本質をつかむ思考法 仮想通貨2017

ルウ・ハイアン

2017.06.06.(火)

仮想通貨はバブルなのか?

結論を先に言うと、仮想通貨がバブルなのかどうなのかは誰もわかりません。2017年初頭には100,000円前後だったビットコインの価格は、5月25日に今年最高値の365,000円を記録しました。同時にその他の仮想通貨であるアルトコインも最高値を更新し年初からみれば3倍強の値上がり率で、アルトコインにいたっては100倍近い値上がりを示したものもありました。仮想通貨は明らかにバブルの様相を呈していました。

こういう場合、巷間には以下の2つの意見が溢れます。

多くの人は、この2つの選択肢を心の中に持っていて、感覚的に選択し、やがて運命的に成功あるいは失敗をしてしまいます。バブルに乗ることは否定しませんが(多くの成功者たちはバブルに乗れたから成功したと告白し、バブルが資産形成のチャンスであるのは周知の事実です)、しかし、その成功が全くの運であった場合、その資産を維持していくことは難しいでしょう。

では、真の成功者はバブル相場を目の前にした時、何をするのでしょうか。上記の2つのどちらかを考えるときに運任せにしないためには、本質をつかむ思考をしなくてはいけません。まず、本質をつかむ思考とは、わからないことをわからないと結論づけることから始めます。

・これからビットコインは普及するか?→まだ、わからない。

このように、最初に憶測を取り除きます。(ほかにも成功者に共通する法則がありますが、それはこちらの記事を参考にしてください。
それでは、本質をつかむための思考とはどのようなものかお伝えしていこうと思います。

2017年以前の仮想通貨

物事を考えるときに、現在にいたった経緯や歴史を知ることは、本質にアプローチするのに有効な手立てです。ビットコインは2008年の衝撃的なビットコイン理論の提唱以来、ずっと右肩上がりを続けてきたわけではありません。現在のように暴騰暴落を繰り返してきました。(値上がり幅は2017年前半が最大です)

最初の普及のきっかけはメキシカンマフィアが違法薬物取引に使ったことだと言われていますが、真偽のほどはわかりません。ただ、電子決済通貨として銀行を通さずに金銭を海外とトレードできる、そのことは、ある特定の人たちにとっては大きなメリットであったでしょう。最初期の人気は物珍しさと過剰期待によって作り上げられたもので、やがて一時的に暴騰し暴落をしました。それが2013年頃の出来事です。

価値は暴落したものの、ビットコインは普及を続け、ある特定の国では国家が発行する通貨と同等かそれ以上の人気を博すようになりました。その特定の国とは中国、アルゼンチン、イラン。自国通貨に為替不安のある、もしくは歴史的に現金紙幣に不信感を持っている国々からの支持でした。やがて、2016年に状況は大きく変化します。

仮想通貨はモノか通貨か

仮想通貨を語るときに、モノに属するのか通貨に属するのかという議論が起こります。なぜ、この問題が議論に上るかというと、モノであるならば資産に数えられて国によっては所持することで税金がかかるからです。

この問題を日本では法整備することによって対処しました。仮想通貨法が2016年5月に国会を通過し、2017年4月1日に施行されることになりました。その中で税金の項目も加えられ、2017年7月1日より消費税が非課税となることが正式に決定したのでした。

その情報に色めきたったのは、日本国内の投機筋です。消費税がかからないのは通貨であると国が認めたからだ、つまり国策に仮想通貨が組み入れられると見込んだ投機筋がビットコインを買い集め始めたのでした。

資産防衛は金から仮想通貨へ

同じ頃、中国でのビットコインの取り扱いも爆発的に増加しました。現在、中国政府は中国人民元の国外持ち出しを規制しています。そうした動きに対抗するべく、これまで中国の富裕層が行なってきたのが金投資でした。

