シニアの保険に「先進医療特約」は必要?

黒田尚子

2017.12.16.(土)

「先進医療」-言葉の響きから、なんだか、素晴らしい治療に違いない!と感じる一方で、ものすごくお金がかかるのではないか?という心配の声も良く聞きます。

2004年12月に導入されて以来、保険会社のCM等のおかげか認知度もあがってきたよう。この費用がカバーできる「先進医療特約」を付けた方が良いのか悩む方も少なくありません。

今回は、知っておきたい先進医療の基礎知識と先進医療特約の意味について考えてみましょう。

「先進医療」とは?

そもそも「先進医療」とは、厚生労働大臣が定めた公的医療保険の対象にするかどうか評価段階にある高度な治療・手術のこと。

認められて公的医療保険に『仲間入り』することもあれば、評価の対象から外れることもあり、常にその対象は変動します(2017年11月1日現在で104種類)。

受けられる可能性は低いと思われがちな先進医療ですが、患者数は増加しています。

2012年の実施医療機関数553、患者数1万4,479人に対し、2016年は、実施医療機関数811、患者数2万4,785人と、とくに患者数は4年間で1.7倍にアップ。

とはいえ、それでも患者数は、日本の人口の0.02%程度にすぎません。

<参考>厚生労働省「先進医療の概要について」http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/sensiniryo/index.html

先進医療と標準治療の違いは「医療機関」と「費用」

先進医療は、標準治療とよく比較されます。両者の違いは、「費用」と受けられる「医療機関」の2つ。

まず標準治療とは、科学的根拠(エビデンス)に基づいて推奨される、その時点での最良の治療のことで、『標準』といっても、先進医療よりも劣っているわけではありません。

公的医療保険が適用されますので、高額療養費制度の対象にもなります。

一方、先進医療は、診察や検査、投薬等については、公的医療保険が適用されるものの、技術料部分は全額自己負担になります。

代表的な先進医療の一つである「陽子線治療」の場合、技術料は約276万円と非常に高額です。

さらに、標準治療は、全国どこでも多くの医療機関で受けることができますが、先進医療は、対象となる医療機関が決まっています。同じ治療であっても、厚生労働省に届け出のあった医療機関以外で受けた場合、先進医療とは認められません。

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先進医療特約は付加した方が良い?

高額になる可能性のある先進医療の費用をカバーするために登場したのが「先進医療特約」です。医療保険やがん保険などに特約として付加することができ、保険料も100円〜200円と少額です。

それでも、先進医療が受けられる可能性は低いとして、確率的に給付の見込みがないため付加しても意味がないという専門家もいます。

しかし元来、保険というのは、確率が低いけれども、そうなった場合に経済的損失が大きいリスクに対してかけるもの。この考え方からすると、先進医療特約は「保険」らしい保障なわけで、必要だと感じれば付加する意味はあるでしょう。

年齢を問わずワンコインで加入できる先進医療保険も登場

もちろん先進医療特約だけが目的で、必要十分な保障をカバーしている既契約の医療保険やがん保険を解約して、ほかの保険に加入し直すようなことは、お勧めしません。

ただ、保障を見直して、新たに保険に加入する場合や、先進医療特約を中途付加できるような場合は、検討しても良いのではないでしょうか?

なお、最近ではワンコイン(500円)で、単体で加入できる先進医療保険も登場しています。やはり、関心の高い50~60代のシニアを中心に加入が増えているようです。

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黒田尚子

ファイナンシャル・プランナー/消費生活専門相談員資格/乳がん体験者コーディネーター。1998年FPとして独立。2009年末に乳がん告知を受け、「がんとお金の本」(Bkc)を上梓。自らの体験から、がんなど病気に対するおカネ・ココロ・カラダの備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力している。著書に「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実」(セールス手帖社)など多数。黒田尚子FP事務所 http://www.naoko-kuroda.com/

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