知っておきたい「買い替え」の税金

マネラボ編集部

2015.08.20.(木)

知っておきたい「買い替え」の税金 人生には変化がつきものだ。そして歳月の流れは思ったよりも早い。

子どもが生まれ、「家族構成が固まったから」と一軒家やマンションを購入したけれど、気付けば子どもが独立して夫婦ふたりで住むには広すぎると感じるようになったり、故郷で暮らしていた親を引き取ることになって「部屋数が足りない」と感じるようになったり……。
そんなときに選択肢として挙がってくるのが「買い替え」だ。 不動産の買い替えは少なからずお金の出入りを伴うが、なかでも意外とインパクトが大きいのが税金だ。

「3,000万円の特別控除」
まず、不動産の売却によって譲渡益が出る場合だが、所有期間が5年以下なのか、5年超なのかによって税率が異なる。5年超の所有期間であれば、「長期譲渡所得」とみなされ、所得税と住民税をあわせて約20%の税金がかかる。所有期間5年以下の場合には「短期譲渡所得」として税金の負担は約39%とさらに重くなる。 ただし、買い替えの場合には、単に売却する場合と異なり、いくつかの特例が設けられている。なかでも知っておきたいのが「3,000万円の特別控除」だ。
この控除のポイントは、所有期間の影響を受けないということだ。たとえ購入してから2〜3年ほどでなんらかの理由によって買い替えをすることになった場合でも、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円の控除ができる。さらに所有期間が10年超であれば、3,000万円の特別控除を行っても余った譲渡益について、軽減税率が適用される。

「買い替え特例」
もうひとつ知っておきたい特例が、「買い替え特例」と呼ばれるものだ。
こちらは所有期間が10年超であることが条件となるが、売却した不動産よりも高額な不動産に買い替える場合には、原則として課税されない。売却した不動産のほうが高額の場合には、その差額にのみ課税される。

「損益通算」
一方、不動産の売却によって譲渡損が出る場合はどうだろうか。この場合には、所有期間が5年超で新たに購入する不動産に対して10年以上の住宅ローンを組む場合など、一定の条件を満たせば、給与などの他の所得から譲渡損の金額を差し引くことができる。これを税金の用語で「損益通算」と呼ぶ。さらに、損益通算をしても引ききれない金額がある場合には、「譲渡損失の繰越控除」として翌年以降、3年間にわたって損失を繰り越すことができる。

給与などの他の所得がどれだけあるか
ここでポイントになるのは、給与などの他の所得がどれだけあるか、という点だ。損益通算を行うためには、他にまとまった所得があり、譲渡損の分を差し引けるだけの税金があるということが大前提になる。退職後、所得がぐんと減った場合には、買い替えを行って譲渡損が出たとしても「そもそも損益通算の対象になる税金がない」「譲渡損失の繰越控除をしたけれど、翌年以降も差し引くべき税金がない」という状況になる可能性もある。不動産価格の値動きや家族構成の変化はもちろんのこと、こういった点も含め、買い替えを検討するのであれば時期をしっかりと見極めたい。

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