「お嫁さん」でも相続が可能になる 民法改正で相続法はこう変わる

宮田よし恵

2019.06.19.(水)

大きく報道されていませんが、民法が大きく変わりつつあります。
生活に根ざした日本の法律である、民法改正の中で特に相続についての改正が一部の規定を除き、来月2019年7月より施行されます。

今回は、その中で女性と相続に注目してみました。

特別寄与者への相続権

いままでは相続というと、血縁関係者しか認められませんでした。
しかし、今回の改正相続法では血縁関係のない嫁という立場でも相続請求が可能になりました。
一例を上げると、相続人の親族で義理の両親の介護をしたお嫁さんという立場の方。
今までは、どんなに献身的な介護で尽くしても相続人とは認められませんでした。

しかし、今回の改正でこの点が大きく変更されました。
「相続人に対する療養や介護をすることにより、被相続人の財産の維持または増加について寄与した者」これを特別寄与者と認める。

もう少しわかりやすくお伝えすると「お嫁さんが、義理の両親の介護を行いその間息子やその家族が仕事をできるように尽くした」

この場合はたとえ直系である、お嫁さんのご主人が死亡していても請求可能になります。
これが特別寄与者といわれて相続請求権を持つ事が出来るようになったのです。

請求するための手続き

この相続請求には期限があります、相続手続き開始から1年以内の申立が必要です。
また、本来は相続する家族と特別寄与者の間で協議して請求額を決めるなどをして請求確定となります。
しかし、相続は家庭内のトラブルが起こりがちです。
その協議をしたくても出来ない場合は、特別寄与者は家庭裁判所にて請求の申立が可能になりました。

ただし以下の場合は特別寄与者として認められないケースもあります。

・特別寄与者がその行為に対して被相続人から金銭等の授受があった場合
・あらかじめ特別寄与者に利益を与えるために、遺言で対応がされた場合
この2点があった場合は、すでに特別寄与者は利益を得ていると見なされて、相続の請求はできないことになります。

また、この請求はあくまで親族のみとなります。
事実婚などのパートナーではこの特別寄与者として認められません。

配偶者居住権

例をあげてご説明しますね。
土地家屋が2,000万円、預貯金が3,000万円で合計5,000万円の相続で父親が死亡し、相続人は母親と子の場合。

死亡した父の配偶者である母親と子で相続を分割します。

改正前の相続では、もし母親が「今までの家に住み続けたい」と希望すれば土地・家屋を相続すると5,000万の相続分より家屋2,000万円分を相続したとみなされて預貯金は500万円分のみ手元に残ることになります。

これが、新しい相続法では配偶者の居住権を認め相続分より居住権を除く事が出来るようになりました。

参照:政府広報オンライン「約40年ぶりに変わる“相続法”!相続の何が、どう変わる?」

新しい相続法では、子にも母親の居住権を認めるという前提で土地・家屋を相続します。
これを母親の居住権付を認めた上で相続する、負担付き所有権として相続します。

一般の相続との違いは、土地家屋を母親または子が勝手に処分したり貸したり出来ないという点です。

これは配偶者により有益になる相続改正になりました。

今回の相続は親族だけでない、血縁関係のない方でも相続請求権が認められた点。
また配偶者がなくなっても、今まで住んできた家で過ごすことが認められた事などが改正されました。

時代と共に変わる法律で安心した生活が送れるようになれば良いですね。

相続の手続き、あなたは正しく理解していますか?

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宮田よし恵

アパート経営10年の実績を活かし、不動産投資・起業・銀行など主にお金と投資について執筆多数。今後は、母を介護をしている経験からシニアと住宅・お金の問題に対しても発信していきたいです。

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