夫婦間で不動産の贈与税、非課税になる特例とは?

藤井亜也

2019.10.26.(土)

セカンドライフの過ごし方やお金についてのセミナーを行っていると「贈与」や「相続」についてのご質問を多くいただきます。

ご夫婦で参加の場合は財産をどう分けておけば良いのか、何か事前にできる節税対策はあるのかといった内容が多く見受けられます。今回は夫婦間で不動産を贈与した場合の贈与税や非課税の特例についてお伝えしていきます。

基礎控除110万円の他に最高2,000万円まで控除できる

相続税の配偶者控除はご存知のかたも多いのですが、贈与税にも配偶者控除があるのをご存知でしょうか?

毎年の基礎控除110万円の他に、最高2,000万円までが控除できます。
合わせて2,110万円が控除されるのです。とても大きいですよね!

この配偶者控除を受けるには、いくつか条件がありますので確認してみましょう。

配偶者控除特例の条件

贈与税の配偶者控除は簡単に言うと、婚姻期間20年以上の夫婦の間で居住用不動産(マイホーム)または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、最高2,000万円の控除が受けられる制度です。
(基礎控除と合わせて2,110万円)

一定の条件に当てはまる場合に控除が受けられますので1つずつ条件内容をみていきましょう。

婚姻期間が20年以上で1回だけ

贈与税の配偶者控除を受ける場合、婚姻期間が20年を過ぎてから贈与が行われた場合に適用されます。期間は入籍から贈与された日までの期間で判断されますので事実婚や内縁など籍を入れていない場合は適用されません。

自分が住むための国内の不動産である

贈与が適用となるのは居住用不動産、つまりマイホームとなります。
(もしくは居住用不動産を取得するための金銭)不動産には建物、土地、借地権が対象となります。投資用マンションなど居住用として使っていない不動産は対象となりません。

贈与年の翌年3月15日以降も居住

贈与された不動産にご夫婦で住み続ける場合、この条件は特に問題ないのですが居住用不動産を取得するための金銭を贈与する場合には、贈与された年の翌年の3月15日までに生活を開始し、その後も居住し続ける必要がありますので金銭の場合は贈与のタイミングに注意して下さい。

贈与税の配偶者控除のメリットは、最大2,110万円の控除が受けられることの他にもいくつかあります。

不動産の持ち分を分けることで売却時の節税につながる
例えば、居住用財産を売却し、ご夫婦でホームに入る場合、居住用不動産をご夫婦で1/2ずつ所有していれば、それぞれの持ち分に対して売却益のうち3,000万円までが非課税となります。お一人で所有している場合よりも非課税枠が大きくなります。

●相続開始前3年以内の贈与財産にカウントされない
相続開始前、つまり亡くなる前3年以内に贈与された財産は贈与とはみなされず相続財産に含まれてしまいます。しかし、贈与税の配偶者控除を受けた財産は対象外となりますので相続税の対象としてカウントされません。

配偶者控除特例の注意点

メリットも多い配偶者控除特例なのですが、注意点もありますので確認しておきましょう。居住用不動産の名義を変更しますので、「登録免許税」や「不動産取得税」がかかってきます。これらの税金は、贈与で行うよりも相続で行ったほうが少なくてすみます。

税金対策としては相続のほうがお得な場合もありますのであらかじめ税理士さんなどに相談しておくと良いでしょう。

ライフプランや所有財産などトータルで検討

贈与や相続を考える上で悩ましいのは「いつまで健康状態で生活できるのか」「病気や介護になってしまった場合は」など予測がしづらい点です。

3年後に家を購入、子供が何歳の時に学費をいくら貯めておくなど、ライフプランの時期や金額が予測できればプランニングしやすいのですが、セカンドライフのプランニングは時期や金額が設定しづらいのです。

とはいえ、何も対策をしていないと税金が高くなってしまったり、所有資産を上手く活用できなかったりと問題も増えてしまいます。そこで、お勧めしたいのがライフプランや所有財産などトータルで検討することです。

ご夫婦でセカンドライフをどのように過ごしていきたいのか、もし介護が必要になってしまった場合は、などまずはイメージをして頂きます。家でできるだけ過ごしたい、早めにご夫婦でホームへ入っておきたいなど皆さん意見は異なります。

ある程度のイメージができたところで、所有財産を確認します。住み続けるにも、家を売却し新たな居住先へ移るにもお金は必要です。日本人の所有資産の多くは不動産です。

今回ご紹介した贈与税の配偶者控除を活用して事前に持ち分を分けておいたり、相続した場合との税金を比較しておいたり、事前にできることがあります。夫婦間での不動産の贈与についても1つの対策となりますので参考にして下さい。

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藤井亜也

株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長

教育カウンセラー、派遣コーディネーター、秘書等、様々な職種を経験した後ファイナンシャルプランナーの資格を取得。
「お金の不安を解決するサポートがしたい」、「夢の実現を応援したい」という想いから(株)COCO PLANを設立。
独立系FPとして20代~90代と幅広い年代のお客様の相談に対し、 親身にそして丁寧に対応。一人一人に心を込めて、最適なプランを提案し多くのお客様のライフプランを実現。

現在は個別相談だけでなく、マネーセミナー、執筆・監修など幅広く活動中。

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