医療保険をご検討中の皆さん、医療保険とはこんな保険ですよ!~保険外診療について~

添田享

2018.11.05.(月)

前回は日本の健康保険組合の給付、および、医療費が高額となっても高額療養費という給付でカバーされることをご説明させて頂きました。今回は、健康保険における「保険外診療」についてお話しさせて頂きます。

まず「保険診療」と「保険外診療」という言葉からご説明させて頂きます。

「保険診療」とは健康保険が適用される診療のことを言い、また「保険外診療」とは、健康保険が適用されない診療のことを言います。

通常の通院などでは「保険診療」となりますが、「保険外診療」の代表的なものとしては、国内未承認の抗がん剤による治療が挙げられます。実はこの未承認の抗がん剤による治療は多く、がん罹患者の40%以上で未承認の抗がん剤が使われているという統計があります*。

参考:厚生労働省「治験実施状況及び未承認薬使用状況についての調査」

また、生涯に2人に1人はがんに罹患すると言われている時代ですので、それだけ多くの人が保険外診療を受けることがわかります。

また、差額ベッド代についても同様に保険適用外であり、こちらも原則100%自己負担となります。

加えて、この話を複雑にさせているところは、原則、保険診療と保険外診療の併用は禁止されており、併用した場合には全体を保険外診療と整理されてしまうことです。よって、その場合、本来は保険診療の部分についても100%自己負担となってしまいます。

ちなみに、このような併用が禁止されている理由としては、

・患者が希望していないにも関わらず保険外診療が行われてしまうと必要以上に患者の負担が大きくなってしまうため
・安全性や有効性などが確認されていない医療が必要以上に実施されてしまう恐れがあるため

の2つと言われています。

ただ、一部では保険診療と保険外診療の併用が認められており、これには「評価療養」と「選定療養」の2つがあります。

「評価療養」とは、保険給付の対象とすべきものか否かについて評価を行うことが必要であるもののことを言い、「選定療養」とは、保険外診療のうち患者が選定するもののことを言います。

以下の表は、具体的にどのようなものが「評価療養」「選定療養」に該当するかをまとめたものです。

参照:厚生労働省「保険診療と保険外診療の併用について」

例えば、差額ベッド代は、上表の「特別の療養環境(差額ベッド)」であることから「選定療養」となり、保険療養と保険外療養の併用が認められています。

一方、国内未承認の抗がん剤による治療は「評価療養」にも「選定療養」にも入っておらず、こちらについては、保険療養と保険外療養の併用が認められないことがわかります。

このような保険外診療は100%自己負担となるため、医療保険を活用するという選択肢が出てくるわけです。

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【前回の記事はこちら】
医療保険をご検討中の皆さん、医療保険とはこんな保険ですよ!~健康保険制度とは~

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添田享

日本アクチュアリー会正会員、日本証券アナリスト協会検定会員。1級DCプランナー。アクチュアリー・ゼミナール講師。大学、大学院で数学を専攻し、大学院修了後、アクチュアリー候補生として信託銀行に入行。その後、証券会社、生命保険会社などで一貫してアクチュアリー業務に従事。
アクチュアリーの中でも、生保アクチュアリー、年金アクチュアリー双方で業務経験が豊富である数少ないアクチュアリー。現在は、アクチュアリーの業務経験を活かして、アクチュアリー試験などの金融関連資格の講師、数学の講師など幅広い分野で活躍。

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