武田真治にみる、筋トレで心身を鍛え稼ぎ続けていく老後について考える

高橋禎美

2020.01.10.(金)

「老後資金の2,000万円不足」は、今年の中でも大きなニュースになりました。資産運用に興味のある人もない人も、記憶に残っているフレーズだと思います。この「2,000万円不足」について、国へ非難が集中しました。野党も政府を非難し、マスコミの報道も過熱しました。その影響も受けて世論を気にした政府は、金融庁の発表を受け入れない、という、何もなかったような方向に話が進んでしまいました。

この金融庁発表の「老後資金2,000万円不足」は、間違いなのでしょうか。2,000万円が不足するなんて、そんなことありませんよ、ということになるのでしょうか。実態を改めて考えてみましょう。

不足するという「2,000万円」。金額はどこから出てきたか

「2,000万円不足する」ということは、試算して公表した金融庁の責任でも、国の責任でも誤解でもありません。ある設定の下で、月々の生活収支から計算するとそうなる、という事実です。月々の生活に必要な費用額と年金の収入額を比べると、収入となる年金額のほうが少ないため、月々が赤字になります。

総務省が2019年に発表した家計調査結果によると、高齢者の無職世帯(世帯主が65歳以上、無職で2人暮らし)の世帯の平均支出額が264,707円です。それに対して年金収入の平均額が222,834円です。月々約5万円の赤字です。12か月で赤字は約60万円。65歳定年から95歳までの30年間では、約1,800万円となります。2017年の同調査では、月々の赤字額5千円多く5.5万円と発表されていました。5.5万円で計算すると30年間での赤字累計は2,000万円になります。

もちろん、その額は収入も支出も平均値を取っているので、この通りではないでしょう。そんなに不足のない人もいるでしょうし、2,000万円以上の額が必要となる人もいるでしょう。

参照:総務省統計局「家計調査結果」
※家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表から数値を抽出している。

計算の設定を考えてみる

この2,000万円不足の話は前提として、65歳からは収入源が年金のみとしています。
実際はどうでしょうか。65歳で、定年となった後に、働くことはないのでしょうか。今の65歳をひと昔前の65歳と同じに考えてはいけません。

今の65歳は若く、元気です。現役として働くことを希望する人も多いでしょう。そして、その働き方は多様化していくと思われます。フルタイムで勤務するのか、得意なことを武器に独立して事業を始める人もいるでしょう。そうだとすると、月々の収支は、無職を前提としていた65歳から、すぐにマイナスにはならないのです。
試算は変わります。2,000万円不足と言われていましたが、働き続けていくことで、その不足額はどんどん減りますし、プラスになっていくこともあるでしょう。

65歳以上でも、稼いでいくことは可能です。現役時代ほどの稼ぎが必要なのではありません。まずは月の不足分である約5万円を埋めていければよいのだと思います。

武田真治さんが鍛え続ける理由とは

稼いでいくためには、働くためには、健康であることが大事です。
先日、テレビの対談番組に、筋肉体操で脚光を浴びている武田真治さんが出演していました。「なぜそんなにもストイックに鍛えるのか」と聞かれたときに、武田真治さんが話していたことが忘れられません。
「今47歳だが、現役で80歳まで、今と同じように働いていたい。蓄えておくよりも、健康を保っていつまでも働けるようにすることが、最大の老後対策ではないかと思っている」。

もちろん、運動をして鍛えていても病気になることもあるでしょう。それでも、いつまでも働くことができるように準備をしておくことが大事なのです。体力が衰えると気力も萎えると言われています。体力が低下すると外に出ていくこと、また外に出ないとしても対外的な関わり自体がおっくうに感じてしまうのです。
筋トレは、セロトニンやβエンドルフィンを分泌させることで脳が活性化してメンタルが鍛えられるそうです。気力を保ちつつ、長く現役でいられることが、きっとこれからの人生100年時代に目指すべき姿なのだと、武田真治さんの言葉を聞いて、思っています。

まとめ

年金の支給額と生活費の差額がある、ということを認識して、だからこそ、安心できるだけの貯蓄をすることも大切なことです。そしてもう一つ、自分が年金支給の年齢になっても稼ぎ続けていくことができるように、得意分野に磨きをかけておく、健康を保つために運動を始める、など努力が必要です。生産的な活動を始めて楽しむことが、安心して暮らすことができる明るい老後を作るのだと思います。

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高橋禎美

ファイナンシャルプランナー/ 一種証券外務員/ パーソナルカラーアドバイザー

大手アパレルメーカーを退職後、FPとして独立。個人FP相談や投資初心者の女性に向けた「はじめての投資」セミナーを開催中。お金とファッションに興味のある30代以上の女性に支持されている

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