きちんと理解してますか?自動車保険の補償内容

續恵美子

2019.07.03.(水)

私事ですが、筆者は自動車事故の現場に遭遇することがよくあり、つい先日見かけた事故は車とバイクの事故でした。バイクに乗っていた人は地面に倒れて動かず、車を運転していた人はオロオロするばかり。まずは人命優先ですから救急車を呼んだり警察に電話したりの対処が必要になりますが、後々は「補償」という問題になってきます。

警察庁のデータ「交通事故の発生状況(2018年)」によると、2018年中の交通事故の発生件数は、死亡・重傷・軽傷事故を合わせて43万601件。単純に考えても約1分少々ごとに1件交通事故が発生している計算になります。自分には関係ないと思わずに、万一自分が交通事故の当事者になったら「補償」はどうなるのかを知っておくことが大切です。今一度、自動車保険の補償内容について確認しておきましょう。

自動車保険には「強制保険」と「任意保険」がある

ひとくちに自動車保険といっても大きく分けて2種の保険があります。

1つ目は「自賠責保険」といって、自動車の所有者が必ず加入することを法律で義務付けられている保険です。加入していない場合には1年以下の懲役または50万円以下の罰金、運転免許の停止処分などの罰則があり、また車検のときには加入していない車は通りません。そのため「強制保険」ともいわれています・

もう1つは「任意保険」といって、名前が示すとおり、必ずしも加入する必要はない自動車保険です。加入していないからといって、特に罰則があるわけではありません。

とはいえ、実際に任意保険に加入していない人は少ないのではないでしょうか。自動車を購入するときにはディーラーからも自動車保険の加入を提案されると思います。勧められるままに加入したという人のなかには、保険証券を見ても実は補償内容がわかっていないという人もいるかもしれません。

自賠責保険の補償内容を知っておく

自賠責保険は、自動車を運行中に他人を死亡させたり、怪我させた場合の「対人賠償事故」のみ補償されています。

具体的な補償額と補償内容は次の通りです。
・死亡:最高3,000万円
相手が亡くなった場合、相手への慰謝料、葬儀費用、逸失利益等への補償として保険金が支払われます

・後遺障害:最高4,000万円(常時介護が必要な場合)/最高3,000万円(随時介護が必要な場合)
相手のケガが治療後も治らず、痛みや症状が残る「後遺障害」と認定された場合に、慰謝料、逸失利益等への補償等として保険金が支払われますが、後遺障害の程度により、最高3,000万円(第1級)~最高75万円(第14級)と、等級によって支払われる保険金は異なります。

・傷害:最高120万円
相手にケガを負わせた場合、慰謝料、治療費、休業損害、文書料等への補償として支払われます。

このように、交通事故で人に対する補償をするための保険ですが、人といっても「相手」だけ。自分が運転していた車に搭乗している人の傷害の補償はありませんし、モノにぶつかり破損させてしまったときの補償、もちろん相手の車や自分の車そのものに対する補償などはありません。

任意保険の補償内容を知っておく

万一の事故を考えると、自賠責保険だけでは補償の内容が充分でないことは簡単に想像できると思います。それを補完するために加入するのが民間保険会社の任意保険(自動車保険)ですが、自動車保険の保険証券を見ても、補償内容の部分に書かれている名前が難しくてわからない……という人も多いと思います。

そこで、それぞれの補償内容について説明します。

・対人賠償保険:
相手だけでなく、他人(第三者)を死傷させてしまった場合の補償です。交通事故は複数の人を巻き込むこともありますが、歩行者、相手の車に乗っていた人、自分の車に乗せていた人等を含め、巻き沿いになった他人に対する補償です。
ただし、記名被保険者または運転者本人、およびその家族の死傷に対しては補償されません。
自賠責保険の支払限度額を超えたところから補償されます。

・対物賠償保険:
自動車事故で、他人(第三者)の車や家屋、物を壊してしまった場合の補償です。ガードレール、信号機、電柱、店舗なども補償の対象です。
対物賠償事故は自賠責保険では補償されないため、最初から任意の自動車保険の対物賠償責任保険で対応します

・人身傷害保険:
自動車事故で、記名被保険者およびその家族、自分の車に搭乗してた人が死傷した場合に補償されます。
保険会社によっては、自動車走行中に限らず歩行中まで補償したり、契約車両のみの対象にするなど補償範囲が異なる場合があります。
過失割合に関わらず、示談成立前であっても被った実際の損害(治療費、慰謝料、休業損害、逸失利益等)について保険金額を限度に補償されます。

・搭乗者傷害保険:
当該契約車両に搭乗している運転者および同乗者が怪我で死傷した場合に補償されます。人身傷害保険も自分の車に乗っていた運転者や同乗者に対する補償ですが、人身傷害保険が「実際に受けた損害額」が支払われるのに対し、搭乗者傷害保険では、契約時に定めた一定額が支払われます。
たとえば、「入院日額10,000円」、「通院日額5,000円」というような日数払や、「頭部骨折の場合60万円」というようなケガの部位と症状による一時金があります。

・無保険車傷害保険
自動車事故では相手の過失で自分が死傷した場合、相手の保険から補償されるものですが、相手の車が不明、または自動車保険に未加入などで、相手方から十分な補償が得られないときに補償してくれます。
本来加害者が負担する損害賠償額のうち、自賠責保険の保険金を超える部分に対して保険金が支払われます

そのほか、「自損事故保険」や「車両保険」などがあります。自動車事故の内容や程度にもよりますが、万が一事故に遭ったときには金銭的、精神的な損害は甚大となるケースは多いものです。相手、第三者、自分や家族など、「誰を」、「どういう場合に」補償してくれる保険なのか、きちんと理解しておきたいですね。

参照:警察庁「交通事故の発生状況(2018年)」

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續恵美子

ファイナンシャルプランナー(CFP®)
夢や希望を持ちながらも、一歩を踏み出せない――お金の知識を教えることで、そんな女性が一歩踏み出す支援をしたいという想いとともに、ファイナンシャルプランナーとして活動。
プライベートでは南仏移住して10年以上。仕事・家庭・自分の人生を活き活き送る、多くのフランス人女性から学んだことを日々の活動に実践している。

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