介護や人生の最期は住み慣れた自宅で迎えたい

松浦 建二

2018.09.13.(木)

人生の最期はどこで迎えたいですか?まだ遠い先の話でしょうが、昨今は住み慣れた自宅を希望している人が多いです。

しかし、現実はなかなか希望通りには行っていないようです。最期の場所について現状を知り、今から何をしておくと良いか考えてみました。

介護が必要になった時は自宅で介護してほしい

人生最期の話の前に、要介護状態での希望する場所についても確認しておきましょう。

下記は内閣府の高齢者の健康に関する意識調査で、「日常生活を送る上で介護が必要になった場合に、どこで介護を受けたいか?」について調査したものです。

介護を受けたい場所で最も多いのは「自宅で介護してほしい」の35.6%で。特に男性は女性より12%も高くなっています。自宅での介護の次に多いのは「病院などの医療機関に入院したい」の20.2%で、こちらは女性の方が6.4%高くなっています。以下、「介護老人福祉施設の入所したい(18.7%)」「介護老人保健施設を利用したい(11.3%)」となっています。

男性の方が自宅で介護を受けたいと考えるのは、男女の平均寿命の差や夫婦間の年齢差等から、男性の方が配偶者に介護してもらう割合が高いことも関係していそうです。

人生の最期は住み慣れた自宅が良い

次に、同じ内閣府の高齢者の健康に関する意識調査から、「治る見込みがない病気になった場合、人生の最期をどこで迎えたいか?」についても調べてみました。

人生の最期を迎えたい場所で最も多かったのも「自宅」です。介護より割合が増え、半数強の54.6%となっています。

「病院等の医療施設」は27.7%で自宅の半分程度、老人ホームやケア付き住宅はともに5%弱でかなり少ないです。

しかし、現実はなかなか自宅で最期を迎えることができていません。厚生労働省の人口動態調査から、実際に死亡した場所ごとの死亡者数も調べてみました。

年間死亡者134万人のうち病院で亡くなる人の割合が73.0%(98万人)で圧倒的に多く、自宅は僅か13.2%(18万人)しかありません。自宅で最期を迎えるのは簡単ではないようです。

自宅で最期を迎えるのが簡単ではないのは、「介護してくれる家族に負担がかかる」「病状が急変した時の対応が不安」「病状が急変した時にすぐに入院できるか不安」「往診してくれる医師がいない」等の理由があるようです(終末期医療に関する調査より)。

昨今は受療率の高い高齢者が増えているにもかかわらず、病院等での平均入院日数は昔に比べてかなり短くなっています。増える患者に対応するには1人あたりの入院日数を短くする必要があり、増え続ける医療費を抑制する必要もあるからです。それらの影響もあって、最近は在宅療養が増えています。

患者をサポートする家族等にとっては上記のような不安がありますが、患者本人にとっては住み慣れた自宅で生活できることは、大きな安心と言えるのではないでしょうか。

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居心地の良い自宅を確保しておこう!

人生の最期も介護が必要な時も自宅を希望できるのは、大前提として住み慣れた居心地(住み心地)の良い自宅があるからです。

生活に必要なものが全てあり、何がどこにあるのかも無意識でわかるような自宅なら、療養中の辛い時でもあまりストレスを感じずに生活できそうです。

居心地の良い自宅をつくるのは勿論本人です。もし、今の自宅があまり居心地良くないなら、元気なうちにできる限りの改善(改修)をしておきたいものです。

自分の居場所がないなら今からでも作るべきですし、頻繁に引っ越しているならどこかに落ち着いた方が良いです。自宅の寿命が自分よりも短そうなら、元気なうちに住み替えをして安住の住処を確保しておくのも良いです。

「終わりよければ全てよし」と言えるよう、今できることから少しずつでも準備していきましょう。

内閣府  「高齢社会白書
厚生労働省「平成29年人口動態調査

【前の記事はこちら】
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松浦 建二

CFP®認定者・1級ファイナンシャル・プランニング技能士。青山学院大学卒、大手住宅メーカーで戸建てやアパートの営業を経験後、外資系生命保険会社へ転職し生命保険と投資信託の営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する執筆や講演も多数おこなっている。青山学院大学非常勤講師。http://www.ifp.cc/

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