株は売り上手なら5勝7敗でも儲かる!《藤川里絵インタビュー》

マネラボ編集部

2019.08.04.(日)

株価下落の局面で大きな損失を避けるために自衛手段として株を売ることを「損切り」と呼ぶ。ファイナンシャルアカデミー株式投資スクール講師の藤川里絵さんの新刊「株は5勝7敗で十分儲かる!」は自身の損切りを赤裸々に描いた快(怪?)著。さっそく著者インタビューを行った。

マネラボ編集部:新刊「株は5勝7敗で十分儲かる!」発売おめでとうございます。

藤川里絵(以下藤川):十分は儲からないですね、ちょっとだけ儲かるが正解です(笑)

マネラボ編集部:負けているところがずいぶんフィーチャーされてますが、ファイナンシャルアカデミーの株式投資スクール講師としては、大丈夫ですか?

藤川:この本に載せているのは全部じゃないですよ。有料メルマガで書いている株日記の中から、去年1年間の売買の一部を抜粋しているんです。とはいえ負けているんですけど笑。その中でもインパクトのある負けをあえて取り上げています。

マネラボ編集部:メルマガは毎日書いているんですか?

藤川:平日、毎日書いてます。売買してないときも書いてる。一応5時配信って決めていて、頑張っています。

マネラボ編集部:毎日は大変じゃないですか?

藤川:最初メルマガ書きませんか?と言われたときに最初は有料は無理ですってお断りしようと思ったんです。無料でブログでもTwitterでもさんざん書いているのに、今さらお金をとる文章を書けるの?と思ったので。でも、株は毎日売ったり買ったりしていて、それは公表したことがないし、とにかくネタに困らない!と思いついて、お受けしました。それが一昨年2017年の年末。というのも、その一昨年がすごい調子がよくて、すごい儲かってたから、書いてもいいかなと思って笑。それで12月から日記をはじめたんですが、翌2018年はもう散々で辛かった。すごい負けたし、損切りをいっぱいしました。

マネラボ編集部:かなり大胆に負けっぷりを披露しています。

藤川:負けて負けてたまに勝つみたいなね。編集者が負けを中心に選んばれたんです。しかも裏表紙には「損切りの女神降臨!」って。勝手に女神にされました笑 女神はいいけど、損切りの女神にはなりたくなかった笑。株の本って、「億」とか「勝つ」というキーワードが全面に打ち出されているんですが、この本は「負ける」が全面に……。

マネラボ編集部:確かに投資本で「負ける」をテーマにした本はないかもしれませんね。

藤川:投資本で負けていい、って堂々と(笑)

マネラボ編集部:しかもリアルのチャートに「ここで負けてる」とかコメントが入っていて。

藤川:ほんとは言いたくない!笑 たまには「こんなに上がった」と、いいことも書いてますけど、「こんなちょっとしか利益とれてないけど、待ってればもっと上がった」とかね。リアルですよね。

マネラボ編集部:「トランプ黙って」みたいな悲鳴も。

藤川:そう!トランプさんが何か言うと株が下がって笑。そういうときは書きたくない! だけどもう書くって言ったし、と涙を飲んで書きました。でも、書くことによって自分も反省しできたんですよね。去年の負けを書いて反省したことによって、今年2019年はまあまあ調子がいいんです。今7月ですが、6勝1敗だから。今の所負けたのは2月だけだったかな。これは去年の負けを乗り越えて学んだことがすごく多かったんです。

マネラボ編集部:では本にはそれを凝縮しているということですね。

藤川:そう!伊達に7敗してない。

マネラボ編集部:7敗しても+でいけるのですね。そこは希望ですね。

藤川:希望ですよ。この本は月で勝敗を決めているけど、そこはこだわらなくていいんです。負けて当たり前、負けてなんぼくらいの心意気で。

マネラボ編集部:それは去年を乗り越えたから思える?

