「年金」や「金融政策」に大きな影響を与える「消費者物価指数」って何?

益山真一

2019.09.27.(金)

2019年8月23日の総務省の発表によると消費者物価指数(生鮮食品除く)が31カ月連続で上昇しています。2019年10月には消費税が10%に引き上げられますので、今後ますます物価上昇に対する手当が必要となります。

しかし、預貯金の金利はほぼゼロ。
日本銀行は概ね年2%の物価上昇を達成するまで、現在の金融政策を継続する方針ですので、今後も物価上昇を上回るような預貯金の金利は期待できません。

また、公的年金(国民年金や厚生年金)は物価が上昇すると、年金額も増えるようになっていますが、現在はマクロ経済スライド(現役世代の減少と平均余命の伸びによる年金調整)により、物価上昇よりも小さい伸びしか期待できません。

今回は、このように年金や日本銀行の金融政策に大きな影響を与える消費者物価指数について解説します。

消費者物価指数の代表は「生鮮食品を除く総合」

消費者物価指数は、消費者が購入する財(商品)・サービスの価格動向を示す指数であり、総務省が毎月19日を含む週の金曜日に調査・公表しています。

主な指数には「総合」「生鮮食品を除く総合」「生鮮食品とエネルギーを除く総合」等がありますが、生鮮食品は天候等の影響を受けやすいことから、世の中で多く活用されているのは、「生鮮食品を除く総合」となっています。
一方、エネルギーも中東の政治・社会的要因の影響を受けやすい点では同じですが、生鮮食品とは異なり、景気変動の把握には重要であることから、エネルギーも含む「生鮮食品を除く総合」が注目されています。

なお、消費者物価指数には消費税も含まれますので、2019年10月に消費税率が引き上げられると、消費者物価指数も前年同月比で上昇しやすくなりますので、増税後の前年同月比の数値を見るときは消費税分を差し引いて見るよう注意が必要です。

消費税増税後も、消費者物価が安定的に年2%程度上昇するようになれば、ゼロ金利政策にも変化が出てきますし、消費者物価が大きく上昇すれば、年金額の額面は増えますが、消費者物価年2%の上昇はなかなか高いハードルとなっています。

消費者物価指数の上昇率が低くなりがちな3つの要因

その1 「生鮮食品を除く指数」がメイン指標

私たちが普段、物価が高いと感じるのは、店頭での買い物ではないでしょうか?
特に、スーパー等での野菜、肉、魚等の生鮮食品に対して、感じることが多いと思います。

お菓子、乳製品、ペットボトル飲料等の値上げは「生鮮食品を除く総合」に反映されますが、生鮮食品の価格変動は、「生鮮食品を除く総合」には反映されません。大きく物価が上昇していると感じていても、生鮮食品を除く総合の伸びは小さくなる傾向にあります。

その2 食料品のステルス値上げは反映されない

ウインナー、チーズ、スナック菓子、チョコレート等、値段は据え置いたまま、内容量を減らす「ステルス値上げ」も多いのですが、消費者物価指数では、内容量の変化に伴うステルス値上げは反映されません。このあたりも生活実感とかけ離れる要因となっています。

その3 耐久消費財は性能向上→指数下落

一方、パソコン、スマホ等は、同じ価格で性能が向上すると、その分、消費者物価指数では下落要因となります。消費者にとっては価格が変わらなく感じても、指数上は大きな下げ要因となっています。

一方、「インターネットでの販売価格が反映されづらい」「調査品目が5年間変わらないため、新しく安い商品が出ても反映されない」など、消費者物価指数が高めに出やすい要因もありますが、全体的には消費者物価指数は低めに算出される傾向があります。

前述のとおり、物価の上昇に対して、預貯金や年金は期待できませんし、
消費者物価指数の上昇以上に物価が上昇しており、さらに社会保障の負担が増えていく今後、金利収入や公的年金以外の収入の手当を考える必要があります。

その1つの手段として、iDeCoやつみたてNISAを活用した投資信託の積み立て等に取り組み、物価上昇に負けない家計運営を始めてみてはいかがでしょうか?

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益山真一

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「お金の教養スクール」で教壇にたつ。家計改善を得意とするファイナンシャルプランナー。國學院大學経済学部の非常勤講師も勤め、研修・セミナーの実績も多数。経済、景気等への感度が高く、株式投資では18ヶ月連続増益の経験もある。

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