東京都内で一番事故が少ない安全な街はどこ?

松浦 建二

2019.09.08.(日)

誰でも住むなら安全な場所に住みたいものです。安全の基準は犯罪件数や交通事故件数などいろいろありますが、東京都内の交通事故発生状況の統計を見つけましたので、交通事故の発生状況から都内で比較的安全な区市町村(島部を除く)はどこなのかを確認してみました。事故件数だと人口や面積にかなり比例するので、人口に対する割合や道路の長さに対する割合も計算してみました。

交通事故が多いのは世田谷区や江戸川区

交通人身事故の発生件数は人口や面積の規模に比例すると考えられるため、他に人口と道路延長に対する割合も求めてみました。人口の発生割合は「人口/発生件数」で、人口何人あたりで1件の事故が発生しているかを表しており、数値が小さい(人数が少ない)ほど事故に遭う可能性が高いことになります。道路延長の発生割合は「道路延長/発生件数」で、それぞれ道路何メートルあたりで1件の事故が発生しているかを表しており、数値が小さい(道路が短い)ほど、事故が起きる密度が高いことになります。どちらも事故の発生率を確認する方法として最適とは言えないかもしれませんが、区市町村ごとの発生率の差を確認することはできます。

下記の表で色の付いた個所は、黄色が事故件数の多い区市町村や割合が高い区市町村、青色が件数の少ない区市町村や割合が低い区市町村を表しています。

東京23区の交通人身事故発生状況


資料:警視庁区市町村別交通人身事故発生状況(平成30年中)/東京都の統計/東京都建設局道路管理部路政課

東京26市の交通人身事故発生状況


資料:警視庁区市町村別交通人身事故発生状況(平成30年中)/東京都の統計/東京都建設局道路管理部路政課

東京4町村の交通人身事故発生状況


資料:警視庁区市町村別交通人身事故発生状況(平成30年中)/東京都の統計/東京都建設局道路管理部路政課

都内(島部を除く)で交通人身事故の発生件数が最も多いのは世田谷区(2,052件)で、2番目が江戸川区(1,795件)、3番目が足立区(1,738件)となっています。3区とも23区の周辺区であり、人口が多く面積も広いことが共通しています。一方で発生件数が最も少ないのは奥多摩町(32件)で、2番目が檜原村(56件)、日の出町(60件)となっています。何れも東京の西部に位置する町村で、面積は広いですが人口が少ないことが共通しています。

世田谷区等と比べると発生件数は2桁も少なくなっています。交通事故による死者数は江戸川区が11人で最も多く、大田区や足立区等の周辺区が比較的多いですが、都心の港区も比較的多くなっています。1年間で死者数がゼロの区市町村は13もあり、都心の中央区や文京区も含まれますが、全体的には市部の方が少なくなっています。

交通人身事故を人口に対する割合で確認すると、件数とはかなり異なった傾向が見られます。発生割合(人口/事故発生件数)が最も高いのは檜原村(36.5人で1件)で、2番目が千代田区(99.6人)、3番目が奥多摩町(155.2人)となっています。檜原村は人口が2千人強しかいないのに56件も人身事故が起きていることで、人口に対する割合が非常に高くなっています。奥多摩町も同様ですが、おそらく観光客(ツーリング等)かなり含まれているのでしょう。

千代田区は昼間人口が非常に多いので、区民以外が事故に多く絡んでいるのでしょう。発生割合が最も低いのは狛江市(1056.6人で1件)で、2番目が北区(717.1人)、3番目が小金井市(676.6人)となっています。狛江市は市内に幹線道路が少なく、適度に密集している住宅街が多いことで、スピードが出しづらく緊張感のある運転になり、人身事故が起きにくいのかもしれません。

交通人身事故を道路の長さに対する割合で確認すると、発生割合(道路延長/事故発生件数)が最も高いのは中央区(236.1mで1件)で、2番目が港区(249.3m)、3番目が千代田区(270.9m)となっています。都心3区が上位に並んでいるのは、比較的小さい面積で短い道路延長の割に、発生件数が多い(昼間人口も多い)ことが関係していそうです。道路延長あたりの発生割合が最も低いのは奥多摩町(9556.6mで1件)で、2番目があきる野市(2889.2m)、3番目が日の出町(2373.9m)となっています。奥多摩町が圧倒的に長いのは、港区と同程度の道路がありながら、事故の発生件数が港区よりかなり少ないからです。全体的には23区で道路の長さに対する事故発生頻度が多く、26市や郡部で低くなっています。

安全な街はどこかを考えた時、例えば北区と昭島市では交通人身事故の発生件数が492件と460件で小さな差ですが、人口は北区の35.2万人に対し昭島市は11.2万人しかいません。この場合、北区の方が住民にとって事故に遭う可能性が低く、比較的安全な街と言えそうです。また、中央区と町田市では交通人身事故の発生件数が823件と851件で小さな差ですが、道路延長は中央区の19.4万mに対して町田市は135.2万mもあります。この場合、町田市の方が発生の密度がかなり低く、比較的安全な街と言えそうです。

細かな事を言えば、交通人身事故に遭うのは必ずしも地域住民とは限らず、通勤・通学や観光等で来た人も可能性もあります。交通量の違いも考慮していません。しかし、交通人身事故の発生する可能性の違いは十分に確認できます。2つの発生割合が共に青色の区市町村(東村山市・狛江市・清瀬市)だと、他に比べてかなり安全で安心できる街と言っても良いのではないでしょうか。

参照:警視庁「区市町村別交通人身事故発生状況」
東京都の統計「東京都の人口」
東京都の統計「道路延長」

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松浦 建二

CFP®認定者・1級ファイナンシャル・プランニング技能士。青山学院大学卒、大手住宅メーカーで戸建てやアパートの営業を経験後、外資系生命保険会社へ転職し生命保険と投資信託の営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する執筆や講演も多数おこなっている。青山学院大学非常勤講師。http://www.ifp.cc/

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