藤川:去年が今までで一番負けました。それまでこんなに負けたことがなかった。投資の金額が徐々に大きくなっていったところで去年だったんです。そこで、投資金額を徐々に減らし、今年はそんなに大きい売買はせずに、「負けなきゃいいよ」というぬるま湯な感じでやっています。

マネラボ編集部:10数万ほど負けていることもありますが、やはりそれ以上大きく勝っているのがポイントなのでしょうか。

藤川:そうだと思います。大きく負けているのは10数万ぐらいですが、数万円とか8,000円の小さい負けを結構な数しています。でも、ところどころで大きく勝っているので、トータルでは勝てたという感じです。たくさん損切りしているけど、それしていなかったら勝てていない。いかに損切りが上手かということです。要は「損切りを恐れるな」ということをこの本では言いたいんですよ。

マネラボ編集部:トータルで負けなければいい。

藤川:そう! それに個人投資家の人は難しい相場のときは別に戦わなくていいんです。イージーな相場のときにドンといく。でも日々の取引がゼロだと、相場の雰囲気がわからなくなって、いざというときに引いちゃう。少額でもいいから、何かを買ったり売ったりしていればチャンスに気づけます。そこにいないと気づけない。上がってから、「なんか株上がってるんだって」いまやってもいいのかな、どうなのかなってチャンスを逃しちゃうので。

マネラボ編集部:私は株初心者なのですが、やっぱり売るのが難しいと実感しています。

藤川:株式投資を始める前は、買うことしか考えないですよね。どんな株を買おう?って。でも、実際買った人が初めにぶつかる壁は売るときなんです。売るほうが難しい。株価が上がっていても難しいし、下がっていても難しい。結局ね、欲があるから。上がったらもっと上がるのではと思うし、下がったら待っていれば戻るかなと思ってしまうんですよね。でもね、売らないとだめ。

「株買いました、証券会社の口座で利益出てます」といっても、それは幻の利益で、別に自分のものじゃないんです。売って利益を確定しないと手に入らない。売らないと完結しないんです。だから株は、「買って・売って」で1セット。それは勝つ勝負でも負ける勝負でもそうなんです。勝敗を決めていかないと、含み損を抱えているのは、ずっと負けてるなと思いながら永遠と負け試合を続けている状態になってエネルギーを消耗するだけ。時間も無駄なので、早めに損切りして「負けました」と降参しちゃって、次の勝負に向かったほうがいいと思います。時間をかければ勝てるというものじゃないから、その辺は見切りをつけて。

マネラボ編集部:負けをみとめられない人にアドバイスを…。

藤川さん:意外と損切りしたあとはスッキリします。一番モヤモヤするのは、負けをみとめないでずるずる引きずってるとき。評価損を抱えていて、今日も朝起きたらNYダウすごい下がってる、また私の持ち株下がっちゃうかも、みたいなときです。もう見たくない、怖い、そういう時が一番モヤモヤする。そんなときは本当はスパッと売っちゃったら気が楽なんだよ、ということがこの本では言いたいんですよね。

マネラボ編集部:やっぱり損切りですね。

藤川さん:この本にも書きましたが、損切りは自分でやろうと思ったら無理だから、逆指値で指しておくとか、自分なりのルールを決めること。そして、損切りすると思わずにルールを守ると思えばいい。で、それができたときは、ルールを守れた自分えらい、グッジョブ!と思ってあげればいいんじゃないかな。それはある意味成功だから。売買の中では自分の決めたことをちゃんと守れたから、その中ではグッジョブですよ、っていう。損切りが負けって思わなくてもいい。損を切れた自分の勇気に。

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負けた気持ちを誰かと共有したくなるが、一人で投資しているとなかなかむずかしい。藤川さんがメルマガで「負けた」といっていると救われたという人も多いそうだ。
「スクールに来ている人は、学びながら、失敗してもスクールの人にも聞けるし、講師にも聞けるし、そういうときに投資をはじめて失敗しておいたほうがいいと思う」という藤川さん。成功スタイルを学ぶよりも失敗スタイルを多く学ぶ方が役に立つ。ぜひ一読を。

書名:株は5勝7敗で十分儲かる!
出版:ビジネス社
定価:¥1,400(税別)

株の売買タイミング、損切りのルールが学べる! 株式投資スクール(WEB受講もあり)

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