「好きなことで起業する」は本当に可能なのか?

横山ケン太

2017.02.18.(土)

現在、世の中に“自分の好きなことを仕事にできている人”はどれくらいいるのでしょうか?ネット検索してみるとおよそ5割というアンケート結果や、もっと低いのではという意見も。実際に自分で起業している人はもっと少ないでしょう。理想ともいえる「好きなことで働く」って本当に可能なのでしょうか?

数多くの起業したい人をサポートしてきた新井一氏は、起業するには「好き」が何よりも大事だと言います。その著書『朝晩30分 好きなことで起業する』では、学生・主婦・OL・フリーター・引きこもりの人まで、のべ1万人もの起業をサポートしてきた経験から得た「好きなこと探しのノウハウ」と「それを仕事にするための考え方」を紹介しています。

自分の好きなことは仕事にできないと思い込んでいる人や、何だか自分が何を好きなのか分からなくなってきた、という人の指針になりそうな情報も盛り込まれていました。

好きなことで起業!向いているのはどんな人?

仕事は好きではない作業をすることへの対価。そう考えている人って正直多いと思いますが、新井氏はそんな人にこそ起業してほしいと考えています。

その理由は…
・スキルは必要ない
・資格も必要ない
・才能も必要ない
・人見知りでも大丈夫
・ダメな人ほど成功する

起業家についてのイメージと言えば「パワフル」「意識高い」「人とつながるのが大好き」などが挙げられると思いますが、新井氏曰くそれはごくわずかの目立つ人たちによって付けられたイメージなのだそうです。でも、スキルも才能も必要なし、ダメな人ほど成功するってさすがに…一体どういうことなんでしょうか?

「ノウハウを売る」のが一番!

それは、モノを売るのではなく「ノウハウを売る」のが一番だから。モノ(商品)やハコ(場所)を売るには初期投資がかかるうえに在庫を抱えるなどのリスクが生じますが、それよりも“どうやったら出来るようになるか”というノウハウを売る。これが最も簡単でリスクも少ないのだそうです。

つまり「どうやったら痩せられるか?」「どうやったらパソコンが上達するか?」など。筆者曰く「できなかったことができるようになった、そのギャップがコンテンツになる」。そういう意味で、出来ない人ほど起業に向いているというワケなんです。確かに、全然痩せられなかった人がダイエットに成功して書いたノウハウ本や教室がヒットしていますが、これはギャップをうまく利用していると言えますね!

では次に、気になる起業する時の「やってはいけない事」について。

優秀な人ほどやりがち!起業のNG行為とは?

新井氏に起業の相談をしに来る人の中には、結構な割合で勘違いをしている人がいるそうです。それは「自分の得意分野=好きなこと」だと思い込んでしまっている人。経理のエキスパートだった会社員の方が、会社に不満があり起業。自分の強みである経理のスキルを売り物にして顧客の評判は上々だったのに、結局“経理はつまらない”という結論に…。こんなことに陥ってしまう人が、スキルを身に付けた優秀な人ほど多いのだとか!自分が本当に好きなことは何なのか?よくよく考えておく必要があります。

そしてもう一つのNG行為が「起業するために現在の会社を辞める」ということ。働いている人がいきなり仕事を辞めるとどうなるか?まずは当たり前ですが、安定した収入が無くなります。毎月の家賃やローン、光熱費や会社から支給されていた携帯代の支出のほか、国民年金や健康保険料も自分で支払う必要があり、その精神的な不安は想像以上です。

さらに、時間的な問題も。自分でスケジュールを決められるのは起業の良さでもありますが365日が営業日になります。いざ起業すると「休んでなんかいられない」という思いだけが先行し、働き過ぎてしまう傾向にあるようです。「好きなことならどれだけでも働ける!」と思っていても、さすがに限度がありますよね。

起業準備は会社員を続けながら行うのが最も効率的。軌道に乗ってから専念するぐらいのつもりで全然OKなのだそうです。まずは朝晩30分の時間を作り出し、自分の好きなことが何なのか?どんなノウハウが身に付いているか?を考えてみることを推奨しています。

自分の好きなことはビジネスにつながるか!?

新井氏には、キャンプが大好きで休日になると知り合いを誘っては出掛けていた友人がいるそうです。この人はキャンプファイヤーのたき火の前では、人は心を許してしまうことに注目し「キャンプの夜に火を囲んで人生について語る会」というイベントを商品化したそうです。今では女性限定でワインを楽しむ日なども企画し、多くのリピーターを獲得。企業研修などにも利用されているそうです。

この他にも「ご当地かるた」の魅力を発掘して地元でイベントを開催したところ評判になり自治体とタッグを組んで仕事にしている人や、うつ病から立ち直った経験とノウハウを同じ病気に悩む人に伝える仕事を立ち上げた人など。好きなことや身に付けたノウハウ、コンプレックスまで仕事にした人が数多くいるそうです。

自分の好きなことがどんなにマニアックでも、そこに市場があると信じてアイデアを考えてみるのもいいのかもしれませんね!

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この本は、起業すると言っても初期投資が少なくリスクが少ない「ノウハウを売る」というテーマに特化しています。ですので、ラーメンが好きだからラーメン屋を開きたい。という人のタメにはならないかもしれません。一冊で起業の方法全てが学べる本ではありませんが「こんな事でも起業できるんだ!」という自由度の高さとアイデアを得ることができる一冊でした!

「働きながらリスクゼロで小さく稼ぐ 朝晩30分好きなことで起業する」
新井一 大和書房刊(2016.12)

 

横山ケン太

趣味は財テクとアウトドア。フリーの作家として活動中。

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