IPO企業・マザーズ時価総額上位企業をウォッチング!

伊藤英佑

2018.08.18.(土)

IPOマーケットや成長企業について見て行きたいと思います。

新規上場社数はリーマンショック後に急激に落ち込みましたが、アベノミクス以降で復調していき、ここ数年は毎年100社弱が上場しています。

2017年は90社(うちマザーズ49社)、2018年上期(1~6月)は36社(うちマザーズ26社)がIPOしています。IPO社数の半分超はマザーズ市場への上場ですが、マザーズは比較的社歴も若い成長中のベンチャー企業が中心です。

IPOと言うと、IPO抽選の当落や初値がニュースになりがちですが、長期的に大きく飛躍していくことが期待できるベンチャー企業たちがたくさんいますので、新規上場時だけでなく、上場後も継続的に見て行くことも面白みは大きいかと思います。

インターネットやテクノロジーの活用により新規の市場創出やシェアリングエコノミーの普及拡大などをはじめ既存業界を置き替えていくビジネスモデルの会社(メルカリ、ラクスル、マネーフォワードなど)や、近似は人工知能や自動化といった次世代技術を扱う企業(PKSHA Technology、HEROZ、RPAホールディングスなど)が大きく市場から評価をされています。

2018年で最も話題をさらったのはフリマアプリのメルカリ(4385)です。公開価格3,000円に対して一貫して公開価格を上回り、上場初値は5,000円から一時6,000円まで株価が上昇した後は少し落ち着き、その後は8月上旬時点で4,000円~5,000円の株価で推移、時価総額で6,000億円を超えて推移しています。

IPO時に2018年6月期売上予想は358億円で対前年比成長率は+62%、利益予想は非開示ですが海外事業等への先行投資で赤字でありながら、PSR(株価売上高倍率)で18倍前後ですから、かなりの成長期待が折り込まれています。8月9日に2018年6月期の決算発表を行い2018年6月期売上は357億円でIPO時の業績予想通りに着地しています。

2019年6月期の売上・利益の業績予想は非開示になっています。「日本国内における「メルカリ」の安定的かつ継続的な成長を軸に、更なる企業価値の向上に向けて、グローバル展開や新規事業の創出を積極的に推進していく方針です。安定した収益基盤である日本のメルカリ事業に比べ、海外事業や新規事業は投資フェーズにあります。

これらの戦略的な投資により、短期的な連結営業損益・純損益における損失額が拡大する可能性があり、連結業績を見通すことが困難なため、予想の公表を控えております。規律のある戦略投資を行うことで、中長期での事業成長を重要視した経営を行ってまいります。」とIR資料で説明がされています。

(メルカリ 3ヶ月チャート/ヤフーファイナンスより)

メルカリがIPOして一躍マザーズの時価総額トップの企業になっていますが、マザーズの時価総額2位は2018年7月10日にIPOしたMTG(7806)です。公開価格は5,800円で、上場後の約1ヶ月は7,000円~8,000円の株価で推移、時価総額は3,000億円前後です。2018年のIPOで、マザーズの時価総額トップ1、2位が置き換わった格好となっています。

MTGは、本社は名古屋(東京支社は八重洲)で、美容機器のリファや、健康機器のシックスパッドなどや、MDNA SKINといった化粧品等の販売をしている会社で、歌手のマドンナさんやサッカー選手のクリスティナード・ロナウド選手といった大物タレントをCMに活用し、27,000株と時価20億円弱ものの巨額のストックオプションを付与していることでも話題です。MTGは自社を「クリエイション」「テクノロジー」「ブランディング」「マーケティング」という4つのファクターを融合することでブランドを創出する「ブランド開発カンパニー」と謳っています。

2018年9月期予想では、売上600億円(対前期比32%増)、営業利益75億円(対前期比30%増)、当期純利益55億円(対前期比28%増)です。上場市場はマザーズですが既に大きな事業規模を誇っており、独自でユニークな商品とプロモーション手法による成長性が期待され、PERで46倍程度という市場評価がされています。

(MTG 3ヶ月チャート/ヤフーファイナンスより)

なお、マザーズの時価総額3位ミクシィ(2121)で時価総額は約2200億円。SNSのmixiが上場時の主力事業でしたが、現在は主力ゲーム「モンスターストライク」が大きく業績を牽引しています。2018年3月期は売上1,890億円、営業利益723億円、当期純利益418億円です。「モンスターストライク」が一服し、2019年3月期予想は売上1,750億円、営業利益480億円、当期純利益310億円で、PERは約7倍となっています。

マザーズの時価総額4位CYBERDYNE(サイバーダイン)(7779)で時価総額は約1700億円。筑波大学の山海教授が立ち上げて大学発ベンチャーで、人が体を動かそうとする時に脳から神経を通じて筋肉に信号が流れ、その際に体表に漏れ出る微弱な「生体電位信号」をキャッチし、医療・介護・福祉、重作業、エンターテイメント等で人間の動きをサポートする医療・介護機器であるロボットスーツHALを開発・販売しています。

2018年3月期の業績は売上17億円(対前期4%増)、営業損失は6億円の赤字ですが、上場後のファイナンスに伴い現預金・定期預金で300億円超のキャッシュを保有していますので、当面の財務上の問題はないでしょう。

また、山海社長が普通株式の10倍の議決権を有するB種類株式を保有し、議決権ベースでは会社の圧倒的支配権を有しています。米国ではGoogleやFacebookといった巨大IT企業で稀に見られるスキームで、日本では他に例がないですが、会社が買収等され軍事転用されないようにするためという特別な配慮により認められたものとなっています。時価総額を見る限り、高い独自性のあるHALに今後大きな期待を市場が寄せていることが分かります。

マザーズの時価総額5位以降はPKSHA Technology、サンバイオ、ジャパンインベストメントアドバイザー、ティーケーピー、そーせいグループなどが続き、10社弱が時価総額1000億円を超える企業となっています。

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伊藤英佑

伊藤会計事務所代表/早稲田大学政治経済学部卒。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了、AFP(ファイナンシャルプランナー)保有。 大手監査法人を経て、2005年 伊藤会計事務所開業(現任)、ベンチャー企業の支援業務及び資産管理サービスを行う。複数のベンチャー企業の非常勤・社外役員も歴任。資本政策、IPO、M&Aに強い。資産管理サービスは、相続税・法人税・所得税等の税金対策及び税務申告、資産活用全般やライフプラン向上を見据えた総合的なコンサルティングやフィナンシャルサービス等を個人・法人へ提供している。 長期分散投資を志向した資産運用も自ら行っており長年の経験がある。https://cl-souzoku-tokyo.com/

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