不動産投資で経験する 「退去時のトラブル」 とは?

城山剣吾

2019.09.22.(日)

皆さんこんにちは。
ファイナンシャルアカデミー 不動産投資スクール 講師の城山剣吾です。

退去時の対応は意外と難しい

不動産投資(不動産賃貸業)をしていると、退去はいずれ経験するでしょう。
部屋を借りたことがある方はご存じと思いますが、退去時には退去立ち合いを行い、室内の汚損・破損状況を把握し、原状回復費の負担割合を決めていきます。

自然劣化であれば大家負担、入居中の過失による汚損・破損なら入居者負担、というのが基本的なルールですが、この負担割合を決める場面はトラブルになりやすく、退去時の対応の難しい部分でもあります。

部屋を利用していたとはいっても、退去する部屋に対して追加で費用を払いたくないのが入居者側の心情。
逆に大家としては、入居中に汚れた部分は入居者が費用負担して、元の状態に戻して欲しいのが心情だからです。
実は私も、先日退去した部屋でちょっとしたトラブルがあり、調整に苦慮しているところです(苦笑)。

そこで今回は、不動産投資をしていれば多かれ少なかれ経験するであろう退去時のトラブルをはじめ、対応方法やリスクヘッジについて解説します。

退去時のトラブル事例

ここ1、2ヶ月間で、退去した部屋がいくつかありました。
このうち、ちょっとしたトラブルに至っているものがあるので、事例として紹介します。

【事例1】 原状回復費未払いのまま音信不通!

専門業者にて退去立ち合いを実施後、退去者より原状回復費の費用負担額の合意(サイン)を貰ったまでは良かったのですが、その後の支払い(振り込み)がありません。
専門業者から電話や郵送で連絡を試みていますが、音信不通の状態が続いています。

【事例2】 クリーニング費用の支払いを拒否!

賃貸借契約書の特約に「退去時のクリーニング費用は入居者負担」と記載があるにもかかわらず、支払いを拒否しています。
退去者曰く〝自分でクリーニングしたので、支払わなくていいでしょ?″と主張しています(苦笑)。

いずれも退去者が原状回復費の支払いを回避したいために取っている行動ですが、こういった行動や主張は、実は少なくありません。
この様な場合、大家としてはどの様な対応やリスクヘッジが必要になるでしょうか?

退去時のトラブル対応とリスクヘッジ

退去時におけるトラブルを解決するには、①示談(話し合いで解決) ②民事訴訟(裁判で解決)、という流れが基本になります。

【事例1】の場合、まずは退去者と何とか連絡を取らなければなりません。
親族を通じて退去者と連絡を取ったり、連帯保証人がいる場合は連帯保証人に費用請求するといった手段が主になります。

この様な手段で連絡を取り示談を進めたものの、支払いを拒否した場合は民事訴訟となりますが、民事訴訟をするには裁判費や弁護士報酬などの諸費用が発生します。

この諸費用は訴訟する側が負担する事になるため、現実的には原状回復費の請求額と諸費用を天秤にかけて、民事訴訟をするかどうかを判断することになります。
その結果、民事訴訟を起こしてもメリットがない場合は、大家の泣き寝入りで終了…ということも残念ながら多いのが実態です。

【事例2】の場合も、賃貸借契約書の不履行になるため、示談→民事訴訟という手順を追うことになりますが、ひと部屋のクリーニング費はせいぜい数万円程度の話なので、民事訴訟に至ることはまずないでしょう。
殆どが示談で妥協点を探し、収束することになります。

この様に、退去時にはトラブルが発生しやすい訳ですが、大家側のリスクを減らすには「賃貸借契約書へ費用負担割合を具体的に明示しておく」 「クリーニング費などの入居者負担分は入居時に先払いしてもらう」 といったオーソドックスな点を抑えておくと共に、退去時の対応が上手な専門業者や管理会社をパートナーに持つのがリスクヘッジになります。

また、これは私の持論になりますが、退去者側の負担額が数万円程度の少額であれば、大家側が妥協するのもひとつの手段だと思っています。
トラブルが解決しないまま長期化すると労力や時間を費やし、また次の入居募集にも支障が出るため、全体最適から見て 「未回収で終わりにする」 という英断も時には必要です。

不動産投資における退去時のトラブルは、頭を悩ませる厳しい側面ですが、これも不動産投資の一部と捉えて、リスクヘッジしつつ上手に対応する様にしましょう。

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城山剣吾

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「不動産投資スクール」で教壇に立つ。東京都出身。メーカー系企業勤務、エンジニア業に従事。就職して数年後、不況の煽りを受け週4日出勤・給料も20%カットという状態に陥り、サラリーマンという立場に大きな不安と疑問を感じ始める。ほどなくして「会社に頼らず、自力で稼げるようになろう」という想いが強まり、当時注目され出していたYahoo!オークションに目をつけ副業を開始。これが軌道に乗り約900万円の利益を上げる。この資金を使って不動産投資の勉強を本格的にスタート。2008年に収益用の区分所有を購入。以降は一棟物件にシフトし、RCマンション、木造アパート、重量鉄骨造マンションなど計四棟を購入。現在の年間家賃収入は約2200万円。

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