2017年の世界情勢と株式市場はどうなる?

岡田正人

2017.01.16.(月)

2017年を迎えて株式市場も始まりました。2016年の日経平均は2015年比で約80円高と小幅ながら5年連続で上昇しました。酉年にあたる2017年は過去のデータによると、4回連続で(69年、81年、93年、05年)上昇しており期待もできそう(12/31日経M&Iより)ということですがリスクの点検もしっかりして相場に臨んでいきたいと思います。
2017年に考えられるリスクは今のところ大きく4つ挙げられると考えますので、以下確認していきたいと思います。

① 米国 トランプ新大統領就任

1月20日にトランプ氏の大統領就任式がありますが、彼は大統領選挙後、大胆な法人減税や政府による積極的財政支出を示唆してきました。実際に就任後どれだけ具体的な行動に移せるのかが注目されています。2016年の11月~12月は期待先行で日米を始めとする先進諸国の株価が上昇したので、失望に変わると株価は下落していく可能性があります。
また、トランプ氏の対中国政策の行方も気になります。
トランプ政権は親台湾路線よりに傾いているとされており、「1つの中国」を核心的利益として政策原則に掲げている中国を刺激する可能性があります。米中の摩擦は世界経済にとってマイナスです。
さらに米国第一主義を唱えるトランプ氏は保護主義貿易を主張していて、これまでのグローバリズム、自由貿易主義と逆行するため世界経済停滞のリスクが残ります。

② 英国 EU離脱を通知

2016年6月に英国はEU離脱を選挙により決定しました。その正式な通知を2017年3月までにEUに対して通知する予定となっています。焦点は離脱後も英国がEU単一市場にアクセスできるかどうかという点です。EU各国は英国に対していいとこ取りは許さないという強硬姿勢を強めているため、場合によっては英国に支店を置く日本企業にとって利便性が低下し企業業績悪化を招く恐れがあります。

③ 中国 不動産バブルと経済減速

2017年も中国の経済減速が指摘されています。GDP成長率は年6.4%の見通しとなっています。2000年代は年率10%以上の経済成長を遂げていた中国なのでここ数年の失速は中国に資源を輸出することで外貨を稼いでいた近隣諸国(東南アジア・豪・露など)に大きな影響を与えています。
また国内においても不動産価格の高騰が指摘されており、バブル的な過熱感を持ち始めています。日本にもバブル経済と呼ばれる狂乱の時代がありましたが、今の中国もそれに近い様相を呈しているという懸念があります。GDPで世界第2位の中国でバブルが崩壊すれば世界経済に与えるインパクトは計り知れません。

④ 仏・独国政選挙に伴うトップ交代

仏の大統領選挙が4月、5月に予定されており、独の議会選挙が9月に予定されています。いずれも欧州の2大大国ですが、選挙結果によっては大きく国際情勢が変わる可能性があります。現在、英のEU離脱、米国のトランプ大統領による保護主義政策など反グローバリズム・ポピュリズムが世界全体に蔓延しつつあります。国と国の垣根を越えてEUという巨大な超国家的存在を作った立役者の仏・独までもが内向き志向を強めれば、世界経済にとっては波乱要因であり、マイナスの影響を与える可能性があります。

2016年は外部環境によって大きく影響を受けた日経平均でしたが、2017年も引き続き国際情勢には細心の注意を払ってリスクへの意識を怠らずに株式投資を楽しんでいきたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

岡田正人

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「株式投資スクール」で教壇に立つ。予備校講師兼個人投資家。大学在学中は30カ国程の海外旅行を通して見識を広める。より多くの自由と時間を求めて、文学部卒業後独立開業資格の司法書士の勉強を会社員と並行して始める。長年の努力の末に司法書士試験に合格する。その過程で行政書士、宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士、ファイナンシャルプランナー2級、ビジネス実務法務2級、法学検定上級を取得。不動産系の法律を中心に専門性を高めてゆく。趣味は読書と食事とお酒。読書は主要な日本文学と世界文学を読破することが小さな人生目標で、好きな作家は村上春樹、夏目漱石、ドストエフスキー、トルストイ等々。週末を中心に常に新しいお店を探して食べ歩き、飲み歩くのが大好き。将来の夢は世界旅行と独立開業。

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