個人型確定拠出年金には口座管理手数料が必要!

添田享

2019.04.08.(月)

前回は、個人型確定拠出年金の注意点として、将来の受取金額が確定していないこと、および、拠出できる掛金額について上限があることをご説明致しました。今回は、その他の注意点についてお話しさせて頂きます。

確定拠出年金は、専用口座を作ってそこに掛金を拠出して、運用商品を選んで運用していきます。もちろん、そこにはお金が積みあがっていますので、そのときの経済状況等に応じて、そのお金を引き出したいということもあるかと思います。しかし、確定拠出年金では、原則60歳までその積みあがったお金を途中で引き出すことはできません。経済的に余裕がない場合は、今後の掛金の拠出を止めることしかできないわけです。

その場合、確定拠出年金の専用口座に今まで積みあがってきたお金は途中で引き出すことはできず、引き続き運用していく必要があります。しかし、このような専用口座を維持するためには、毎年、口座管理手数料が必要となります。この口座管理手数料は以下のとおり区分することができます。

運営管理手数料を除いても年間約2,000円かかりますので、もし、確定拠出年金の運用収益がこの金額よりも小さい場合、例えば、定期預金等の元本確保型商品で運用した場合などは、積立金額は実質目減りしていくわけです。

このように、もし積立金額が少ない状況で掛金の拠出を止めてしまうと大きな運用収益を確保するのが難しく、口座管理手数料を差し引くと積立金額は目減りしてしまうわけですが、かといって、高い運用収益を狙うためにはリスクの高い運用商品を選ぶ必要がありますので、積立金額が大きく目減りするリスクも高まりますので、どうしようもない状況に陥ってしまうわけです。確定拠出年金は、いざ始めた場合は基本的に途中でやめることができず、掛金を拠出し続けていくという覚悟が必要になってきます。

とは言え、拠出した掛金額は全額所得控除であり、また、積立金を60歳以降で受け取る場合は、一時金で受け取る場合は退職所得となり、また、年金で受け取る場合は雑所得となり公的年金等控除が適用されますので、やはり税制メリットは大きいと言えます。

掛金額

個人型確定拠出年金の掛金額は、最低月額5,000円から設定できます(上限額は前回ご説明させて頂きました拠出限度額です)。また掛金額は、年1回に限り変更することができます。ですので、最初は少ない掛金額で始めて、その年度でキャッシュの余裕があることがわかれば年1回の変更を実施して、掛金を増額するという方法もあるわけです。

個人型確定拠出年金のスキームをしっかりと理解することで、税制の恩恵も受けることができ、また、個人型確定拠出年金と公的年金の支給開始年齢の繰り下げを組み合わせることで「長生きリスク」にも備えることができるわけです。

ちなみに、確定拠出年金の専門資格として「DCプランナー」というものがあります。この機会に、身近なDCプランナーにご相談頂いてみてはいかがでしょうか。

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添田享

日本アクチュアリー会正会員、日本証券アナリスト協会検定会員。1級DCプランナー。アクチュアリー・ゼミナール講師。大学、大学院で数学を専攻し、大学院修了後、アクチュアリー候補生として信託銀行に入行。その後、証券会社、生命保険会社などで一貫してアクチュアリー業務に従事。
アクチュアリーの中でも、生保アクチュアリー、年金アクチュアリー双方で業務経験が豊富である数少ないアクチュアリー。現在は、アクチュアリーの業務経験を活かして、アクチュアリー試験などの金融関連資格の講師、数学の講師など幅広い分野で活躍。

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