働くと老齢厚生年金が停止になってしまうことも。在職老齢年金とは?

浜田裕也

2018.05.23.(水)

「働いている間は老齢年金が出ないんでしょ? そんなのひどいですよ! 」実際の年金の相談現場では、このようにおっしゃる方が大勢いらっしゃいます。確かに条件を満たして働くと老齢厚生年金の一部または全部が停止になってしまうことがあります。

これを在職老齢年金といいます。「働くと年金は止まるの? 」というイメージがひとり歩きしてしまって、誤解されている方も多い在職老齢年金。どのような場合に在職老齢年金に当てはまってしまうのか? 解説をいたします。

働くと老齢年金はもらえなくなっちゃうの?

50代の方が老後の生活設計を立てるとき、将来いくらの年金がもらえるのか? 何歳くらいまで働く予定なのか? ということを最初に考える方は多いと思います。
現在は希望すれば65歳までの雇用は確保される状況になっているので、ほとんどの方は65歳までは働こうかな、という見通しを立てる方が多いと思います。中には70歳までは働く予定です、70歳以降も働きます、という方も増えてきました。60歳定年後も引き続き働く予定の方は、在職老齢年金というものがある、ということを知ったうえで、将来の生活設計を立ててほしいと思います。

在職老齢年金とは、簡単に言うと「一定の条件を満たして働くと、働いている間は老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金も含む)の一部または全部はもらえませんよ」というものです。ポイントは「一定の条件を満たして働く」という点です。定年後に働いたら誰でも年金停止になるということではない、ということです。それでは、その条件とは一体どのようなものなのでしょうか?

在職老齢年金に当てはまってしまう条件とは?

次の2つの条件を両方満たすと、在職老齢年金により年金の停止がかかってしまいます。「働いている間は老齢年金が出ないんでしょ? そんなのひどいですよ! 」実際の年金の相談現場では、このようにおっしゃる方が大勢いらっしゃいます。確かに条件を満たして働くと老齢厚生年金の一部または全部が停止になってしまうことがあります。これを在職老齢年金といいます。

「働くと年金は止まるの? 」というイメージがひとり歩きしてしまって、誤解されている方も多い在職老齢年金。

1.社会保険に加入して働くこと
2.給与や賞与が一定額を超えてしまうこと

それぞれ見ていきましょう。

1.社会保険に加入して働くこと

在職老齢年金の条件のひとつに「社会保険に加入して働く」というものがあります。社会保険とは、厚生年金保険と健康保険の2つがセットになった保険のことをいいます。なお、60歳定年後に働く方のすべてが社会保険に加入するのかというと、実はそうではありません。社会保険に加入するかどうかは、その人の働き方によって変わってくるからです。

例えば、継続雇用で働く場合はほとんどの方が社会保険に加入します。一方、パートやアルバイトで働く場合は、社会保険に加入しないケースがほとんどです。自営業で働く場合は、そもそも社会保険には加入しません。ここでいう社会保険に加入して働くとは、会社に勤める場合だけでなく共済組合等で共済の保険に加入して働く場合も含まれます。60歳定年後も働く場合、社会保険に加入するのかどうかは、雇用契約書などを見て必ず確認をしておきましょう。

2.給与や賞与が一定額を超えてしまうこと

社会保険に加入している方で「給与や賞与の額が一定額を超えてしまう」という条件も満たしてしまうと、年金の停止がかかるようになります。じゃあ、その一定額とはいくらなのか? と疑問に思われる方も多いと思います。実はこの給与や賞与の一定額は人によって違います、というのが答えになってしまいます。

在職老齢年金の計算では、その方の老齢厚生年金の金額と給与と賞与を全部考慮して年金の停止額を計算します。老齢厚生年金の金額は人それぞれで違うため、給与と賞与の一定額のラインは人によって違う、となってしまうのです。

ちなみに、在職老齢年金は自分で計算しない方がよいです。計算が少し複雑なため、自分で計算すると本来の在職老齢年金の金額とずれてしまうことが多く、将来の生活設計にも影響が出てしまうからです。在職老齢年金の金額は、お近くの年金事務所や各種共済組合に相談して確認するようにしてください。

まとめ

実際の相談現場で皆様のお話を伺っていると「出来るだけ長く働きたい」という方が増えている印象を受けます。

そのような方は、老齢年金をもらいながら働くと在職老齢年金に当てはまる可能性もあるということを念頭に置いて、将来の生活設計を立てていただきたいと思います。

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浜田裕也

社会保険労務士
ファイナンシャルプランナー
社会保険労務士会の業務委託で年金相談の実務にも携わるようになり、その相談件数は年間1,000件を超える。複雑な年金制度の解説や具体的な申請の仕方のアドバイスには定評がある。
日本でいちばん簡単な年金の本(洋泉社 第3章監修)
転職したり、フリーランスだったり、離婚を経験した人は知らないと損する、年金の話(SB新書 監修)がある。

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