三大疾病保障は必要か?年齢層別入院日数で比較!

末永健

2018.09.26.(水)

【2019.12.24.(水)にアップデートした記事です】

今回は三大疾病保障は必要なのかどうか、厚生労働省発表の実際の入院期間の資料を元に検証していきたいと思います。

ガン・脳卒中・急性心筋梗塞による働き盛りの入院期間の実態を検証

厚生労働省が発表している患者調査概要で【傷病分類別にみた年齢階級別退院患者の平均在院日数】 という資料があります。

この資料はわかりやすい言葉で言いますと【病気別の年齢ごとの平均入院期間の日数】ということで、何の病気で何日間入院したかが年齢層ごとに分かるという資料です。

この平成29年の資料によれば、【精神及び行動の障害】や【認知症】などの長期入院も含む全傷病・全年齢層の平均入院日数は29.3日間で、およそ1ヶ月間の入院が平均値だそうです。

この中で一般的に重病と言われるガン・脳卒中・急性心筋梗塞の三大疾病を働き盛りの年齢にフォーカスして見てみましょう。

・三大疾病で入院した人の年齢別平均入院日数             (単位:日)

厚生労働省資料「平成29年9月傷病分類別にみた年齢階級別退院患者の平均在院日数」より三大疾病を抜粋してわかりやすいように筆者編集作成
注:1)平成29年9月1日~30日に退院した者を対象とした。
2)総数には、年齢不詳を含む。

三大疾病による働き盛りの人の入院日数は10日間〜1ヶ月半くらいが平均!?

上の表を参照しながら解説します。

心疾患、つまり心筋梗塞での入院期間は平均19.3日。年齢別で見ますと15~34歳で10.0日。35~64歳で9.0日。

65歳以上でも22.2日で退院しているのがわかります。心筋梗塞で高血圧性の傷病でもさほど変わりません。65歳以上で2ヶ月に満たない入院日数です。続いて脳卒中、つまり脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患は平均78.2日。

やはり脳卒中は入院期間が長いじゃないかと思われるかもしれませんが、これを働き盛りにフォーカスして見ると15~34歳が25.6日。

35~64歳でも45.6日の1ヶ月半くらいの入院期間です。

65歳以上が98.9日と、100日に近いため平均値を引き上げているわけですが、働き盛りの年齢であれば入院期間としては2ヶ月にも満たないことがわかります。最後に悪性新生物のガンに関しても平均で17.1日です。

15〜34歳では15.9日、35〜64歳では13日となっています。

こうして見ると働き盛りの年齢層では、三大疾病による入院日数は10日前後から長くて1ヶ月半くらいが平均ということです。

意外に入院日数が短いことがわかります。

三大疾病保険って?

ざっくり言うと、「がん(悪性新生物)」「急性心筋梗塞」「脳卒中」のいずれかに罹患し、特定の状態になった場合に、一時金として「三大疾病給付金」が支払われ、治療費に充てることができるという保険です。三大疾病は日本人の死因の約4割を占めることや、罹患すれば入院が長引いたり、継続治療が必要となる場合も多く、高額の医療費がかかること、生活への支障などに備えることを目的としている保険です。

加入している人が死亡した場合には、死因が三大疾病でない場合にも死亡保険金が支払われます。 この保険の特徴を整理すると、 ・三大疾病による死亡が多いから、三大疾病への死亡に備える ・三大疾病に罹患したときの医療費に備える ということがこの保険の二大目的でしょう。

脳卒中・急性心筋梗塞の給付金支払い条件は厳しい

ところで、保険会社から保険加入時に渡される約款をご覧になったことはあるでしょうか?

実に小さな文字で難しいことがたくさん書かれている約款。おそらく読まれたことのある方は少ないかと思いますが、三大疾病に対する給付金が支払われる場合の条件は、脳卒中や急性心筋梗塞は60日以上の言語障害、あるいは後遺症がある場合や60日以上のまともに働く事が出来ない状態であるという支払条件が書かれている医療保険があります。

「あれ?」ですよね

もしあなたが契約している三大疾病保障の約款にそう書かれているのであれば、三大疾病のうち脳卒中や急性心筋梗塞になった場合は60日以上の後遺症がないと三大疾病の保障は受け取れないということになります。

あなたに三大疾病保障を勧めたセールスレディーや保険販売員はちゃんとそのことを詳しく説明してくれましたか?

もしそうでなければ確認しておきましょう。このようにせっかく加入していても実際はなかなか保険給付金が支払われない条件になっているわけです。

国民健康保険・会社の健康保険を利用すれば必要以上に心配する必要はない

今は保険会社が提供している商品も様々で、基本保障に三大疾病が含まれている医療保険も多くありますし、逆に特約として付加するか選択できる医療保険もあります。

以上の入院日数の実態を見てみると、今から医療保険に加入されるのであれば、基本保障に三大疾病が含まれているものに加入する必要性はさほど感じられず、わざわざ三大疾病保障を特約として付加する必要性もないと思われます。

当然ながら、保障の範囲が増えれば増えるほど保険料は上がり、それだけ毎月の保険料は高くなるわけですからね。いざ三大疾病になった場合でも国民健康保険や会社の健康保険に加入していれば高額療養費制度が使えます。

くも膜下出血になった場合でも手術を2回して入院が48日間、医療費が高額療養費制度を利用して30万円かからなかったという50歳の方の事例も以前のコラムでご紹介しました。

30万円なら貯蓄からまかなえるレベルです。

【関連記事はこちら】
50歳からの手術・入院費用、民間の医療保険に入らずに備えるには?

日本人の三大死因は三大疾病というけれど

三大疾病は病気のなかでも重度が高いものではありますが、そう考えると、三大疾病保障にわざわざ加入する必要性はないと言ってもよいでしょう。

どうしても加入しておきたい場合は、割戻金があって結果的に保険料が割安な都道府県民共済で十分でしょう。ガンが心配な方は今は通院治療の方が主流となっているため、ガン保険単品で用意しておく方法もあります。

よろしければ今回お伝えした情報のことを参考にしていただいて、あなたにとってベストな備えを準備いただければと思います。保険会社の言いなりにならず、しっかり相談しながら契約するようにしてください。

100万円の差がつく、賢い保険の入り方とは

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末永健

家計の学校S.H.E代表。2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP認定者。主婦層を中心に、家計の管理・節約と保険の見直し方・選択法の情報発信に特化した完全独立系ファイナンシャルプランナー。【A-LIP式必要保障額計算メソッド®(商標登録)】を考案。保険商品を販売しないFPとして、ネット上のみで真の情報を配信する異色のFP。著書に「書けばわかる!わが家にピッタリな保険の選び方」(翔泳社)がある。

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