アメリカ株式市場急落とPMIの関係性

角野實

2018.03.28.(水)

ここ連日、マーケットが急落をしています。テレビ、ネット、新聞などではさまざまな理由が言われていますが、わたしからいわせれば、見当違いの話ばかりです。たとえば、アメリカのトランプ大統領が世界に対して「貿易戦争を仕掛けたからだ」という意見が大勢を占めています。でも、考えてみてください。トランプ大統領は秋の中間選挙と、二年後の自分の再選を目指して、選挙に勝ちたいのです。そのときに株価が急落するということは、自分のクビを自分でしめているようなものです。中間選挙の勝利や、再選を目指したいのであれば株価を上げたほうが自身に有利になるのに、それに反する行動をとっているのです。

おそらく、みなさんは「貿易戦争」が今回の急落のきっかけだと考えていることでしょう。今回はその間違いを指摘していきましょう。

PMIという経済指標とは?

また、角野は、小難しい言葉ばかりを並べて、理解させないようにしているのに違いない、と思った人、見当違いです(笑)。マーケットの初心者にも誰よりもわかりやすい話をさせていただきますね。だから、しばらく我慢して読んでください。

PMIというのは、日本語で購買担当者指数と言います。かんたんに言えば、原料や商品の仕入れを行う人のことを「購買担当者」といいます。あなたの会社にも利益を得るためには、仕入れ担当は必ずいると思います。たとえば、スーパーであれば売れ行きをみて仕入れ担当者がその購入量、値段を決めます。その人たちは余計なものは仕入れませんし、できるだけ安く仕入れしようとするのは当たり前です。売れ行きを見ながら、その判断をしているのです。ですから、自分の会社が儲かっているのか、いないのかには非常に敏感なのです。

もっと、いえば日本や世界の景気には敏感なのです。景気が良ければ多めに仕入れをして、反対の場合は減らす、企業の中でも重要なポジションなのです。PMIはその購買担当者が景気は良いか、悪いかをどう感じているのかを0~100であらわす指数です。平均が50、50より上であれば良い、下なら悪いという経済指標の一つです。

今回、PMIという経済指標を取り上げるのは、この経済指標が世界で景気の加速、減速が一番早く反応する指数として有名だからです。このきっかけは8年前の欧州債務危機のころ、PMIがこの危機を察知したことから注目されたのです。欧州債務危機というのはギリシャがつぶれるかもしれないに代表される事件のことになります。

実際のPMI

 

参照:trading economics

上記は上からアメリカのPMI、日本、その比較のPMIの推移になります。言えることは、2018年の年初から日米のPMIが下がってきていることです。

察しの良い方はお分かりになると思いますが、このPMIで2月の同時株安は説明つくことがおわかりになると思います。

そうです、景気が悪化しているのですから企業業績がよくなるわけもなく、株価は当然下落をします。そして今回も同じことです。今回の急落はアメリカのPMIが発表されたときに急落をしているのです。

要するに今回の急落は、貿易戦争なのではなく、企業業績が悪化することを見込んで下がったのです。それだけの話です。

卵が先か?鶏が先か?

報道では、世界で貿易戦争が始まるから、株価が下がり、円高になったという人が過半なのですが、冒頭にお話しさせていただいたように、トランプさんは選挙を控えているので株価を上昇させたいのに、ますます下がるような要因を自ら作り出すでしょうか?

何が言いたいかといえば、トランプさんは、企業業績が悪化することを見込み、先手を打って、貿易のルール改正を行っただけの話です。つまり景気の悪化が心配されるから、アメリカが有利な貿易体制を作っただけの話なのです。つまり貿易戦争を仕掛けたから、株が下がったのではなく、景気が世界的に悪化しているから貿易戦争を仕掛けたのです。

この違いは非常に重要で、貿易戦争が世界景気を悪化させると考えるのと、世界景気が悪いから貿易の改革を行う、後者のほうが、非常に前向きな意味合いになり、前者は悲観的な見方です。報道は前者の見方で報道する傾向がありますよね。

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まとめ

世界の景気が悪化しているから、株価が下がり、円高になっているだけの話です。つまり景気が回復すれば、また株価は上昇しますよ、ということです。貿易戦争は世界をよくするために仕掛けているのですから、前向きにとらえなければいけないということです。

参考までに、ユーロ圏も、中国もこのPMIは下がっています。世界の経済大国、経済地域の1~4位まで景況感が悪化しているのですから、世界の景気がダウントレンドになっても全然おかしくないですよね。だから株価が下がり、その対策としてトランプさんは貿易改革を行おうとしているだけの話です。原因と結果が報道は逆になっているのです。

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角野實

元・金融機関営業マン。10年間セールスの道を究め、トップセールスにのぼりつめる。同時期に外国為替証拠金取引(現在のFX)の開発と営業に取り組み、FX投資家としても利益をあげる。現在は投資顧問会社、オーナー、栃木県那須町にてセミリタイア生活中。「人格が相場への影響が甚大であること」を心がけながら、日々作家活動に励んでいる。

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