【住宅ローンの一部繰り上げ返済】期間短縮か月々の返済減、どちらがお得か

木暮ゆい

2018.11.12.(月)

日本経済新聞の報道によると、2019年10月の消費税増税にあたり、政府は平成33年12月末までの予定だった住宅ローン減税を1~5年延長する方向性に入ったようです。消費税増税後の消費の落ち込み、生活コストの負担などを考えて、住宅ローンの繰り上げ返済を考えていらっしゃる方も多いでしょう。今回は鈴木さん(仮名)一家の例を見て考えてみましょう。

住宅ローンの繰り上げ返済を考えたときに選ぶこと

鈴木さん(仮名)は、50代近くです。子どもたちも大学を卒業して就職し、学費の負担がなくなり、生活にゆとりがでてきました。そこで思い立ったのが「住宅ローンの一部繰り上げ返済」

鈴木さんが住宅ローンを組んだ平成10年頃、旧住宅金融公庫の基準金利は3%でした。鈴木さんは大手都市銀行で35年ローン、変動金利、元金均等で借り入れているため、現在金利は安くなっています。でもこの金利もいつまで続くかわかりません。鈴木さん住宅ローンの住宅ローンの残りはあと15年、ちょうど定年を迎えるころに完済です。

それまで「住宅ローンの一部繰り上げ返済は、ただ借入金融機関に連絡して返済すれば大丈夫。そうすれば借入金の総額が減るだろう」と単純に考えていた鈴木さんですが、いろいろと調べていくうちに「そうではない」ことに気づきました。

どちらが得か 住宅ローンの繰り上げ返済

住宅ローンの繰り上げ返済は、ただまとめて返済をすればよいものではありません。住宅ローンの返済には実は2通りあるのです。

月々の返済額が減らせる 返済額軽減型

まずは、「返済額軽減型」です。これは月々の返済額を減らすことができるという繰り上げ返済です。月々の負担が軽くなるため、一見返済額が減ったように見えるかもしれません。ただし、返済期間の短縮はありません。月々の返済額は減りますが総返済額は次に述べる期間短縮型よりは減らせません。

月々の負担が減るため、これから子どもの教育費の捻出が必要だったり、収入の減少が予測されるなど、月々の返済金額を減らしたい人にはおすすめの返済方法です。

返済総額が減らせる 期間短縮型

月々の返済額は変わらないので、一見してその効果がわかりにくい繰り上げ返済方法です。

実は総返済額が安くなります。このタイプの一部繰り上げ返済を選択すると、住宅ローンの返済期間が短くなり、この期間が短縮された分の利息と総支払額が軽減されます

欠点は、一部繰り上げ返済のおかげで返済期間が10年未満となった場合、住宅ローン控除が適用外となることです。また、月々の返済額は変わらないため、これから世帯収入が減ると予測される場合にはおすすめができません。

手数料も考慮したい 繰り上げ返済

借入先金融機関によって異なりますが、住宅ローンの一部繰り上げ返済には手数料がかかることがあります。今ではウェブで手続をするとほとんど無料です。ただし、窓口での返済は有料になることがほとんどです。例えば大手都銀の三菱UFJ銀行の場合、ウェブサイトでの手数料は無料、電話とテレビ窓口では5,400円、窓口では16,200円です。消費税手数料込みなので、消費税増税後はこの手数料が消費税分あがるということです。

また、借入先金融機関だけではなく、保証会社に対する事務手数料も必要です。

これもウェブ手続では無料のところもありますが、窓口では有料の場合があります。

一部繰り上げ返済ではなく全部返済の場合、より多額の手数料が必要です。この手数料を支払ってもお得かどうか、残債、金利なども考慮して判断することが必要です。

ライフプランで考える 繰り上げ返済住宅ローン

元金均等型35年ローンで借入を行っていた鈴木さんは、妻とも相談し、「期間短縮型」を選択し一部繰り上げ返済を行いました。子どもの教育資金の出費がなくなったこと、返済期間をなるべく短縮して返済総額を減らし、老後資金を少しでも多くしたいという意向からです。ウェブからすべて手続を行い、事務手数料を節約したことは言うまでもありません。

鈴木さんの場合は、住宅ローンの控除もなく、返済期間を短縮したほうがお得だったので期間短縮型にはよる繰り上げ返済を選択したのですが、すべての人にとって「期間短縮型」が最適かというとそうではありません。

まずは、自分の住宅ローンが元利均等型か元金均等型か確認し、今後の家族構成の変化、予想される出費など世帯のライフプランをよく把握すること。そして残債を確認し、事務手数料や住宅ローン控除のこともよく検討することが必要です。何か急な出費が発生するかもしれないので、ゆとり資金すべてを住宅ローン返済にすることはおすすめできません。

消費税増税が差し迫った今、資金に余裕があるならば住宅ローンの繰り上げ返済を考えてみるのはいかがでしょうか?気になる方は、借入先金融機関や専門家に相談してみましょう。

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木暮ゆい

株主優待中心の日本株、海外高配当株、債券、投資信託、純金、プラチナ、銀積立、ソーシャルレンディング等に投資中のライター。最近では優待クロスでの株主優待品を取得と、ふるさと納税に夢中です。

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