物価上昇は敵?味方?

益山真一

2019.06.07.(金)

2019年に入り、大型ペットボトル飲料、乳製品、即席麺等の値上げが相次いでいます。
原材料費や人件費の高騰が主な原因とされていますが、日本銀行は年2%の消費者物価の上昇を達成するまで、現在の金融政策を継続するとしています。今回は消費者物価上昇とその対策について考えてみましょう。

景気がよくなる=お金が早く回る

質問です。
今年、100万円のものが、
1.来年102万円に値上がり場合
2.来年98万円に値下がりする場合
どっちのほうが、今年、買いたいと感じるでしょうか?

98万円に値下がりすることが予想すれば、待つのに対して、
102万円に値上がりすることが予想すれば、早く買おうと考えるのではないでしょうか?

景気がよくなることを一言で表現すると「お金の回りが早くなること」。
景気が悪くなることを一言で表現すると「お金の回りが遅くなること」。

消費者の立場で考えると、買いたいものが安く買えると嬉しいと感じると思いますが、安く買えるということは、売り手側の利益が減り、働く人の給与が減り、節約意識が高まり、景気が悪くなる方向に進みやすくなります。
また、値下がりが続くと、お金の回りが徐々に遅くなり、景気が悪くなってしまいます。

反対に、物価が上がり続ける流れが定着すれば、早く買いたいと考える人が増え、売り手側の利益が増え、働く人の給与が増え、消費志向が高まり、景気がよくなる方向に進みやすくなります。

物価上昇が上昇しすぎると、消費者は諦めてしまう

では、消費者物価が大きく上昇すればよいのか、というとそうではありません。
物価上昇しすぎると、かえって節約意識が高まり、お金を使わなくなったり、より価格が安い代替品で済ませようと考えますので、結果的に、お金の回りが遅くなり、不景気に陥ってしまいます。

つまり、物価が下がっても景気がよくならず、物価が上がり過ぎても、不景気に陥ってしまうため、消費者が抵抗感を感じない範囲で物価が適度に上昇しつ続けることが景気拡張には必要なのです。日本銀行が考える消費者物価の上昇割合が年2%なのです。

物価上昇を味方につけるには、資産を「お金」ではなく、「モノ」で持つ


物価が上昇すると、生活が大変になると感じる人も多いと思いますが、
それは、物価上昇を敵にしているから。
言い換えれば、味方につけてしまえばよいのです。
消費者物価上昇率2%を達成するまで、ゼロ金利政策を維持する、ということは、「物価上昇率>金利」の状態。

物価上昇率とは「モノ」の価値の上昇率、金利は「お金」の価値の上昇率ですから、物価が上昇する局面では、資産を「お金」で持つよりも「モノ」で持つ方がよいと考えられます。たとえば、株式・不動産等に投資する投資信託等が考えられます。

もちろん景気後退局面では、株式や不動産の価値は下落しやすく、価格変動が大きいため、
預貯金や債券等の利子収入を期待する金融商品よりも損失を被る可能性は高くなりますが、
・日本と海外、債券と株式・不動産に投資するバランスファンドでリスクを分散する
・積立方式で購入することにより、購入単価を平準化する等のリスク管理を行うことにより、生活防衛としての長期スタンスで取り組くめば、物価上昇に負けないパフォーマンスを得ることはさほど難しくありません。

筆者がセミナーで参加者によく問いかける質問。
「給与・年金、物価、金利の3つのうち、今後どれが一番あがると思いますか?」
9割以上の回答は「物価」。
給与・年金の伸び、金利収入が期待できないと感じているようであれば、物価上昇を味方につける資産形成に取り組んでみてはいかがでしょうか?

老後、お金に苦労しない生活を送りたい

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益山真一

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「お金の教養スクール」で教壇にたつ。家計改善を得意とするファイナンシャルプランナー。國學院大學経済学部の非常勤講師も勤め、研修・セミナーの実績も多数。経済、景気等への感度が高く、株式投資では18ヶ月連続増益の経験もある。

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