どっちがおトク?新築&中古の「減価償却費」の真実

マネラボ編集部

2015.08.21.(金)

「不動産投資は節税対策として有効」と言われるが、その意味合いはひとつではない。
資産を現金ではなく、土地として持つことで相続税評価額を下げられるということもあれば、不動産所得を赤字にすることでその他の所得に課せられる所得税や住民税が還付されるということもあるだろう。

しかし、特に後者に関して言えば、いくら税金の還付が受けられるとしても、実際のキャッシュフローがマイナスというのでは意味がない。利益が出てこその「投資」だ。節税という意味では税金の還付が受けられるに越したことはないが、「投資」をするからには、キャッシュフローはプラスにこだわりたい。 そのための鍵をにぎるのが「減価償却費」だ。
なぜなら、減価償却費がしっかりとれていれば、実際のキャッシュフローがプラスであったとしても、不動産所得の計算上は赤字になり、税金の還付が受けられるからだ。

不動産投資における「減価償却費」は主に2つ
不動産投資における「減価償却費」は主に2つある。ひとつは建物そのものの減価償却費、そしてもうひとつが建物附属設備の減価償却費だ。
建物そのものの減価償却費は、建物価格を耐用年数に応じて計上していく。そのため、構造によって償却期間が異なる。鉄筋コンクリート(RC)は47年、重量鉄骨造は34年、木造は22年と、建物の構造によって法定耐用年数が決められている。
建物附属設備の減価償却費は、電気設備、給排水設備などに分類されるが、おおむね15年という場合が多い。 新築物件と中古物件の「減価償却費」について考える場合、これだけ聞くと、「耐用年数の長い新築のほうが有利なのでは?」と思うかもしれない。しかし実はそう単純な話ではない。

なぜなら、中古物件の場合、減価償却費を計算する際の耐用年数は、
(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%という式にあてはめることになっている。
たとえば、築20年の木造の場合には、(22年−20年)+20年×20%=6年ということになる。

つまり、建物価格を法定耐用年数である22年で割ったものを残りの2年間、減価償却できるとなるのではなく、建物価格を6年で割ったものを6年間、減価償却できるということだ。 もちろん、新築時の建物価格が同じ物件があったとすれば、築20年の時点で建物価格はかなり減少しているはずだが、総じて言うならば、長期間にわたって減価償却費の効用があるのが新築、短期間に一気に節税効果を生みやすいのが中古(特に築古)ということになる。

減価償却費とどう付き合うかは重要なポイント
複数の不動産を取得しながら賃貸経営を拡大していこうと考える場合、この減価償却費とどう付き合うかは重要なポイントだ。目先のキャッシュフローをよくしたり、節税効果を生んだりしたいのであれば、あえて築年数の古いものを購入するというのもひとつの方法だ。
反対に、不動産所得を大きく見せて次の物件購入につなげたいというのであれば、減価償却費は「薄く長く」とっていくほうが有効な方法になる。また、同じ物件を取得するのであっても、建物と土地の内訳をどうするかは、売主との交渉によってある程度調整が可能だ。 「減価償却費を使うと節税になる」とはよく言われる話だが、その奥は深い。減価償却費としっかり向き合うことで、より安定した成果を出していきたい。

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