82歳現役美容研究家が語る しないほうがいいこと・したほうがいいこと

ナカセコ エミコ

2018.06.15.(金)

人は生きていると、何をしたほうが良くて、何をしないほうが良いのか、ふと選択に迷うことがあります。いまを生きる人たちに、これからをどう生きていくべきかのヒントを与えてくれる一冊があります。自らの失敗や経験を振り返りつつ、「25のしないほうがいいこと」「25のしたほうがいいこと」を語った小林照子著『これはしない、あれはする』 より、「人生100年時代」における目標を持って生きるための提案をご紹介します。

お金はありすぎれば毒にもなる

私はその時思いました。「時代も、お金も不確かで、はかないものだ」と。ありすぎれば、ありすぎるほど、失った時に大きな後遺症が残る。自分の器以上に持ちすぎると、毒になる。それがお金のこわさです。そして、信じていたものが音もなく崩壊する危険性がある。それが時代の移り変わりというものなのです。
<27ページより引用>

 著者は、60年以上にわたって美容研究家として活躍してきた美容業界のレジェンド。大手化粧品会社でヒット作を多く生み出した後、56歳で会社を創業。さらには専門学校や高校を設立、80代の現在も、現役で仕事をしています。その著者は、「25のしないほうがいいこと」の中で、「持ちすぎない」ということをあげています。

戦時中、著者の義父は、防空資材を製作する会社を経営し、富を得ていたといいます。しかし、敗戦で貨幣価値が変わり、今までの財産は価値を失います。耐乏生活に入った一家は、今までにはない数々の苦労を味わうことになります。裕福であった頃には、義父に群がっていた取り巻きの人々は、やがて一人もいなくなったのだとか。その経験を通じて、お金というものは分相応の暮らしができるくらい稼げればいいのかもしれないと著者はいいます。

波に乗って大きなお金を稼ぐと、やはり自分の力を過信してしまう。そして、大きなお金というものは、すぐにその匂いが出てしまうのではないかといいます。確かに、たくさんのお金が集まってくると、そのお金目当てに多くの人が群がってくるものです。

しかし、そのお金がなくなると、そういう人たちは踵を返したように逃げていってしまう。お金を盲信するのではなく、さまざまな見地で学び、考え、判断していく生きる力を身につけていくことが重要だといえるでしょう。

できるだけ長く働きつづける

私がなぜ八二歳になっても毎日、元気に働きつづけることができているかというと、七〇歳を超えても八〇歳を超えても、長い休みを取らなかったからです。もし私が今、三か月も休暇をとったら、あっという間にボケてしまう自信があります。
<174ページより引用>

 著者は、「25のしたほうがいいこと」の中で、「働きつづける」ということをあげています。長い人生を充実させて生きたいなら、できるだけ長く働きつづけることであるのだとか。大切なのは、緊張感と責任感。何があっても休まず、予定通りに物事を進めてやり遂げるということ。それが仕事であり、働くということなのだといいます。働いていると、思い通りにならないことや、理不尽な目にあうことが山のようにあります。それでも、放り出さずにやり遂げたときには、必ず大きな喜びが得られると著者は語っています。

そして、若い頃からずっと頑張ってきた人たちほど、ある程度の年齢になると「これからはもっとゆっくりしよう」というフレーズを口にするものです。定年退職したら、一年くらい休んで、その後何か仕事をしようかなと考えている人も多いようです。

しかし、何もしないで一年も過ごすのは、とてももったいないと著者はいいます。定年後に休みを長く取りすぎると、体がそのリズムに慣れてしまう。いったん仕事を離れた人が緩やかな生活を振りきって仕事を再開するということは、なかなか簡単ではないのかもしれません。

定年退職ではなく、さまざまな理由でいったん仕事を離れることになった場合も、もしかすると同様かもしれません。仕事ではなかったとしても、何か、人の役にたつライフワークをコツコツと続けていくことが自身にとっても大切なようです。

 

人生において目標を持ち続ける

80代の著者は、人生には目標や志の目安のようなものがあったほうがいいと語っています。そして、その人生を振り返りつつ、さらにこれからの人生に向けて、こんな言葉をあげています。

十〇代は「考えなさい」
二〇代は「出会いなさい」
三〇代は「欲張りなさい」
四〇代は「自分をほめなさい」
五〇代は「挑戦しなさい」
六〇代は「美しく生きなさい」
七〇代は「毎日を楽しみなさい」
八〇代は「許しなさい」
九〇代は「慈しみなさい」
一〇〇歳になったら「世の中の光になりなさい」

人生は苦難に満ちていますが、前に向かう「心の炎」があれば、立ち上がることができると著者は私たちに語りかけています。長い人生において、常に目標を持ち続け、その中身を充実させていきたいものです。

タイトル:これはしない、あれはする
著者:小林照子
発行:サンマーク出版
定価:1,620円(税込)

【前回の記事はこちら】
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ナカセコ エミコ

(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家&ブックコーディネーター。元・銀行員であり図書館司書。現在は、女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っている。【女性限定】「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。https://www.filage.co/

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