていることから、中東で本格的な軍事行動を起こしにくい状態です。 イラン政府も、ウクライナ機を誤認して撃墜したことを認めてから、国内で反政府デモが再び活発化している問題を抱えています。

1月の日経平均は2万3,500~2万4,000円中心の値固めか

年初、急落後すぐ急反発したことで、日本株には「下がったら買いたい」資金が多いことが再確認できました。10~12月の上昇局面で買い遅れた投資主体が押し目買いの機会をうかがっていると考えられます。日経平均週足チャ-トも、テクニカルに底堅い形となりました。

日経平均週足:2018年10月1日~2020年1月10日

大荒れの年初1週間を週足チャートで見てみましょう。上のチャートをご覧いただくとわかる通り、「長い下ヒゲのついた長い陽線」となりました。これが出たことで、2万3,000円台前半は、目先売り込みにくい形となりました。

私は、4月ころからの景気回復、年央にかけて日経平均が2万6,000円以上の上値をトライすると予想していますので、ここからは、下落局面では大型の割安株をしっかり買っていくべきと考えています。

それでは、ここから一気に上値を追っていく展開になるでしょうか? 私は、時期尚早と考えています。足元の景気がまだ不振だからです。

1月は、足元(2019年10~12月)の景気・企業業績が厳しいものだったことを再確認することになると考えられます。中国の景気悪化で、中国関連・設備投資関連株の業績が落ち込んでいます。また、自動車の世界販売が落ち込んでいる影響から自動車関連株の業績も不振です。それに加え、10~12月は、消費増税が日本の消費を下押ししました。

10~12月の景気指標・企業業績が発表になる1~2月は、実態悪の確認によって、日経平均には下押し圧力がかかりやすいと考えていました。

一方、1月には先行き(4月以降)の景気・企業業績の回復期待が出ると考えています。5Gや半導体の投資が世界的に盛り上がってくる兆しが増えそうです。米中対立が緩和すれば、中国の設備投資が回復する期待も出るでしょう。そこで、注目されるのが、米中「部分合意」の署名が今週にも実現するか否かです。対立緩和で先行きの回復期待が高まれば、日経平均がさらに上昇する要因となります。

目先、日経平均は、2万3,500円から2万4,000円を中心とした値固めになると考えています。ただし、年央に上値トライを見込むので、押し目があれば日本株を積極的に買っていくべきと考えています。

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<この記事の著者プロフィール>

【窪田真之】
楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジスト
1984年、慶應義塾大学経済学部卒業。住友銀行、住銀バンカース投資顧問、大和住銀投信投資顧問を経て2014年より現職。日本株ファンドマネージャー歴25年、1000億円以上の大規模運用で好実績をあげたスペシャリスト。

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