所得税・住民税の節税効果をアップ 〜社会保険料控除編~

益山真一

2016.12.01.(木)

社会保険料控除は全額控除できる節税の飛び道具

皆さんは、国民年金や厚生年金保険の公的年金、健康保険や国民健康保険の公的医療保険、公的介護保険等の保険料をいくら支払っているかご存じですか?
社会保険料の負担は軽くなく、40歳以上の会社員の社会保険料は給与の約15%と、決して小さくありません。これらの社会保険料を支払った場合に適用できるのが社会保険料控除であり、所得税や住民税の所得金額から差し引くことができる所得控除の1つです。支払った全額を所得金額から差し引くことができるため、節税効果は絶大です。

年間50万円の社会保険料を支払う場合、所得税・住民税がかからない人であれば、節税効果はゼロですが、課税所得が300万円の人(所得税率10%)が適用を受けると、住民税(所得割10%)と合わせて10万円の節税。課税所得が500万円の人(所得税率20%)が適用を受けると、住民税(所得割10%)と合わせて15万円の節税。所得税の所得控除の上限額が4万円や5万円である生命保険料控除や地震保険料控除とは文字通り「桁違い」。
今回は社会保険料控除の活用法について解説します。

家族で最も所得金額が多い人がまとめて支払うと節税効果アップ

社会保険料控除は納税者本人または生計を一にする配偶者や親族に係る社会保険料を支払った場合に、支払った全額を所得金額から差し引くことができます。
対象となる保険料等には以下のようなものがあります。

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会社員の給与にかかる厚生年金保険(厚生年金基金)、健康保険料、介護保険料、雇用保険料等は本人の給与から源泉徴収されるため、工夫の余地はありませんが、それ以外の保険料は上手に活用できます。
例えば、国民年金の保険料。自営業の夫婦はそれぞれ国民年金保険料の支払義務がありますが、夫婦が別々に支払うよりも、所得金額が多い方がまとめて支払うと節税効果が大きくなります。
また、20歳以上の学生等の子どもの国民年金の保険料も所得が高い方の親が支払うとよいでしょう。国民年金保険料は年20万円弱。使い方によって節税効果に大きな差が生まれます。

親の社会保険料を子が支払うと、親孝行&家計の潤いに

次に、サラリーマンでない65歳以上の親の国民健康保険料や後期高齢者医療制度の保険料。
通常、65歳以上の場合は公的年金から特別徴収(天引き)されますが、天引きされるとその年金をもらう本人が支払ったことになり、所得金額が少ない場合、節税効果は小さくなります。

これらの保険料は手続きにより、口座振替等に切り替えることができます。
高齢となった親の所得が高い場合は別ですが、通常、現役世代のほうが、所得金額が多いため、現役世代の子が親の保険料を支払うと、家族全体としての節税効果は大幅アップ。
(この節税効果でお誕生日や敬老の日のプレゼントもできますね!)

なお、子ども夫婦が共働き等で、所得金額が高い方が、予め分かっている場合には口座振替でよいと思いますが、1年間終わってみないと(または、年後半にならないと)どっちの所得金額が高いか分からない場合には、コンビニ払い等にしておくとよいでしょう。

1年が終わってみて、所得金額が多い方がまとめて確定申告(または年末調整)で控除を受ければよいのですから。

「とられる」というイメージが強い社会保険料も、「支払う」を前向きに捉えるだけで、戦略的に節税効果を高めることができます。
自分の所得だけでなく、配偶者、子ども、親の所得も含めて検討し、家族全体で最も手取額が多くなるように工夫して、節税効果で得られた利益を家族の「ハレの日」に彩りを加える資金として活用されてはいかがでしょうか?

 

益山真一

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「お金の教養スクール」で教壇にたつ。家計改善を得意とするファイナンシャルプランナー。國學院大學経済学部の非常勤講師も勤め、研修・セミナーの実績も多数。経済、景気等への感度が高く、株式投資では18ヶ月連続増益の経験もある。

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