50代「人生格差」に負けずに、自分らしくしなやかに生きる方法

ナカセコ エミコ

2018.07.20.(金)

50代は、人によって、見た目や雰囲気、ひいては人生すら大きく違ってしまっていることが往往にしてよくあります。その違いは、いったいどこから来ているのでしょうか。佐藤伝著『50代から強く生きる法』 より、50代を明るくしなやかに生きるポイントをご紹介します。

「人生格差」の真因は「今このときの差」にある

50代は、あらゆる意味で「大きな差」がつく年代です。実年齢以上に老け込む人もいれば、まだ40代前半のように見える人もいる。「気難しい」と煙たがれる人もいれば、「相談したい」と慕われる人もいる。中略
50代からの「人生格差」を生む真因とは、「今このときの心」の差にあります。
<3ページより引用>

行動習慣の専門家である著者は、50代になってから生じるさまざまな差を「人生格差」と呼んでいます。

若い頃は、極端に大きな差はないものです。しかし、50代を過ぎると、内面・外面いろいろな部分において大きな差が出始めるのは、なんだか不思議な気がします。

長年、勤めてきた「会社」や「給料」、仕事やブライベートにおける「人間関係」、あるいはもともと持って生まれた「資質」や「運」。たしかに、どれも人生の一部ではありますが、格差を決める決め手ではなさそうです。その真の原因とは、「今このときの心」にあるのだと著者は語ります。

50代は、自分のこれからが気になり始める年代。「定年後も働けるのか」「元気でいられるだろうか」と、将来を心配し始めたらきりがありません。著者曰く、仏教においてお釈迦様は、人生とは目的のある旅ではなく、「観光旅行のようなもの」とおっしゃったのだとか。「観光」とは「光を観る」という意味。

50代は、豊富な人生経験をベースに、「楽しいこと、嬉しいこと、ありがたいことだけに目を向けて、いまを大事に丁寧に過ごす」という考え方が重要なようです。

現在に感謝して、前向きに生きていこうとするところに、人生はすばらしいと感じられる秘訣があるようです。

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今の自分にないものは「必要ないもの」

いま、あなたはどんな家に住んでいますか?部屋はいくつあるでしょう?中略
「狭いなあ、あと一部屋あれば」と願いながら暮らし、やっと二部屋のマンションに引っ越せた。「これで快適に暮らせる」と思ったのは少しの間で、またしても「もう一部屋あれば」と思うようになったのではありませんか?この欲求はキリがないのです。中略
お釈迦様は「知足(たるをしる)」という言葉を遺しました。
<41〜42ページより引用>

「次は、これを手に入れよう」といった力強いモチベーションは大事です。しかし、50代になってから以降は、ないものねだりをしている生き方は、かえって損をすることにつながるようです。

仏教においてお釈迦様は「「知足(たるをしる)」」という言葉を遺したと著者はいいます。しかし、現代を生きる私たちの心がそうならないのは、どういうところに問題があるのでしょうか。「知足」できない原因の一つは、「比較」にあるのだとか。私たちはつい、自分と誰かを比べて「自分にないもの」を探し出したくなるものです。

ブータン国民の「幸福度」が高いということは有名な話ですが、さほど豊かであるとはいえない暮らしの中で、国民の多くが「満足している」と感じている。それは、彼らにとって比較する対象がないからではないかと著者はいいます。

ブータンにおける、ごく少数の「満足できない」という人たちは、たいてい海外への留学経験者であるのだとか。他と比較するまでは満足して幸せだと感じていたのに、比較した途端に不満足で幸せではないと感じるようになる。そこに重要なカギがあるといえるでしょう。

今の自分にないものは「必要ないもの」。そのくらいの大きな捉え方をしていれば、自ずと今、そこにあるものに対して、しっかりと満足できる自分になっていけるのかもしれません。

50代は、半世紀生きてこられた御礼をするとき

お金は循環してこそ、その力を発揮すると、世間でもよくいわれます。お金持ちがお金持ちでいられるのは、ただ溜め込んでいるからではなく、循環させているからだと著者はいいます。

仏教においてお釈迦様は、人々の家を回って寄付を受け取る「托鉢」という修行において「とくに貧乏な家からたくさんの寄付をもらってきなさい」とおっしゃったのだとか。そして、それは、「貧乏人を貧乏から脱出させてあげるため」という理由。いかに、他に循環させることで、自分にも徳が巡ってくるかということが端的にわかるエピソードです。

50代は、半世紀、生きてこられた御礼を社会に還元していくときであると著者はいいます。老後はもちろん心配であり、しっかりとした金銭計画を練ることは大事なことです。

だからといって、お金に対して卑しくならない。明るい心で50代を生きていくために、大事な心構えであるといえそうです。

タイトル: 50代から強く生きる法
著者: 佐藤伝
発行: 三笠書房
定価: 702円(税込)

【前回の記事はこちら】

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ナカセコ エミコ

(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家&ブックコーディネーター。元・銀行員であり図書館司書。現在は、女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っている。【女性限定】「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。https://www.filage.co/

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