いまさら聞けない「重要事項説明書」のいろは

マネラボ編集部

2015.08.21.(金)

重要事項説明書とは

不動産の売買契約を結ぶ際に契約書と並んで重要なのが「重要事項説明書」だ。
重要事項説明書とは、取引をしようとしている物件の詳細や取引条件など、文字通り“重要な事項”が細かく記載された書類だ。略して「重説(じゅうせつ)」とも呼ばれる。

重要事項説明書は、交付されるだけでなく、口頭で記載内容の説明を受けなければならないと宅地建物取引業法で決められている。すでにマイホームを購入した経験がある人であれば、契約の前に細かく重要事項説明が行われた記憶があることだろう。この口頭での説明は、宅地建物取引主任者によって行われなければならない。
したがって、説明者は、説明に入る前に取引主任者証を提示し、自らが宅地建物取引主任者であることを示すことになっている。重要事項説明を受ける際にはこうした流れに沿っているかをしっかり確認したい。

書重要事項説明書の記載内容

書重要事項説明書の記載内容は大きく2つに分けられる。
「取引しようとしている物件そのものに関する事項」と「取引条件に関する事項」だ。
これらはそれぞれ、宅地建物取引業法によって説明すべき事項が細かく規定されている。 取引しようとしている物件そのものに関する事項としては、物件の所在地や面積、登記簿に記録された事項、私道に関する事項などが挙げられる。特に物件に抵当権が設定されている場合、つまり売主にローンが残っている場合には注意が必要だ。決済が行われ、登記簿上では自らが所有者となったとしても、売主がローンを完済できなければ、金融機関が持っている抵当権を抹消できるとは限らない。今回の売買で売主が得る代金によって確実にローンを完済し、抵当権が抹消できることを重要事項説明書で確認しておこう。心配であれば、仲介業者の協力を得て金融機関に事前に問い合わせ、抵当権抹消が可能かどうか、コンセンサスをとっておくと安心だ。

取引条件に関する事項としては、売買代金をはじめ、手付金や違約金に関する事項、固定資産税の精算や敷金の引き継ぎ、前家賃の受け渡しなど決済にあたっての金額の詳細、契約の解除に関する事項、瑕疵担保責任の履行に関する事項などが挙げられる。どれも非常に重要な事項だが、なかでも事前に仲介業者にしっかりと意向を伝え、確実に記載内容に含めておきたいのが契約の解除に関する事項のひとつである「ローン特約」だ。

ローン特約

ローン特約とは、融資を組んで不動産を購入する際に、融資の全部または一部について、融資の承認が得られなかった場合にはその売買契約を無条件で解除できるという特約だ。融資は、どんな条件でもよいから承認が下りればよいというものではない。融資金額や融資期間、金利によっては購入するメリットがないということも起こり得る。(融資条件についてのアドバイスは、『融資条件はここまで変わる! 不動産投資8年目の銀行からの評価』)そうした場合に売主から「融資の承認が下りたのだから約束通り購入するように」と言われないためには、「融資の承認が下りなかったら契約を解除する」という旨だけでなく、融資金額や融資期間、金利についても条件として具体的に記載しておくことが不可欠だ。 なお、重要事項説明は売買契約と同日に行われることが通例となっているが、事前に説明を受け、十分に検討し、納得した後で契約を行うというのが本来の流れだ。重要事項説明の直後に契約手続きに入るスケジュールの場合には、事前にドラフトを確認し、疑問点をすべて解決したうえで臨みたい。