買い替え時に活用したい「特定の居住用財産の買換えの特例」とは

マネラボ編集部

2015.07.24.(金)

マイホームが「一生に一度の買い物」と言われたのもいまや昔。近年、マイホームを「一生に二度」購入する人が増加しつつある。その背景にあるのが、日本人の長い平均寿命だ。

ライフプランに合わせて住み替える時代

厚生労働省が公表した簡易生命表によれば、2011年の日本人の「平均寿命」は男性79.44歳、女性85.90歳。65歳まで生きた場合の「平均余命」で見るとさらに延び、男性83.69歳、女性88.66歳となる。リタイアしてからも約20年の時間が残されているとなると、マイホームもそれだけ歳をとる。30歳のときに新築の物件を35年ローンで購入したとすると、ローンを完済した65歳のときには築35年。住宅ローンがなくなるのと引き換えに、リフォーム代や大規模修繕などのメンテナンス代がかさみ始める。同時に「歳を重ねると掃除が大変だから、もっとコンパクトな家に住み替えたい」「病院や介護施設に通いやすい場所に引っ越したい」など、この先の20年を見据えた結果、二度目のマイホーム購入に踏み切るケースが少なくないようだ。

現役世代にとっても買い替えは他人事ではない。「子どもが成長して手狭になった」「子どもが学校に通いやすいエリアに引っ越したい」「老親を引き取ることになった」など、住み替えの動機は様々だ。

「特定の居住用財産の買換えの特例」と「3,000万円の特別控除の特例」

二度目のマイホームを購入して住み替える際に活用したいのが、「特定の居住用財産の買換えの特例」だ。これは、マイホームを売却して譲渡所得(利益)が出ても、新たなマイホームに買い替えることで課税を将来に繰り延べできるという特例だ。例えば、最初に2,000万円で購入したマイホームを売却したところ、4,000万円の譲渡所得が出たとする。本来ならこの4,000万円に税金がかかってくるわけだが、「特定の居住用財産の買換えの特例」を適用すれば、買い替えたマイホームを売却するタイミングまで課税されないというわけだ。この特例を上手に活用すれば、これまで住んでいたマイホームを売却して手元に残った資金をまるまる、新たに購入するマイホームの頭金に充てることも可能になる。ただし、適用するためには10年以上の居住年数があることなどいくつかの要件があるので、あらかじめ確認をしておきたい。

ちなみに、買い替え時に活用できる代表的な特例としてはもうひとつ「3,000万円の特別控除の特例」がある。マイホームを売却した際の譲渡所得が3,000万円以下であるなら、この「3,000万円の特別控除の特例」を活用すれば基本的に税金はかからない。居住年数を問わないという点も魅力だ。しかし、国土交通省が先日発表した2013年1月1日時点での公示価格からは地価に底打ちの兆しも見える。このまま不動産価格の上昇に勢いがついていけば、想像以上の譲渡所得をはじきだした、というケースも増えていくかもしれない。

譲渡所得が3,000万円を超えてくると、どちらの特例が有利なのかはケース・バイ・ケースになってくる。安易にどちらかを選択するのではなく、税理士に依頼するなどして慎重に比較したいところだ。