金融経済教育はいま? 高校生が「住宅ローン」を学ぶ現場をレポート

金融経済教育の必要性が叫ばれ始めてから数年。教育現場の実情はどうなっているのでしょうか?
先進的な取り組みで有名な品川女子学院の高校2年生の授業に潜入してみました。
品川女子学院は、文部科学省のスーパーグローバルハイスクール指定校であり、東京都内で人気を誇る中高一貫校です。教育方針として28歳を意識したライフデザイン教育「28project」を柱としていて、企業とのコラボレーションも活発だそう。
総合マネースクールであるファイナンシャルアカデミーから小野原薫講師が出張して2コマの授業を担当します。テーマは「マイホームの購入の仕方」について。「家庭科」の2コマを使っての授業だそうです。確かに、それは「家庭科」の大切なところかもしれません!
「家を買うとしたら、中古がいいか新築がいいか?」
新築がいいという生徒がほとんどでした。
ここで講師から、海外と日本の比較が説明され、日本は他国と比べて、圧倒的に新築が人気なことがわかりました。
「これには背景があります。日本では、新築よりも中古のほうがお金が借りにくいのです。つまり、中古物件のローンの貸出条件が厳しい。しかも、新築の固定資産税が優遇されています。これでは、『お金が借りられないし、新築のほうが税金が安いなら新築にしよう』と思いますよね。
さらに、住宅メーカーにも、中古マンションの解体には税の優遇が受けられるとあって、どんどん壊して新築にしていきたくなるという背景があるのです。すると中古物件が少なくなり、流通が不活発になります。
海外では、中古と新築でローンの差はないことに加え、中古物件の方が良いとする価値観のちがいがあるんです。その証拠に中古物件の価格は下がりません。日本の新築が高いのは宣伝費などが乗ってしまっているせいで、中古が悪いから安いというわけではないのです」
「そして、ローンについても違いがあります。
日本では、住宅ローンが払えなくなってしまって途中で売却したときに返済すべきお金より、売値のほうが安かったら、その差額は家がなくなっても返さなくてはいけません。
これを「リコースローン」というのですが、アメリカの場合は「ノンリコースローン」といって、途中で家を売ったら、残った住宅ローンは支払わなくてもよい制度です」
生徒たちから「アメリカの方がいい!」という声が起こります。
でも、そのせいで引き起こってしまった「リーマンショック」の説明がありました。

マネラボ編集部
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