【70歳まで稼ぐ力】営業スキル棚卸し-営業ヒアリングシートの作り方2

海老原 一司

2018.06.26.(火)

シナプス海老原です。

本コラムシリーズでは、「人生100年時代、70歳まで稼ぐ力を身につけよう」をコンセプトに、自分のビジネススキルを棚卸しし、必要なビジネススキルを磨いていきます。

今回は、営業スキル編の4回目です。なぜ、営業スキルか?引退後、今まで培ったスキルを活かして個人事業主として、コンサルタント・講師などとして、独立を考える人も多いでしょう。そこで重要になるのが「営業スキル」です。

どんなにあなたが、売れるスキル・売れる経験を持っていても、営業をしなければ売れません。そして、特に大企業経験が長い方は、独立後、これまで、如何に企業ブランドに頼って仕事をしていたかを知るのです。

前回は、BANT(「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(ニーズ)」「Timeframe(導入時期)」)を使った営業ヒアリングシートのひな型を解説しました。BANTは重要な営業情報を漏れなく網羅しています。

しかし、単なるモノ売りではなく、いわゆるソリューション型・提案型の営業を行うには顧客のニーズをもっと深掘りして聞きたいところです。今回のテーマは、営業ヒアリングシートの使い方その2「ニーズ仮説検証チェックリスト編」です。BANTで基本を抑えた次のステップでは、ニーズを掘り下げる仮説検証型営業に必要なヒアリングシートについて解説します。

営業ヒアリングシートの作り方2-ニーズ仮説検証チェックリスト

ニーズ仮説検証に使える「営業ヒアリングシート」10項目です。営業ヒアリングシート項目を時間軸で分けると大きく次の3つがあります。
・営業ヒアリング事前準備
・ヒアリング訪問中の抜けモレチェック
・ヒアリング訪問後のタスクチェック

1) 営業ヒアリング事前準備
①「今回の営業ヒアリングの目的はなんですか?上司に1分で説明できますか?」
②「営業ヒアリングで明らかにしたいことは何ですか?」「それに対し、どのような事前仮説を持っていますか?」「それぞれ上司に1分で説明できますか?」
③「営業ヒアリング目的達成のために、顧客に具体的にどんな質問をしますか?上司に1分で説明できますか?」
④「どこまで聴くことがヒアリングのゴールですか?何の仮説検証ができたら、営業ヒアリング成功と言えますか?」
⑤「仮説検証する営業ヒアリング相手は、その人で合っていますか?他に聴くべき人はいますか?」
⑥「営業ヒアリング項目をリスト化しましたか?リストは商談中に確認できますか?」

2) ヒアリング訪問中の抜けモレチェック
⑦「顧客から入手した情報で、仮説は検証できましたか?
その情報を裏付ける根拠はありますか?(その根拠で、あなたの上司は納得しそうですか?)」
⑧「顧客が求める情報を話してくれなかったとき、ヒアリングを諦めていませんか?諦めず、切り口を変えて質問をしましたか?」
⑨「営業ヒアリングシートで確認できた項目/できていない項目は何ですか?明確に○×がつけられるようにしてください。」

3) ヒアリング訪問後のタスクチェック
⑩「事前仮説で合っていたところ/間違っていたところは、どこですか?」
「仮説検証ができなかったところ/間違っていたところは、次にどうすれば検証できそうですか?」

営業ヒアリングシートを使うべき2つの理由

2回に渡りヒアリングシートのひな型を説明しました。
ところで、そもそもなぜ営業ヒアリングシートを使うべきなのでしょうか。特に法人営業にとって、ヒアリングシートをつかうべき2つの理由を説明します。

1) 法人営業では営業ヒアリング機会が限られる
1つ目の理由は、「法人営業では営業ヒアリング機会が限られること」です。新規商談で営業ヒアリングできる回数はせいぜい1,2回の場合も多いでしょう。
つまり、少ない営業ヒアリング機会で、営業情報を抜け漏れなく掴む必要があります。そのため、ヒアリングシートを活用し、しっかりとした事前準備を行うのが営業ヒアリングのコツです。

2) 法人営業では営業ヒアリングシートテンプレート化が容易
営業ヒアリングシート項目は、「全項目ヒアリングすること」が重要です。
法人営業のヒアリングポイントは、消費者向けに比べ定型化が容易です。
そのため、一度作成した営業ヒアリングシートテンプレートを他の商談でも使い回すことができます。

前回のBANTに引き続いて、ニーズ仮説検証のためのヒアリングシートについて説明しました。

なぜ、2回に渡りヒアリングシートについて解説したか。
それは、営業スキルの中で、営業ヒアリングスキルは、特にレベル差の大きい項目だからです。そして、単なるモノ売りでは売れない現代、ますます重要になるのが営業ヒアリングスキルです。

「人生100年時代、50代からビジネススキルを磨いて70歳まで稼ぐ力を身につけよう」。

そのためには、自分を売り込む営業スキルが必要です。
その中でも、営業ヒアリングスキルの重要性はどんどん高まっています。特に、独立を考えられている方は、「売れる独自スキル(技術・経験、etc)」と「売るための営業スキル」はセットです。「独自スキルさえあれば、仕事が入ってくる」という幻想は捨て、営業スキルも磨きましょう。

若い頃勘と経験で業績を上げていた方もいるでしょう。しかし、この機会にヒアリングシートを使って、勘と経験という暗黙知を、論理的でシステマティックな観点から見直し整理してみるとよいでしょう。

【海老原 一司の連載:70歳まで稼ぐ力】

営業スキル棚卸し編:
本音を引き出す営業トークのコツ
営業質問の基本はBANT
営業ヒアリングシートの作り方1

ビジネススキル編:
50代からビジネススキルを磨く


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海老原 一司

株式会社シナプス チーフコンサルタント・企業研修講師
1974年生まれ。早稲田大学理工学部修士課程を経て1999年日本テレコム株式会社入社。
その後複数の事業会社にて、新規事業開発プロダクトマネジャーとして10年超の経験。サービスを3年間で売上100倍にした実績を持つ。2014年シナプス入社。BtoBマーケティングスペシャリストとして、大手上場企業中心に法人営業部門、マーケティング部門などを指導。お客様と二人三脚で人材育成プログラムを設計する。
『立教大学経営学部講師』ロジカルシンキング実践講座担当。「立教で一番楽しい授業」と評判。日常で使える、「わかりやすくて、温かい論理思考」の普及を目指す。
『グロービス経営大学院(MBA)』
【シナプス公式サイト】海老原メイン執筆のビジネスナレッジコラム
https://cyber-synapse.com/business-knowledge/

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