生命保険の「予定利率」とは?

添田享

2019.07.08.(月)

今回は、生命保険の中でよく出てくる「予定利率」についてご説明したいと思います。

一般的に「予定利率」とは、保険会社が想定している運用利回りのことを言います。生命保険は保険期間が長期になり、また、その保険期間(厳密には保険料払込期間ですが)では、毎月、もしくは毎年などで払い込む保険料の額は一定です。しかしながら、生命保険などでは、若年期では死亡の発生率が小さく、また、高齢期では死亡の発生率が高くなることから、保険料払込期間の序盤で払い込んだ保険料の一部は保険会社が預かる形になっており、保険会社はそれを運用して、将来、死亡率が高くなる高齢期に向けて備えているのです。このときに想定している運用利回りのことを「予定利率」と言います。

予定利率が高ければ高いほど、保険会社が運用益を稼いでくれるという前提になるわけですから、契約者が払うべき保険料は少なくて済むわけです。その逆に予定利率が低ければ、保険会社が稼げる運用益が少なくなり、同じ保険金額を支払うための保険料であっても、予定利率が高いものと比べると、予定利率が低い場合では保険料は高くなってしまうのです。

では、保険会社の予定利率はどのように決定されるかというと、保険会社がどのような資産構成で運用していて、各資産がどのような運用利回りを期待できるかにより決まってきます。

以下の表は、平成29年度末の生命保険会社の資産構成の割合(%)です。

このように有価証券が80%を超えており、生命保険会社の運用の中心になっていることがわかります。

更に、この有価証券の内訳を見ると、以下の表のとおりとなっています。

参照:一般社団法人生命保険協会「生命保険の動向(2018年版)」

基本的に、有価証券の中でも「国債」の割合が高いのですが、近年は国債の利回りが低下していること、また、外貨建て保険商品が銀行窓販などで多く販売されていることから「外国証券」の割合も増えてきています。

ただ、外貨建て保険商品の資産運用を除くと、やはり国債による運用が中心になっており、近年の低金利環境から、保険会社が想定する運用利回りも低くなり、その結果、予定利率も低くなっているというのが現状です。

先ほど申したとおり、予定利率が低くなると保険料は高くなりますので、保険会社は、営業保険料の中の付加保険料を削るなどして、なるべく競争力のある保険料にするよう努めています。とは言え、それにも限界があり、このような低金利環境下では積立型の保険商品、例えば、年金保険や終身保険などで、保険料が高くなる傾向が大きく出てくるわけです。

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添田享

日本アクチュアリー会正会員、日本証券アナリスト協会検定会員。1級DCプランナー。アクチュアリー・ゼミナール講師。大学、大学院で数学を専攻し、大学院修了後、アクチュアリー候補生として信託銀行に入行。その後、証券会社、生命保険会社などで一貫してアクチュアリー業務に従事。
アクチュアリーの中でも、生保アクチュアリー、年金アクチュアリー双方で業務経験が豊富である数少ないアクチュアリー。現在は、アクチュアリーの業務経験を活かして、アクチュアリー試験などの金融関連資格の講師、数学の講師など幅広い分野で活躍。

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