FXはなぜ感情的になったら負けるのか?

田中和紀

2017.04.21.(金)

感情的になると人間本来の本能が現れる

人間には誕生から備わっている性質があります。動物的でいわゆる本能と呼ばれる性質です。本能は何千

年もかけて人間が養ってきた基本的な性質ですが、相場では不利となることもあります。FXなどの相場においても、こういった人の心理バイアス(偏り)が間違った判断を下す場合があります。これらのバイアスは非論理的、非合理的でトレードではマイナスになるのです。この心理バイアスは、感情移入したときやストレス下における相場において、強く現れ表面化しやすくなります。いくつか紹介していきましょう。

 

プロスペクト理論で利益は少なく損は大きく

経済学の行動ファイナンス分野でプロスペクト理論というものがあります。この考えは、人は利益を前にすると即座に手に入れようとしますが、損失の前では損失そのものを回避しようとする傾向があるということです。FXなどでは、含み益を抱えたときはすぐに決済し利益を確定させますが、含み損の場合は損失を確定させることを嫌い、先延ばしや放置する傾向があるということです。このトレードは利少損大となり、利益が小さく損失が大きくなってしまいます。たとえ勝ち続けたとしても、1度の大きな損失で投資資金の大部分を失ってしまいます。

 

パターン化(少数・代表制バイアス)という心理バイアスで過ちをおかす

人は、規則性のないランダムな事柄に規則性や関連性を見つけようとする傾向があります。これは、代表的な事例から直感的に判断することで、脳にかかる負担を抑えようとするものです。瞬時に答えを導けるため必ずしも悪いことではないのですが、論理的に考えることなく過ちを犯してしまう典型例でもあります。人間は多くの決断を早く求められます。よってパターン化する癖があります。特にストレスのかかる場面や緊張状態に陥ったときにはそこから早く逃れたいため即決しがちです。パターン化とは株が上がれば景気がよくなるとか、お金があれば幸せになれるなど因果関係を単純化して判断してしまうことです。このパターン化が正解のときもありますが、不正解のときもあります。パターン化がしにくい事象はこの世にたくさんあります。思っている以上に多いものです。相場においてもこのパターン化で単純に判断し、損をするケースが多くあります。

 

自己奉仕や正当化の心理バイアスで負ける

人は、成功の原因を自分にあると思い、失敗の原因を他人や環境、不運だったなど自分が制御できないことにあると考える傾向があります。ポジティブな思考で、社会で生活するにはプラスになることもあります。しかし過信やおごりにもなり、FX投資ではマイナスになることの方が多いようです。更に判断を下したことをますます正当化していく癖もあります。間違った判断であっても修正せず、わずかな期待をいだき執着するのです。このような心理バイアスで手痛い傷を負ってしまうのです。

 

FXでは感情的取引が致命傷となり退場することも

投資での負け組みは、大きく損失を出しその後復帰できなくなるケースがほとんどです。パターン化による心理バイアスで早合点し、自己奉仕や正当化といった心理バイアスで反省をおろそかにし、プロスペクト理論での心理バイアスで利少損大となり、失敗を招いてしまうのです。このような投資家を私は何百人もみてきました。その後、復帰しても大きな損を取り戻した人はほとんどいません。

 

田中和紀

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「FX・外貨投資スクール」で教壇に立つ。福岡大学卒業後、証券会社入社。金融ビッグバン当時、業界初のFX事業の立ち上げに関わる。投資実績としては、ドル/円、豪ドル/円のロングポジションの長期投資。年率にして平均15%で10年以上運用した。その他様々な金融商品を取引中。オプションSQに合わせて、オプションの短期売買を実施しています。2006年よりKAZUKI FP事務所代表。証券会社、情報ベンダーなどで講演・執筆を中心に活動。

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