知らないと損!老親の年金の増やし方

村田くみ

2017.12.22.(金)

親を介護している子どもにとって、一番の問題は「お金」。

介護や医療、生活費用の不足分を自分の給料から捻出していると、貯金できないどころか、リタイアしたときに自分こそが下流老人になってしまいます。

親がサラリーマンを勤め上げて退職金や厚生年金、企業年金を受け取っていればそれほど心配しなくてもいいと思いますが、問題は国民年金しか加入していない人。生活保護の受給者の半数以上は低年金、無年金の高齢者というように、親がどれくらいの収入、財産があるのか知っておく必要があります。

10年短縮年金で年金が増える

今年8月からスタートした「10年短縮年金」によって受け取る年金が増える可能性が出てきました。これまで国民年金(老齢基礎年金)を受け取るためには、25年(300カ月)以上の納付期間が必要でしたが、8月以降は10年(120カ月)に短縮。

老齢基礎年金の受給額は保険料を納付した期間によって異なり、20歳から40歳まで40年間納付した人は、65歳からの年金額は満額の年間約78万円。保険料を10年納めると、受け取る年金額は満額の4分の1程度、約19万5000円ですが、老親の生活費を捻出している子どもにとってこんなにありがたい話はありませせん。

10年短縮年金の対象者には「大切な書類です」と書かれたA4サイズの黄色い封筒が、日本年金機構から届きますが、封筒が届かない人でも「10年短縮年金」を受け取れる可能性があるので、あきらめないで確認してみましょう。

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カラ期間や消えた年金記録を探し出そう!

日本の年金は1961年に国民年金制度がスタートする以前も、被用者年金などが実施されています。

特に、
①1986年3月以前に、サラリーマンの配偶者だった期間
②1991年3月以前に学生だった期間
③海外に住んでいた期間
④脱退手当金の支給対象となった期間
などが合算対象期間(カラ期間)となり、受給資格期間にカウントすると、年金が受け取れる可能性があります。

また、年金記録は84年からコンピューターで管理されるようになりました。ところが、厚生年金記録の一部は紙の台帳に記されたままで、今も見つからない「消えた年金記録」が約2千万件もあります。

日本年金機構は「カラ期間」や「消えた年金記録」までは把握していないので、今回黄色い封筒が届かなかった人も、年金記録をもう一度、自ら探してみましょう。

保険料納付がゼロ円でももらえる人もいる

例えば極端な話、母親が会社員の妻で「3号被保険者」の加入期間が6年しかなかった人でも、カラ期間が4年以上あれば、受給資格の10年をクリアして受給資格の対象になります。

加入期間6年分の年金額は年間約11万7000円。「それしかもらえないのか」と思われがちですが、そもそも会社員の妻だった6年間は自ら保険料を支払ったわけではないので、とても大きな収入です。

父親も、戦前、戦中に軍需工場で働いていた経験があれば、その経歴がきちんと年金記録に反映されているかどうか確認したほうがいいでしょう。特に戦後の混乱期に民間会社で勤めた経験がある人も同じです。

親の年金を調べる際、親の居住地の年金事務所で手続きをすることになるので、事前に必要な書類や持ち物は何か聞いておき、帰省したときにまとめて手続きをすることをお勧めします。

特に、本人以外が年金の加入期間や年金の見込額を調べるときには、「委任状」が必要なので、日本年金機構のホームページからダウンロードして用意しておきましょう。

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村田くみ

ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー 1995年毎日新聞社入社。「サンデー毎日」所属。2011年よりフリー。08年から母親の介護をしながら、ライター、ファイナンシャル・プランナー(AFP)として週刊誌中心に執筆。おもに介護、社会保障、マネー関連の記事を担当。16年1月一般社団法人介護離職防止対策促進機構(KABS)のアドバイザーに就任。著書に『介護破産』(KADOKAWA)、『書き込み式! 親の入院・介護・なくなった時に備えておく情報ノート』(翔泳社)、『おひとりさま介護』(河出書房新社)など。

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