あなたはどっち?「変動金利」を借りてもいい人・ダメな人

マネラボ編集部

2015.08.06.(木)

ここのところ、長期金利の上昇が市場をざわつかせている。2012年末の第2次安倍政権誕生以来、ずっと低下傾向にあった長期金利。4月初旬に0.3%台を記録するところまで低下したのが一転、そこから約1ヵ月で一時期1.00%をつけるところまで跳ね上がり、その後も不安定な状況が続いている。

「住宅ローンの金利上昇」の現状

長期金利の上昇といえば、国にとっての最大の懸念事項は「国債の暴落」だが、個人にとってもっとも関心が高いのは「住宅ローンの金利上昇」だろう。
というのも、固定金利の住宅ローンは長期金利との連動性が非常に高い。事実、三大メガバンクは長期金利の上昇トレンドが顕在化してきた4月の下旬に、揃って固定金利の住宅ローン金利を引き上げた。他行においても、6月は10年固定金利をはじめとする固定金利の引き上げが目立つ。長期金利が1%をつけたことのインパクトは大きく、今後もさらに上昇する可能性が小さくないことから、しばらくはこうした動きが継続していくのは必至の様相だ。住宅ローンを組んでいる人、これから組もうとしている人にとっては目が離せない事態となっている。

しかし、翻って変動金利に目を向けてみると、いまのところ固定金利のような目立った上昇はない。その所以は、多くの金融機関では、住宅ローンの変動金利を新短期プライムレートに連動させていることにある。新短期プライムレートのベンチマークになる政策金利は依然として0.0~0.1%と限りなく低い。市場の期待感によって揺さぶられる長期金利と異なり、政策金利はそう簡単に上下する性質のものではない。日銀も政策金利の引き上げのタイミングについては相当慎重になるはずだ。ゆえに、当面は現状の水準が続くことが予想される。

変動金利を選ぶときのポイント

ただし、だからといって「慌てて固定金利に変更しなくても変動金利のままでよい」という単純な話ではない。
短期金利がこの先もずっと現状の水準を維持するなら結果として変動金利のほうが総返済額は少なくて済むが、いかんせん住宅ローンとの付き合う年月は長い。この先、どんな展開が待ち受けているかは誰にも分からない。
もしも短期金利が大幅に上昇した場合にある程度繰上げ返済できるだけの貯蓄があればさほど問題ないが、単に「貯蓄があまりないから、とりあえず目先の返済額が少なくてすむ変動金利で」と安易に考えていると、将来のライフプランに大きなリスクを内包させてしまうことになる。

変動金利の住宅ローン返済には、「金利が上がっても5年間の返済額は一定」「返済額は一度に125%までしか上昇しない」といった一見ありがたいルールがある。しかし、金利が大幅上昇しても返済額が一定割合しか増えないということは、返済額に占める元本と金利の割合が調整されているということを意味する。返済額に占める金利の割合ばかりが増えていけば、元本の返済は遅々として進まず、結果、総返済額は膨らんでいく。

現在のような固定金利が底を打ったと思われる局面で、あえて新規に変動金利で住宅ローンを組む、変動金利から固定金利に変更しない、というのであれば、こうしたリスクと対峙する覚悟が必要だ。いざ短期金利が急上昇した場合に備えられるまとまった繰上げ資金があること、そしてこうしたそもそもの変動金利の仕組みをしっかり理解できていることが必須といえるだろう。

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