「ひふみ投信」はどこに投資しているのか

伊藤英佑

2018.12.25.(火)

独立系投資信託「ひふみ」を運用するレオス・キャピタルワークスが新規上場予定でしたが、延期となりました。主幹事会社のみずほ証券からの延期要請を受けた形となっていますが、現状では詳細はあきらかになっていません。ここで、人気の投資信託「ひふみ」についておさらいしてみましょう、

 

「ひふみ投信」(直販)、「ひふみプラス」(証券会社経由)という投資信託を運用しており、「ひふみ」は多くの個人投資家から人気を集め、運用残高は2018年9月末時点で8,422億円もの大きな規模となっています。2017年2月にカンブリア宮殿に取り上げられた時期を契機に人気に火が付いたようですが、2017年3月末では運用資産1,902億円だったので、1年半の間に運用資産が4倍にまで膨れ上がっていることになります。

レオス・キャピタルワークスという会社の業績は「ひふみ」の運用残高に応じて徴収する運用報酬によるところになりますが、ここでは、「ひふみ」の運用内容について見てみたいと思います。

2017年までの全ての年でTOPIX(配当込)に勝利

「ひふみ」は2008年2月にスタートしました。約11年間の運用実績があるわけですが、2008年から2017年まで全ての年でTOPIXを上回る運用成績を上げています。資産運用の世界では、指数平均であるインデックス(日本の株式市場を代表する指数で言うTOPIX)を継続的に上回ることはプロのファンドマネージャーでも困難であると言われていますが、実績を見る限りでは大変素晴らしい結果を残していることが窺えます。

ただ、足元の2018年は年初から9.1%のマイナスになっており、TOPIXのマイナス6.4%よりも大きな下落率になってしまっているようです。

(レオス・キャピタルワークス月次運用報告書2018年11月度より)

基準価額は2018年12月14日時点で44,275円。当初10,000円でスタートしたものが4.4倍に成長しました。2018年は年初に55,000円近くまで上昇した後に足元では下落に転じています。

(モーニングスターより)

「ひふみ」の投資先は?

「ひふみ」を運用するレオス・キャピタルワークスのホームページでは個人投資家向けに積極的に情報開示や情報発信をしています。

月次運用報告書で過去の投資上位10社を見てみると以下のようになっています。投資先の上位10社は毎年ほとんどが入れ替わっていますが、近年では投資先1位でも概ね全体の2%以下となっていますので、上位10社の影響は全体の2割未満ですので、上位10社の顔ぶれだけで全体を評価すべきではないでしょう。月次運用報告書ほどタイムリーではありませんが、法定書類の運用報告書等では全投資先が確認できます。

運用規模の増加とともに、組入銘柄数は毎年増加させています。組入れ比率は、2015年12月のダブルスコープ4.06%、2016年12月のあいホールディングス2.7%であったのに対し、2017年12月のSGホールディングス2.0%、2018年11月共立メンテナンス1.9%となっています。運用規模の増加とともに、組入銘柄のハードルや、より自信のある投資先への投資比率を下げざるを得ないようにはなっているのかもしれません。

また、運用資産額が急激に増えていった2017年から2018年にかけて、米国株式への投資比率を上げており、2018年11月では全体の約10%が米国企業です。2018年11月では上位10社に米国企業はいませんが、2018年6月では、アマゾン、VISA、マイクロソフトが上位10社内にランクインしています。直近の運用報告書では、2018年10月1日時点で、他に、フェイスブック、セールスフォース、ネットフリックス、アリババ、テンセントなどの米中有力IT企業へ投資していることが分かります。投資先の面々の中でアルファベット(グーグル)には投資していないのは興味深いところです。

「ひふみ」はもともと中小型株式の日本企業の成長性を見抜くのが優れているというのが評判でしたが、運用規模の増加に応じて運用スタイルを変化させていることが分かります。

レオス・キャピタルワークスの代表取締役兼最高投資責任者で凄腕ファンドマネージャーと評される藤野英人氏は運用資産額を向こう10年で10倍にしたいという意気込みを語っています。ホームページでは藤野氏をはじめ10名の運用チームメンバーを紹介しており、運用体制も整えているようです。運用スタイルを進化させ、日本を代表する個人投資家向けの独立系投信がどうなっていくか、注目です。

「ひふみ」の投資先の推移

2018年11月末上位

*組入銘柄数 231
*東証一部 80.6%、大型株(時価総額3,000億円以上)42.0%、中型株(時価総額300~3,000億円)49.2%
*海外株式比率 10.7%

2017年12月末

*組入銘柄数 207
*東証一部 83.8%、大型株(時価総額3,000億円以上)36.4%、中型株(時価総額300~3,000億円)51.3%
*海外株式比率 2.5%

2016年12月末

*組入銘柄数 133
*東証一部 84.3%、2016年12月以前は月次報告書で大型株等の比率の開示なし
*海外株式比率 0.0%

2015年12月末

*組入銘柄数 117
*東証一部 84.3%
*海外株式比率 0.0%

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伊藤英佑

伊藤会計事務所代表/早稲田大学政治経済学部卒。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了、AFP(ファイナンシャルプランナー)保有。 大手監査法人を経て、2005年 伊藤会計事務所開業(現任)、ベンチャー企業の支援業務及び資産管理サービスを行う。複数のベンチャー企業の非常勤・社外役員も歴任。資本政策、IPO、M&Aに強い。資産管理サービスは、相続税・法人税・所得税等の税金対策及び税務申告、資産活用全般やライフプラン向上を見据えた総合的なコンサルティングやフィナンシャルサービス等を個人・法人へ提供している。 長期分散投資を志向した資産運用も自ら行っており長年の経験がある。https://cl-souzoku-tokyo.com/

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