大学無償化について知りたい! 3つの疑問にお答えします

石倉博子

2019.10.09.(水)

2020年4月から実施予定の大学無償化(高等教育無償化制度)について、あまりピンとこないという人は多いと思います。そこで、特に疑問に思う点3つをわかりやすく解説します。

大学無償化ってどんな制度?

まずは、大学無償化について、概要を理解しておきましょう。
大学無償化と言っても、大学だけではなく、短大、高等専門学校、専門学校といった高等教育全般が対象となっています。

●2019年9月20日公表の対象校一覧

制度の内容は、入学金と授業料が免除、あるいは減免される「授業料等の減免」と返済が不要な奨学金である「給付型奨学金」の支給の2つの支援があります。
この制度は、今まで経済的な理由から進学を諦めていた層にも修学の機会を与えることが目的であるため、低所得世帯の学生が対象となります。

授業料等の減免は、住民税が非課税の世帯で全額免除となり、あとは所得に応じて、3分の2免除、3分の1免除となり、年収の目安として380万円※を超えると支援は受けられません。
※両親・本人・中学生の家族4人世帯の場合

また、そもそも学習意欲のない人を支援しても仕方がないので、成績や学習意欲を要件とする「学力基準」も設けています。

そのため、大学無償化と言っても、すべての学生が無料で大学に通えるという制度ではなく、一定の条件を満たした人のみ利用できる制度となります。

どのくらいの年収なら対象になるの?

具体的に年収がどのくらいだったら対象となるのかを見てみましょう。


出典:高等教育の修学支援新制度:文部科学省を基に筆者が作成

本人が18歳、中学生が15歳の場合の4人世帯の年収の目安です。実際は、多様な家族構成によって、年収の基準が変わってきます。
詳しくは日本学生支援機構 進学資金シミュレーターで確認できます。

この収入基準に加えて、資産基準もあります。
生計維持者が2人いる世帯は資産の合計が2,000万円未満、生計維持者が1人の世帯は資産が1,250万円未満でないと対象となりません。資産とは現金およびこれに準ずるものとされ、預貯金や有価証券などが該当し、不動産は含まれません。

その他の要件としては、高等学校等を卒業してから2年の間までに大学等に入学を認められ、進学した者とされています。つまり、これから大学等に進学する高校3年生だけでなく、在学中の学生も対象となります。ただし、高校卒業後2年なので、3年以上浪人した人は対象外となります。

タダで大学に通えるの?

大学無償化と言っても、すべての学費が無料となるわけではありません。対象となるのは入学金と授業料であり、施設設備費や実験実習費などは対象となりません。また、学校によって、減免額の上限が異なります。

<授業料等減免の上限額(年額)>
(昼間制)

出典:高等教育の修学支援新制度:文部科学省を基に筆者が作成

上記は住民税非課税世帯の学生の上限額であり、住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、この金額の2/3又は1/3の支援額となります。

国立大学であれば、住民税非課税世帯は授業料が全額免除となりますが、私立大学は国立大学よりも授業料が高いため、幾分か上限額が加算されていますが、全額免除とはなっていません。そのため、差額は自分で用意しなければなりません。

ただし、授業料等の減免制度を利用できる学生は、給付型奨学金も利用できるため、授業料以外の学校に通うための費用は奨学金で賄うことができます。

<給付型奨学金の給付額(月額)>

出典:高等教育の修学支援新制度:文部科学省を基に筆者が作成

※住民税非課税世帯の学生の場合。住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、この金額の2/3又は1/3の支援額となります。
※生活保護世帯で自宅から通学する人及び児童養護施設等から通学する人は、カッコ内の金額となります。

住民税非課税世帯であれば、私立大学に4年間、自宅外から通った場合、総額670万円ほどの支援額となります。こうしたことを考えると、この大学無償化制度は、低所得者層にとっては大変意義ある制度と言えるでしょう。一方で、この制度を利用できない中間所得層にとっては厳しい状況が続きそうです。

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石倉博子

1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®認定者。
“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。

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