アクチュアリーが解説!「保証期間付終身年金」メリットとは?

添田享

2018.08.20.(月)

前回は、年金の受け取り方は基本的に3通りに区分できることについてご説明しました。今回は、それらをミックスした受け取り方についてご説明致します。

前回では、年金の受け取り方は

①生命年金かつ有期年金
②生命年金かつ終身年金(一般的に、単なる「終身年金」)
③確定年金かつ有期年金(一般的に、単なる「確定年金」)

に分けることができることをご説明致しました。

①の年金はあまり使われることはないので、ここでは割愛します。
②の年金は生存している限り年金を受け取れる一方、年齢が高くならないうちに亡くなる場合は受取総額が少なくなります。年金の支給開始年齢まで保険料を払ってきながら、年金の受取総額がごくわずかになる恐れがあります。

また、③の年金については、年齢が高くならないうちに亡くなってもそうでなくても、年金の受取総額は変わりませんが、年金の支払期間が終了してしまうと、生存していても年金を受け取ることができません。すなわち、このタイプは長生きリスクに対応できるものではないわけです。

では、長生きリスクに備えたい、でも、早く亡くなってしまった場合にもある程度の受取総額がほしい、とお考えの方には「保証期間付終身年金」というものがあります。

「保証期間」というのは、生死にかかわらず年金を受け取れる期間です。
例えば、65歳支給開始15年保証期間付終身年金というのは、65歳から15年間、すなわち80歳までは、生存していてもしていなくても年金を受け取れることができ、それ以降は生存している限り年金を受け取れるものです。このタイプは先述の②と③をミックスしたもので、それぞれのリスクを低減することができるわけです。

これを組み合わせることで、保証期間を長くする(例えば30年など)ことで、理論上、支払った保険料の総額が、保証期間内での年金の受取総額と同水準にすることが可能です。これは、支払った保険料は運用されて利息が付きますので、年金の支払原資が支払った保険料総額より大きくなるためです。

ただ、近年、国債の利回りは非常に低い水準で推移していることもあり、国債を中心とした債券運用がメインの保険会社などではその利息が低い水準となっており、このようなタイプの年金商品を作るのが非常に難しくなっています。

そう考えると、年金保険も含めて、保険商品の優劣はその時点の金利に依ってしまいますので、今は加入に慎重にならざるを得ないかもしれません。ただ、もちろん、老後への備えは必要ではありますので、このような低金利時代に老後への備えをどのようにすべきか、という議論が必要なわけですね。

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【前回の記事はこちら】
確定年金、有期年金、終身年金。それぞれの違いとは?

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添田享

日本アクチュアリー会正会員、日本証券アナリスト協会検定会員。1級DCプランナー。アクチュアリー・ゼミナール講師。大学、大学院で数学を専攻し、大学院修了後、アクチュアリー候補生として信託銀行に入行。その後、証券会社、生命保険会社などで一貫してアクチュアリー業務に従事。
アクチュアリーの中でも、生保アクチュアリー、年金アクチュアリー双方で業務経験が豊富である数少ないアクチュアリー。現在は、アクチュアリーの業務経験を活かして、アクチュアリー試験などの金融関連資格の講師、数学の講師など幅広い分野で活躍。

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