どうする?会社を辞めた後の公的医療保険?

益山真一

2019.03.05.(火)

会社員はいずれ会社を辞める時期がやってきます。
その際に悩むのが、それまで考えなくてもよかった社会保険。
すぐに次の会社に転職する場合には、次の会社に任せておけばよいのですが、完全リタイアする場合や、次の会社で働くまで間がある場合には要検討。

会社を辞めた後、次の会社の健康保険に加入する場合を除き、次の3つの選択があります。

選択肢1 他の家族の扶養に入る
選択肢2 住所地の都道府県・市町村が実施する国民健康保険に加入する
選択肢3 辞めた会社で加入していた健康保険に加入し続ける(任意継続被保険者)

今回は、会社を辞めた後の公的医療保険について解説します。

無収入なら被扶養者になれるが意外な落とし穴も……

保険料の負担がゼロとなるのが、選択肢1。
直系尊属、配偶者(事実婚を含む)、子、孫、兄弟姉妹は被保険者に生計を維持されていれば別居でも被扶養者となることができ、
前記以外の3親等内の親族、事実婚の状態にある配偶者の父母、子(配偶者死亡後も含む)は同居しており、被保険者に生計を維持されていれば、被扶養者となることができます。

なお、生計維持関係には収入要件があり、
具体的には、年収が130万円未満(60歳以上や一定の障害者は180万円)未満で、
同居者は、被保険者の収入の2分の1未満であること、
別居者は、被保険者からの仕送り額未満であることが要件となっています。

注意したいのが、この収入には、課税される給与や年金に限らず、雇用保険の基本手当や遺族年金等の非課税所得も含まれる点。

たとえば、雇用保険の基本手当が
60歳未満では日額3,612円以上(130万円÷360日)、
60歳以上では日額5,000円以上(180万円÷360日)である場合、
受給中は被扶養者となることができません。
したがって、退職直後は、選択肢2または選択肢3のいずれかの選択となる可能性が高いといえます。

国民健康保険。大家族は均等割の負担大。所得割も高め

選択肢2の国民健康保険の保険料は市町村ごとで異なります。
たとえば、均等割、所得割、資産割、世帯別平等割等があり、均等割、所得割を採用する市町村が多くなっています。

健康保険と大きく異なる点が均等割。収入がない家族も保険料がかかります。
大家族では、保険料の負担は想像以上に負担が重くなります。所得割は前年度の所得に基づいて計算した保険料。

上限はありますが、前年の所得金額が高い場合、思いのほか保険料の負担が重くなります。言い換えると独身者で在職中の給与が高くない場合、保険料の負担は軽くなります。

在職中と同じ健康保険。在職中と比べて、保険料が2倍となるケース、安くなるケースも

それに対して保険料負担が軽くなるケースが多いのが、選択肢3。
健康保険に継続して2カ月以上加入していた被保険者が退職した場合、20日以内に退職時まで加入していた健康保険の健康保険組合または住所地の協会けんぽで手続きをすると
最長2年間(2年間のうちに75歳に達した場合は75歳に達するまで)加入できます。

なお、通常、健康保険の保険料は会社と被保険者である皆さんが折半で負担しますが、
任意継続被保険者の保険料は全額自己負担ですので、保険料負担が2倍になることも。
ただし、保険料は退職時の標準報酬月額または加入する健康保険の全被保険者の前年の標準報酬月額の平均のいずれか低い方を基準として計算します。

なお、2019年度の協会けんぽの全被保険者の標準報酬月額の平均は30万円ですので、
在職中の標準報酬月額が30万円以下の場合、保険料は2倍、
在職中の標準報酬月額が32万円以上59万円以下の場合、保険料は1倍超2倍未満、
在職中の標準報酬月額が62万円以上の場合、保険料は軽くなります。
以上のとおり、在職中の給与が高い人は在職中よりも安くなる場合もあり、給与が高くない人は保険料が2倍となる場合もあります。

ただし、退職前より高くなっても、国民健康保険よりも安い場合もあります。
退職前の標準報酬月額を確認し、任意継続被保険者となった場合の保険料を試算し、国民健康保険の保険料と比較して決定しましょう。

任意継続被保険者となる場合、傷病手当金や出産手当金等を除き、在職中と同じ保険給付を受けられます。
また、協会けんぽと国民健康保険の給付は、傷病手当金と出産手当金等を除き、ほぼ同じですが、健康保険組合は国民健康保険よりも手厚い保障を実施している場合があります。

たとえば、高額療養費の自己負担額が少ない(給付額が多い)、傷病手当金の日額が多い 等の違いがよく見受けられますので、保険料負担のみで比較検討しないように注意が必要です。

一旦、会社を離れると社会保険の選択、給付の手続き等は基本的に自分で気づき、考え、アクションを起こすことになります。
公的医療保険の保険料は決して安くありません。
まずはどのような選択肢があるかを理解して、調べることから始めてみましょう。

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益山真一

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「お金の教養スクール」で教壇にたつ。家計改善を得意とするファイナンシャルプランナー。國學院大學経済学部の非常勤講師も勤め、研修・セミナーの実績も多数。経済、景気等への感度が高く、株式投資では18ヶ月連続増益の経験もある。

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