マイナス不動産とは…土地が売れない時代、お金を払って土地を手放す

宮田よし恵

2020.01.14.(火)

不動産に携わる者として、土地価格の推移についてはいつも注目しています。
土地の価格が上げってうれしいと思う反面、また固定資産税が上げるとため息をつき。反対に土地の価値が下落すれば、税金は多少安くなるが売却する時は利益がでない。

「マイナス不動産」とは?売れない土地家屋の処理問題

土地を持っている人の悩みはつきないものです。

現在の日本の土地や家屋について、最も深刻な話題といえば「空き家問題」でしょう。

誰も済まなくなった家、利用しなくなった施設、これらが現在日本に820万戸になっています。

親の住んでいた家を相続したが、住むこともなく取り壊すにもかなりの費用が掛かり、また毎年少なからず固定資産税が発生します。

売却できれば問題解決ですが、売れない場合はどうしますか?

今年2月、ある自治体で施設を手放す際に「土地・建物無料で差し上げます、プラスして解体費用を負担します」というマイナス物件がでて話題になりました。

売れない土地・家屋はここまでしないと手放せないのでしょうか?
マイナス不動産の現状について解説致します。

深谷市の事例について

下記の物件について、深谷市が支払った金額は、1,340万円でした。
過去2度の落札募集においても、落札者がなく、全国初のマイナス不動産入札になったようです。

しかし、深谷市の説明よると今後この土地・家屋を解体し新しく建物がたつことになれば10年後は固定資産税増収が1,340万円を超えることが見込まれる為という説明が掲載されていました。

広報ふかやより引用

自治体であれば、このように一時費用を負担しても今後の税収が見込まれるということならあり得る話でしょう。

しかし、一般の人はそうはいきません。
土地・家屋を譲渡する際、解体費用や登記費用まで負担しなければ手放すことができないのでしょうか?

次に一般住宅の空き家の現状をご覧ください。

増え続ける空き家

下記は国土交通省の資料ですが、一般住宅の空き家数は318万戸になっており、年々増加していることがわかります。

参照:国土交通省「空き家・空き地等の流通について」

全国どの自治体でも、空き家の現状について悩んでいます。
空き家が増えれば、防犯上の問題や経年による倒壊もあり得ます。

また家を相続した人からみれば、住む予定のない土地や家を持っていても固定資産税が毎年かかるし、倒壊する恐れがあると判断されたら解体費用を負担する義務もでてきます。

それなら「今後住む予定がないし、相続放棄したい」という人が出てくるでしょうが、相続放棄しても100%責任を逃れられないのです。

【民法第940条】
相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。

基本的に日本の民法では、土地はかならず誰かが所有し自治体へ固定資産税を納めるというスタンスになっています。

上記の内容から、だれかが最終的に相続をしない限りは建物管理の責任は相続人が負うことになります。

やはり売却するか、利益を生み出す土地に変えるかの2択になります。利益を生み出す方法が自分で行うのが難しいのであれば、やはり売却するのが一番早いでしょう。

費用を払ってでも手放すのがいいのか?

結論としては、今後住む予定や利用する予定が一切ない場合は、やはり費用を負担しても手放すことをお勧めします。

どの程度の費用になるかは、次の4つを確認してみましょう。

・解体費用の見積もり・・・業者数社へ見積もりを出せば数日中に回答が来ます。
木造一戸建ての解体と処分費用では最低でも100万円以上かかります。
・建物がなくなった後、土地だけの固定資産税の確認・・・自治体の固定資産税へお尋ねください
・譲渡費用の確認・・・土地家屋調査士や司法書士にお尋ねください
・周りの物件を見て土地取引があるか・・・これは地域の不動産業者へ行けばわかります。
または、国土交通省 土地総合情報システムの土地取引価格情報検索で
ご確認ください。

これらの情報をもとに、買い手と費用の交渉をします。

買い手が建物を解体する場合200万円という見積もりがあるなら、半額負担するなど不動産業者を介して交渉すれば面倒がありません。

まとめ

今回のマイナス不動産いかがでしたでしょうか?

空き家の処分に困っている方、多いことでしょう。
費用負担は大変ですが、売主はマイナス不動産から逃れることができ、買い手により土地は新しい家や施設を建てて利用されることになります。
空き地や空き家の流通が活発になり、有効活用が多く見いだされる土地市場になることを願ってやみません。

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宮田よし恵

アパート経営10年の実績を活かし、不動産投資・起業・銀行など主にお金と投資について執筆多数。今後は、母を介護をしている経験からシニアと住宅・お金の問題に対しても発信していきたいです。

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