「企業年金連合会」あなたも年金がもらえるかも?

添田享

2018.06.05.(火)

今回からは、企業年金連合会についてお話しさせて頂きたいと思います。

もしかしたら、読者の方が企業年金連合会から年金を受け取れるかもしれないためです。

企業年金連合会

「企業年金連合会」は、昭和42年に厚生年金保険法に基づき厚生年金基金の連合体として設立され、平成16年の法改正により企業年金連合会となっています。もともとは、企業年金の1つである「厚生年金基金」の連合体だったわけですね。では、なぜそのような連合体ができたのでしょうか。それを理解するためには、厚生年金基金についてご説明する必要があります。

厚生年金基金とは、先ほど申したとおり企業年金の1つであり、公的年金である「厚生年金」とは異なります。ただ、他の企業年金と大きく異なるところは、老齢厚生年金 (報酬比例部分)のうち、厚生年金基金の加入員期間にかかる部分の年金給付を国に代わって行うところです(この部分を代行部分といいます)。そのため、このような名前となっております。

この国に代わって給付を行う代行部分に、厚生年金基金による上乗せ給付を乗せた部分を「基本部分」、厚生年金基金独自の給付の部分を「加算部分」と言います。

以前は企業年金というと厚生年金基金と適格退職年金でしたが、適格退職年金は廃止され、また、2013年の法改正により厚生年金基金の新設は認められなくなっており、現在は確定給付企業年金と確定拠出年金(企業型)が主流となっております。

さて、厚生年金基金に話は戻りますが、基本部分は加入員期間が1カ月でもあれば年金の給付が発生します。しかし、加入員期間が短い場合は小額の年金が支給されることになり、年金額よりも支払いコストの方が高くなったりして非常に非効率的です。

また、その人が、次の会社も短期間で退職して、そこでも厚生年金基金がある場合は同様の問題が発生するわけです。

また、生命保険や公的年金と同様に、企業年金においても、年金を受け取るためには「請求」が必要です。支給開始年齢に到達すれば、自動的に企業年金が年金を支給してくれるわけではありません。そうすると、このような短期間で退職した人は、支給開始年齢に到達した場合、過去に加入していたすべての厚生年金基金に年金の請求をする必要があり、非常に手間がかかってしまうわけです。

そこで、短期間で退職したりなどして厚生年金基金の加入員期間が短い者への給付の義務を、各厚生年金基金から厚生年金基金連合会へ引き継ぎ、厚生年金基金連合会がその者へ一括して支給します。そうすれば、厚生年金基金もそのような加入員期間の短かった者への支給をする必要がなくなり、加入員であった者もすべての厚生年金基金に請求する必要がなく、厚生年金基金連合会に請求するだけで済むわけです。

厚生年金基金連合会はこのような業務を行っており、現在は名称を変えて企業年金連合会となっています。

次回は、企業年金連合会から年金を受け取れるかもしれないのに、そのことを忘れている可能性があることについてお話しさせて頂きます。

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【前回の記事はこちら】
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添田享

日本アクチュアリー会正会員、日本証券アナリスト協会検定会員。1級DCプランナー。アクチュアリー・ゼミナール講師。大学、大学院で数学を専攻し、大学院修了後、アクチュアリー候補生として信託銀行に入行。その後、証券会社、生命保険会社などで一貫してアクチュアリー業務に従事。
アクチュアリーの中でも、生保アクチュアリー、年金アクチュアリー双方で業務経験が豊富である数少ないアクチュアリー。現在は、アクチュアリーの業務経験を活かして、アクチュアリー試験などの金融関連資格の講師、数学の講師など幅広い分野で活躍。

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