家の買い換えの時にチェックしたい 「特定のマイホームを買い換えたときの特例」

木暮ゆい

2019.01.31.(木)

2019年1月1日現在、マイホームを売却した時には、条件にあえば「マイホームを売った時の5つの特例」のいずれかが適用されます。「特定のマイホーム(居住用財産)を買い換えたときの特例」もその中の一つです。

内容は、「2019年12月31日までに特定の要件にあるマイホームを買い換えた時に、税金支払いの繰延べができる」というものです。2019年12月31日までに自宅を買い換える予定があり、譲渡所得の金額が3,000万円を超える場合には一度検討した方がよい特例です。

1.買い換えるマイホーム(譲渡資産)の適用要件

「特定のマイホームを買い換えたときの特例」に当てはまるマイホーム(譲渡資産)の適用要件は以下になります。

(1) 物件の譲渡した年の1月1日における所有期間が居住用家屋とその敷地のいずれもが10年を超えていること

(2)居住期間が10年以上であること

(3)平成31年12月31日までに譲渡したものであること

(4)資産の譲渡にかかる対価の額が1億円を超えないこと
(譲渡年とその前年、前々年、もしくは翌年、翌々年に譲渡資産と一体として居住の用に供されていた家屋とその敷地の譲渡をした場合には、それらの合計額が1億円を超える時は適用不可。譲渡には贈与を含み、収用交換等は除く)

2.購入するマイホーム(譲受資産)の適用要件

購入するマイホーム(譲受資産)の適用要件は以下になります。

(1) 家屋の居住用部分の床面積(登記記録の面積)が50平方メートル以上であること

(2)(1)の家屋の敷地面積が500平方メートル以下であること

(3)家屋が既存の建築物である場合には次のいずれかに該当すること
①家屋が既存の建築物である場合には取得の日以前25年以内に建築されたもの
②建築基準法施行令第3章及び第5章の4の規定又は地震に対する安全性に係る基準に適合することが証明されたもの(耐震基準適合証書などの証明書類の添付)

(4)買い換え資産(居住用財産)は譲渡した年の前年、譲渡した年又はその翌年末までに取得すること(ただし、特定非常災害の指定を受けた災害の場合は例外あり)

(5)譲渡した年又はその前年に取得した買換資産は譲渡年の翌年末までに、譲渡年の翌年中に取得したものは、取得年の翌年末までに居住すること

その外にも、「譲渡資産の譲受者は配偶者や直系血族、生計を一にする親族、その他特殊関係者ではないこと」、「その居住用財産の譲渡があった年の前年分又は前々年分において居住用財産の課税の特例の適用を受けていないこと」など細かな要件がありますが、大まかな要件は上記のとおりです。

3.田口さん一家のマイホーム買い換えをシミュレーション

今回は、田口さんのマイホーム買い換えの場合の税額を計算しました。

田口さんは2019年1月20日に都心の戸建てを売却、新しく郊外に戸建てを購入しました。2019年3月1日より新居に居住予定です。

「特定のマイホームの買い換えの特例」の場合、税額は長期譲渡所得の一般税率が適用されます。2019年1月1日現在、税率は所得税15.315%、住民税5%の合計20.315%です(復興税含む)。

(1)売る家(譲渡資産)

居住期間18年 譲渡対価7,500万円 取得費2,000万円(減価償却後)
譲渡費用400万円

(2)買う家(譲受資産)

家屋総面積90平方メートル、敷地面積110平方メートルの新築戸建て
取得価額4,500万円

(3)【特定のマイホームの買い換えの特例の場合】

①計算
収入金額
7,500万円(譲渡対価)-4,500万円(譲受資産取得価額)=3,000万円(収入金額)
必要経費
(2,000万円(取得費)+400万円(譲渡費用))×3,000万円/7,500万円=960万円
3,000万円(収入金額)-960万円(必要経費)=2,040万円(譲渡所得金額)

②税額
2,040万円×20.315%≒414.43万円

(4)【3,000万円特別控除、軽減税率の特例】

①計算
7,500万円(譲渡対価)-(2,000万円(取得費)+400万円(譲渡費用))=5,100万円(譲渡所得金額)
5,100万円-3,000万円=2,100万円(控除後の金額)

②税額
2,100万円×14.21%≒298.41万円

計算方法のイメージがおつかみいただけたでしょうか。この場合は買い換えの特例よりも3,000万円特別控除と軽減税率の適用を受けた方の税額が低い結果になりました。

4.法改正により対象が広がった「特定のマイホームの買い換えの特例」

この「特定のマイホームの買い換えの特例」は他の「マイホームを売った時の5つの特例」である「居住財産の3,000万円特別控除の特例」や「軽減税率の特例」とは併用ができない、「住宅ローン控除」を受けることができないなど色々な制約があります。しかし、平成30年法改正により2019年12月31日まで期間が延長され、経過年数等要件を満たさない非耐火既存住宅を取得した場合でも改修などの条件によっては対象になるなど条件が緩和されていたため、この特例が適用になるケースも多くなったのではないでしょうか。

ただし、住宅取得や売却の税制は、経済情勢などに応じて頻繁に法改正になる部分です。国税庁のサイトは別ですが、ネットでも時々法改正前の間違った情報が掲載されているサイトもあります。
自分の自宅の売却が適用になるかどうかについては、必ず税理士などの専門家に相談するようにしてください。

知らないと損する「マイホーム購入」7つのメソッド

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木暮ゆい

株主優待中心の日本株、海外高配当株、債券、投資信託、純金、プラチナ、銀積立、ソーシャルレンディング等に投資中のライター。最近では優待クロスでの株主優待品を取得と、ふるさと納税に夢中です。

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