生命保険の解約は「最後の最後」  超低金利時代の加入する生命保険の見直し術

益山真一

2017.04.03.(月)

標準利率見直しにより新規契約の生命保険料負担はアップ

4月に入り新年度に入りましたね。
進学、進級、就職、転勤等、何かとお金がかかる新年度。
今年は原油価格の上昇を受けて、電気代、ガス代がアップ。
国民年金保険料も前年度比月額230円の値上げ。
家計の負担を見直しで真っ先に目が向くのが、住宅ローンや保険。

2016年はマイナス金利の影響を受けて、住宅ローン金利が大きく下がり、借り換えブームが起こりました。借り換えによりローンの負担が減った人も多いと思います。

一方、2017年4月には生命保険会社が予定利率を定める際の指標としている標準利率が1%から0.25%に引き下げられ、貯蓄性が高い終身保険、養老保険、個人年金保険、子ども保険等の新規契約の保険料がアップします。

このような超低金利時代、新規契約では貯蓄性よりも保障に重点を置いた保険が適していますが、既に契約した保険の見直しはどうしたらよいのでしょう?

「生命保険料の負担が重いから解約」はもったいない。
保障重視であれば「延長保険」をチョイス

生命保険料の負担を抑えたい、と考えた場合、最も分かりやすいのは解約。
保険料負担もなくなり、貯蓄性が高い保険ではある程度の解約返戻金が戻ってきますので、解約したときの満足感はあるかもしれません。
しかし、今まで確保できていた保障はなくなるため、できれば継続したいと考えている保障であれば、解約はもったいないのです。
実は、今後、保険料を1円も払わずに、生命保険を継続する方法があるのです。
その方法は2つあります。

1つめは延長保険という方法
です。
その時点の解約返戻金をもとに、一時払の定期保険(掛け捨て型)に変更して、
従来の保険金額を維持します。
大きな保障を維持できるため、例えば、保険料を払う余裕はないものの、子どもが小さく、自分に万一のことがあった場合の生活費や教育費の保障を確保したい、
という場合にはこの方法を選びましょう。

高い予定利率を維持したければ「払済(はらいずみ)保険」をチョイス

2つめは払済保険という方法です。
その時点の解約返戻金をもとに、保険期間はそのままに、終身保険、個人年金保険等の貯蓄性が高い保険種類を継続します。
今後、保険料を支払わない分、保険金額は小さくなりますが、予定利率が高い時期に契約した生命保険の場合、その予定利率は維持されるのがメリット。
たとえば、金利4%、5%の定期預金を解約して、金利0.001%の定期預金に預け替えたいでしょうか? おそらくひとちも預け替えたい人はいないでしょう。
同じように、予定利率が高い時期(1993年までの予定利率は概ね4%以上)に契約した生命保険を解約するのはもったいないのです。
予定利率が高い時期に契約した貯蓄性が高い生命保険は、できれば保険料を払い続けていただきたいのですが、もし支払う余裕がないのであれば、この方法を思い出してください。

なお、延長保険や払済保険に変更した場合、保険会社が定める期間内であれば、保険会社の承諾を得て、元の契約に戻すことができます。これを「復旧」といいます(復活ではなく「復旧」です)。告知(または診査)と復旧部分の積立金の不足額を払い込む必要がありますが、現在よりも以前の予定利率が高く、若いときの契約であるため、新たに同じ契約をするよりも、保険料が安い場合が多いと思われますので、この方法も是非、頭の片隅においておきましょう。保険会社の営業マンには、復活は知っていても、復旧を知らない人もいます。

最後にデメリットもご紹介します。
延長保険、払済保険に変更すると、医療特約等の各種特約は消滅してしまいます。
多くの特約がついており、その特約の重要性が高い場合には、慎重に検討してくださいね。

 

益山真一

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「お金の教養スクール」で教壇にたつ。家計改善を得意とするファイナンシャルプランナー。國學院大學経済学部の非常勤講師も勤め、研修・セミナーの実績も多数。経済、景気等への感度が高く、株式投資では18ヶ月連続増益の経験もある。

  • 経済指標が相場に与えるポイントと活用方法

    詳細を見る
  • 定年後「人生、常に“未知との遭遇”」

    詳細を見る
  • 投資は若いうちから始めましょう!オトナ女子の賢いお金の増やし方

    詳細を見る