進化を遂げる「団体信用生命保険」の保障内容とは?

マネラボ編集部

2015.08.12.(水)

住宅ローンを組んだとき、多くの場合に加入するのが団体信用生命保険(以下、団信)だ。
団信とは、住宅ローンの返済中にローン返済が困難になった場合に住宅ローン残高に相当する金額を保険会社が保険金として金融機関に支払ってくれる仕組みの生命保険だ。

広がる保証内容

団信といえば従来、契約者が死亡や高度障害になったときに保障されるというものと同義だったが、近年はめざましい多様化を遂げている。例えば、三大疾病保障付きの団信では、がんや脳卒中、急性心筋梗塞になり、一定の条件を満たした場合にも保険金が支払われる。最近では、七大疾病、八大疾病として高血圧や肝硬変、糖尿病なども対象とするものもめずらしくない。

ただし、保険料が金利に含まれるのか、どんな条件を満たした場合に保障されるのか、どのような形で保険金が支払われるのか等の細かな条件は、金融機関によって、さらに言えば病気によって大きく異なる。保険料については多くが金利の中にあらかじめ含まれている――つまり団信そのものが強制加入だが、「フラット35」は任意加入だ。ローン残高によって「特約料」と呼ばれる保険料が決まっており、2013年8月現在、ローン残高1,000万円につき3万5,800円。仮にローン残高を4,000万円とすると年間14万3,200円をローン返済とは別に支払うことになる。決して負担が軽くないことがおわかりいただけるだろう。ちなみに、分割払いはできないので、1年分をまとめて支払う必要があることにも注意したい。半面、金利に含まれているからおトクかといえばそうとも限らない。金利のうち、いくらが団信保険料に充てられているのかを冷静に考えることも大切だ。

保険金について

保険金についても、ローン残高相当額が一括で支払われるだけでなく、病気で一定期間就業ができない場合に毎月のローン返済相当額が「就業不能信用費用保険金」として支払われるもの、病気やケガで入院した場合に1回10万円程度の入院一時金が「就業不能時入院費用保険金」として支払われるもの、当初は毎月のローン返済分が保険金として支払われ、それが一定期間継続するとローン残高が全額一括で支払われるものなどバラエティに富んでいる。病気やケガ以外にも、勤務先が倒産したり、リストラされたりして失業した場合に毎月のローン返済を保障してくれる「失業信用費用保険」や、自分だけでなく配偶者が女性特有のがんになったときに給付金が支払われたり、ローン返済を負担してくれたりするものも登場している。

 

考えてみれば、住宅ローンの返済ができないシチュエーションは、何も大黒柱の死亡時だけではない。経済環境が安定しているとはいえない昨今、運命のいたずらで一時的にローン返済が滞るリスクは誰にでも潜んでいる。こうしたリスクに団信で備えるべきなのか、一般の生命保険で備えるべきなのか、はたまた貯蓄で備えるべきなのか、考え方は様々だ。大切なのは、保障が幅広い団信を選択すれば安心、というのではなく、保険料やすでに担保できている保障とのバランスを見ながらチョイスする、ということだ。団信を使いこなすことで、ローン残高も、返済不能に陥るリスクも上手に減らしていきたいところだ。

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