伝統的な考えのもとに、普遍の価値を保ち続ける金は、いつの時代も中国では人気の金融商品でした。2000年代の金の世界的高騰は中国人の旺盛な金投資欲に起因すると言われています。しかし、金というのは保有コストがかかります。保有するなら金庫も必要だし、保持しているだけなら問題ないですが、決済につかおうと思ったら持ち運びも自由ではありません。厳重な警備体制のもとに、金属の中でも特別に重量がある金を移動させることには不向きでしょう。そこにビットコインという電子世界で通用する決済通貨が登場してきたのです。2016年のビットコイン市場における取引量の半分は中国におけるものだったそうです。

ビットコインの欠点

2016年、2017年と価値上昇の機運が高まり、ビットコインは、やがて一気にブレイクをしました。年初に大きな調整がありましたが、それ以降はあれよあれよという間に高値更新を繰り返していきました。これを羨ましく眺めていた方も多いでしょう。

しかし、2017年に入って以降、ビットコインの価値上昇を先導していたのは実は日本人投資家です。取引高の約4割が日本での取引だったと言われています。

ここからの価格上昇は、まだわかりませんが、メディアによって放たれる言葉の多くはポジショントークです。いわく「ビットコインは早い者勝ち」「発行量の上限が決まっているのだから、価値が高くなるのは当たり前」などと乱暴な意見も見られます。ビットコインを保有している人は買値より高く売り抜けたい目的があります。その意見の全てを信じることはできません。

本質をつかむためには、さらにビットコインとはどのようなものかを列挙してみましょう。

上記にあるクロスカレンシーの制度というのは、FX投資をした経験がある人ならわかると思いますが、たとえば、ドルを買う時に、ユーロで買う場合も日本円で買う場合も価値は同じという意味です。つまり、1ドル=110円、1ドル=0.9ユーロであった場合、0.9ユーロと110円は同じ等式で結ばれるという関係性です。

これは大きな問題で、ビットコインを買う場合、ドルで買う場合と円で買う場合の値段がすこし違うのです。(普段は誤差程度ですが、ボラティリティが高いときは、大きな違いが生じます)

5月30日の18時現在を例にとると、ビットコインの価格は、

米ドル 2,278ドル(1btcあたり)
日本円 277,592円(1btcあたり)

このように1ドル=110円で考えた場合、やや日本円で買う場合は割高になってしまいます。(米ドルでビットコインを買う場合、1割ほど安い値段が提示されています。この現象は、日本円での買いが集まっているときに起きる現象です)

取引所リスクが最大の懸念

日本では、ビットコインの勃興期にマウントゴックス社というビットコインの取引所がハッカーによる襲撃で顧客のビットコインを盗まれるという事案が発生しました。いまだ犯人はみつかっていませんが、この事件のときにビットコインを知った人も多いと思います。それ以来、取引所にビットコインを預けっぱなしにせずに、ウォレットにいれることが一般的になっています。

ウォレットには、ウェブウォレットとハードウォレットと2種類あり、ハードウォレットは文字どおり、ビットコインをパソコン外に取り出して保存するための機械です。この話を理解すると、仮想通貨とは何か?という問題への答えには窮するかもしれません。仮想通貨はまだ発展途上の通貨なのです。

仮想通貨の本質とは

仮想通貨ビットコインは、本格的に登場してから10年もたっていません。
マーケットは、仮想通貨の価値を見極めようとしていますが、乱高下している現状をみると、まだマーケットは仮想通貨の値段をつけかねているようです。

しかし、マーケットは効率的です。本源的な価値(本質)をつかむために乱高下を繰り返し、やがて値段は一定のレンジに収斂していくでしょう。ここから上にいくか、下にいくかは、まだわかりません。ただ、1、2ヶ月の値段の動向ではなく、もうすこし長いスパンで見る必要があるのかもしれません。

ルウ・ハイアン

文筆家・歴史家として各メディアに寄稿。投資家としての側面も持ち、投資界隈の話題には事欠かない。また経済のトピックを誰にでもわかるように話す技術には定評がある。映画や書籍、または海外ゴシップにも精通している。日本語の他に、中国語・英語も堪能。

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