繰り上げ返済で失敗しないための重要ポイント

マネラボ編集部

2015.07.24.(金)

住宅ローンは多くの人にとって人生最大の「借金」だ。しかも、完済までの道のりは30年、35年と長きに及ぶ。「少しでも早く完済してスッキリしたい」という気持ちは誰しもに共通なのではないだろうか。 月々の返済やボーナス返済は当然として、より返済スピードを上げたいという場合に検討したいのが、「繰り上げ返済」だ。

繰り上げ返済とは

繰り上げ返済とは、あらかじめ決められた返済額以外に一時金として返済を行うことを言い、繰り上げ返済をした一時金は全額が元金の返済に充てられる。 実は、繰り上げ返済の真骨頂は、この「全額が元金の返済に充てられる」ということにある。なぜなら、元金が減れば、そこから発生するはずだった利息を、将来にわたってそっくりカットできるからだ。

例えば、3,000万円の住宅ローンを金利2.0%、35年の元利均等返済で組んだとする。1年後に100万円を繰り上げ返済すると、カットできる「将来の利息」は939,239円、返済期間は1年7ヵ月短くなる。100万円を繰り上げ返済に回すことで約94万円が節約できるというのだから、その効果がかなり大きいということがわかるだろう。

また、勘のよい人は気付いたかもしれないが、「将来の利息」がカットできるということは、同じ金額を繰り上げ返済に回すなら、少しでも早いタイミングのほうが効果は大きいということになる。先ほどの例で見てみると、1年後に100万円を繰り上げ返済した場合には約94万円の利息カットができるが、10年後なら約62万円、20年後なら約33万円と効果は薄くなっていく。 このように聞くと「とにかく頑張って繰り上げ返済をしないと」と思うかもしれないが、繰り上げ返済に無理は禁物だ。なぜなら、繰り上げ返済の影響で手元の資金が不足し、他のローンを組まざるを得なくなった、というのでは結果的に逆効果になってしまう可能性もあるからだ。

当社に相談に来るお客様でも、住宅ローンの繰り上げ返済をしている傍らでカーローンを組んでいたり、教育ローンを組んでいたりするケースを時々見かける。一般的に、カーローンや教育ローンの金利は住宅ローンよりも高い。おまけに、住宅ローンは残高が多ければ、その分「住宅ローン減税」の適用額も大きくなる。つまり、手元の資金が不足し、別のローンを借りるぐらいなら、あえて繰り上げ返済はしないほうが賢いというわけだ。

「期間短縮型」と「返済額軽減型」

繰り上げ返済には、繰り上げ返済によって残りの返済期間を短くできる「期間短縮型」と、毎月の返済額を減らすことができる「返済額軽減型」がある。これらのどちらを選ぶかも重要ポイントのひとつといえる。 ズバリ結論から言えば、節約効果が大きいのは「期間短縮型」だ。先ほどと同じ、金利2.0%、35年の元利均等返済で3,000万円の住宅ローンを組み、1年後に繰り上げ返済した場合で考えてみると、「期間短縮型」では総返済額が939,239円少なくなるが、「返済額軽減型」では378,144円とその差は顕著だ。

しかし、「返済額軽減型」では、毎月の返済額は99,378円から95,993円へと、約3,400円減らすことができる。目先の家計のやりくりを少しでも楽にしたいなら「返済額軽減型」、節約効果を重視したり、完済までの期間を短縮したりすることが主目的なら「期間短縮型」と、家庭の事情に合わせて上手に使い分けたい。

最近では、金融機関によって繰り上げ返済のルールも多様化している。「フラット35」のように100万円単位でしかできないところもあれば、1円単位でできるところ、預金口座に残金があれば自動的に繰り上げ返済に回してくれるところなど様々だ。繰り上げ返済を積極的にしていく予定なら、住宅ローンを選ぶ際にこうした繰り上げ返済のしやすさにも注目するとよいだろう。

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