AKB総選挙と四季報発売が1日違い! 〜総選挙と株式投資の奇妙な共通点〜

ルウ・ハイアン

2017.06.15.(木)

AKBシングル選抜総選挙2017の投票結果発表が6月17日(土)に迫っています。シングル選抜総選挙というのは、次にリリースされるAKBシングルの、センターで歌う女の子を投票で決めようと始まったイベントで、今年で9回目となりました。最初はキャバクラの指名争いみたいなものと揶揄されたものですが、現在では夏の甲子園前に少女たちの必死な祈り顔が見られる貴重なイベントとして、広く一般の人たちに認知されつつあります。

前日は四季報発売日!

2017年の選抜総選挙が行われる前日の6月16日は奇しくも、株式投資のバイブルである「四季報(夏号)」が発売されます!
そして、AKB総選挙と株式投資には、不思議と共通点があると言われています。株式投資とは、自分が将来を期待する銘柄の株を購入する行為です。かたや、AKB総選挙では自分が将来を期待する女の子をAKBのメンバーから選び投票します。どの点が似ているかというと、この2つは同じように自分のイチオシを選ぶ行為なのですが、必ずしもその女の子がセンターになれる(株価が上昇する)わけではないところです。

「株式投資は美人投票」に込められた真意とは

「株式投資とは美人投票である」とはイギリスの経済学者ケインズの言葉です。ケインズはケインズ理論(最も有名なのは、不景気時には政府が積極的に公共投資を行い、金融緩和によって需要を刺激する政策を行うことで景気浮揚できるとした仮説)で有名ですが、学者としてだけでなく、実際に株式投資の世界でも元手を十倍以上にした、投資の達人という側面も持っています。
その彼が、株式投資を指して「美人投票」と言ったのには訳があります。

どんなに好きな推しメンでも……

この言葉の真意とは、どんなに財務上素晴らしくても、どんなに自分の期待値が高かったとしても、市場の多くの人の賛同が得られなければ、株価は上がらない、という嘆きの裏返しです。この言葉はケインズにとって、ある意味皮肉だったのでしょう。ケインズも、おそらく市場で最初から成功したわけではないと思います。幾多の失敗の経験を経たからこそ、上記のような言葉が出たのでしょう。
これはAKBの選挙でも同じことが言えます。自分が期待して投票したAKBメンバーが一位に選出されずに、自分の評価しないメンバーが一位を取ったら、「なぜ、自分の推しメンではなく、あの子が一位なんだろう?」と疑問と嘆きに襲われるでしょう。その感情は、株式投資でも同じなのです。

*推しメン=自分が最も気に入っているAKBのメンバーのことを推しメンと言います。

資本主義では、1人1票ではない

昨年の総選挙での総得票数は325万5400万票。そのうち24万3000票が一位の指原莉乃さんに投票されました。つまり、およそ300万票以上が他のメンバーに投票され、残念ながら死に票となりました。指原さん以外に投票したファンたちは、自分の思いを結果(自分の推しメンをセンターで歌わせる)につなげられずに悔しい思いをしました。
そして株式投資とのもう一つの共通点は、この投票システムにあります。AKBが採用している総選挙システムはCD1枚につき、1票の権利があります。CDを買い占めれば1人で何票でも投票できます。つまり、共通点とは1人1票ではない、という点です。これは、実は株式市場でも同じです。資金さえあれば、1人何株までも買えます。(発行されている株の50%以上を買い占めれば、会社のオーナーになることもできます)しかし、会社のオーナーにならなくても、資金に余裕があれば株価を意図的に吊り上げることも可能なのです。

値上がり率一位の銘柄は誰が買ったのか?

一昨年から2連覇をしている指原莉乃さんには、大口の熱狂的なファンがついていることは有名な話です。大量にCDを買い占めて、その投票する権利をすべて、指原さんに行使しています。
そして、これと同じことが株式市場ではほぼ毎日のように起きています。それまで全く注目されていなかった銘柄が、小さなIRニュースだけで、なぜか急に値上がり率一位の銘柄になることがしばしばあります。そして、一般個人投資家の注目を集めて、さらに株価が上昇するということもあります。
(*IRニュース=投資家に対して開示された会社業績情報を指します。Investor Relationsの略。)
こういう行為は、昔から多額の資金を持った大口投資家が意図的に行う場合があり、彼らは仕手筋(してすじ)大人(おとな)といった隠語で呼ばれ、市場で一目置かれている存在です。一般の個人投資家は急騰銘柄に飛びつきたくなりますが、ジャンピングキャッチをしても高値掴みがほとんどなので、そういった銘柄に近づくことは、あまりおすすめはできません。

総選挙と株式投資のおすすめの楽しみ方

それでは、この2つをどのように楽しむべきかというと、AKB総選挙というイベントは日本全国のAKBグループ(博多や大阪、名古屋といった地方都市にもAKB姉妹グループが存在します)が一堂に会するイベントです。普段、テレビでは観ない女の子たちが晴れの舞台とばかりに、自己アピールをします。今回、選挙に立候補した女の子の数だけでも300人超。ひょっとしたら、その中に未来のスターが眠っている可能性があると思いませんか。それを見つけることは、あなたの鑑識眼の高さを確認するチャンスでもあります。
株式投資も同様です。派手に上下を繰り返す銘柄に固執するより、四季報で自分のお気に入り銘柄を発掘する方が何倍も楽しいといいます。(四季報の楽しみ方は『投資情報だけじゃない!「会社四季報」裏・楽しみ方』でも紹介しています。)

四季報もAKB総選挙も出会いの機会ととらえたら、また普段とは一味違った楽しみ方ができると思います。
皆さんは、いかがお考えですか。

ルウ・ハイアン

文筆家・歴史家として各メディアに寄稿。投資家としての側面も持ち、投資界隈の話題には事欠かない。また経済のトピックを誰にでもわかるように話す技術には定評がある。映画や書籍、または海外ゴシップにも精通している。日本語の他に、中国語・英語も堪能。

  • 経済指標が相場に与えるポイントと活用方法

    詳細を見る
  • 定年後「人生、常に“未知との遭遇”」

    詳細を見る
  • 投資は若いうちから始めましょう!オトナ女子の賢いお金の増やし方

    詳細を見る